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残された私達に出来る事は三浦春馬さんの遺してくれた作品を愛でる事

2019年8月、私はドラマ『TWO WEEKS』 に夢中になっていた。三浦春馬さんが様々な舞台で活躍されていた事を知らなかった私は、三浦春馬さんの演技を見るのは久し振りで、
“こんなに大人の雰囲気が醸し出せる俳優さんになっていたんだ”
と驚くとともに成熟された演技力に惹かれてどんどんのめり込んでいって、彼の演技とドラマの展開から目が離せなくなっていた。

私事で恐縮だが、その当時私は体調不良に悩まされており、頼みの病院に行っても治らなくその症状に日毎に追い詰められていっていた。そして限界に達した頃、仕事に行けないまでになってしまった 。仕事に行けない=収入が途絶える。収入が途絶える=生きていく事も出来なくなる。追い詰められた私は自死を考えるまでにもなった。

だがここで思いとどまらせてくれたのは紛れもなく『TWO WEEKS』だったのだ。三浦春馬さん演じる結城大地がどうなるのか見届けたい。その一心で私は生きる事を選択した。死ぬ勇気がなかったと言えばそれまでであるが、自死を考えていた人でさえ取りつかせる魅力が三浦春馬さんの演技含め『TWO WEEKS』にはあった。

悪の手から逃げ続ける結城大地。どうか助かって幸せになって欲しい。危惧したバッドエンドはこのドラマの結末には見当たらず、私はホッと安堵した。結城大地の幸せな結末を見届けられて本当に嬉しかった。

私は演技の上手い俳優さんには、役柄そのものに思えてしまって必要以上に感情移入してしまう事が多い。視聴者にはよく見られる事だと思うが結城大地を演じた三浦春馬さんにも
“幸せになって欲しい”
と心から願った。

それから10カ月足らずで三浦春馬さんが自死されたと知った時の衝撃はどれ程のものだっただろう。

一視聴者に生きる選択を与えてくれた俳優さんが自死されるなんて、言葉を失うほかなかった。

私は何も返せていない。

YouTubeに上がっていた『Not My father's Son』を見て私は何度も咽び泣いた。

私は難聴である為、『TWO WEEKS』を字幕放送で見ていた。聴こえる程度の音量で視聴すると周囲にかなり迷惑をかけてしまう為、ほとんど耳に入って来ない程のボリュームで聴いていた。この事を今、とても後悔している。

『TWO WEEKS』の主題歌を三浦春馬さんが歌っていることは知っていた。でも私の耳はそれを聴かなかった。何で放送後にYouTubeで聴く事をしなかったのだろう。

自分の行いには本当にガッカリする。

YouTubeで『Fight for your heart』のMVを見たら『Not My father's Son』に必ずたどり着いた筈なのだ。

この動画を見て私は『TWO WEEKS』以上の衝撃を受けた。

これほどの俳優さんを私を見た事がなかった。言葉では表せない。生前、演技を通して助けてもらいながら何も感謝の言葉を伝えていなかった事を本当に悔やむ。

有り難い事にキンキーブーツの特別映像が公開された。『Not My father's Son』も入っていて本当に嬉しい。

『Night Diver』は迷わず予約した。
MVも何度も見た。
何度見ても新しい発見がある。
ここの手の動きが好きだとか、バレエの動きに劣らない美しさとか、ここの回転が良いとか次から次へと出てくる。

本当に美しいダンス。

おそらくバレエをやっても頂点までのぼりつめたであろうレベルの高さである事が見て取れた。バレエがフィギュアスケートに代わっても同じ事が言える。

あらゆる可能性を感じさせるダンス。

そこには天性のものと努力があると思う。

彼が死して3ヶ月余り経った今も、彼の死から立ち直れない人が多い。

生前、特別に彼のファンではなかった人達にもその現象は起きている。

残された私達に出来る事は、彼が遺してくれた作品を愛でる事。

今後も彼の出演した作品は公開される。

今年12月11日には、映画『天外者』が公開される。三浦春馬さんは主演をつとめ五代友厚を演じられている。

2021年3月12日には、新田真剣佑さん主演の映画『ブレイブ 群青戦記』が公開される。のちの徳川家康である松平元康を三浦春馬さんが演じられている。

テレビドラマ版と異なる視点で描かれた映画『太陽の子』も2021年に公開される。

三浦春馬さんの遺してくれた作品を愛でて、後世の人に伝える事。

三浦さんの功績は永遠に残る。

三浦春馬さんという素晴らしい俳優さんがいた事。

沢山の作品を遺してくれた事。

沢山の感謝の意を込めて。

三浦春馬さん、本当に心からありがとう。

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