津軽海峡フェリーの思い出
まだ世の中を何も知らない15歳だった私は、家族旅行で青森県から北海道函館市を結ぶ津軽海峡ロードをフェリーに乗って気分も浮かれていた。
デッキの所でカモメを観察していた私に、すぐ近くで同じように海を眺めていたおそらく米国人であろう若い男性が声を掛けてきた。
「函館まで何時間かかるの?」
片言ではあるけれど日本語の上手な彼は私に
「3時間半くらいです」
と返されると、
「Oh!3時間半も!!」
と興奮していた。
一人で来ているらしかった彼を見て、異国の地でフェリーに乗って一人旅をするなんて凄い!と私は感心していた。
限られた時間だけれど彼と睦ぶこの一時は世界を知らない私の人生に色づけしてくれた。
キラキラした彼の瞳に函館はどう映ったのだろう?
函館の夜景以上にその瞳は輝いていただろうなと私は想像していた。
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