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バイト先で

5年ぐらい前 地元の発泡スチロールを作る工場にバイトで入ったとき 私と同時期に入ったおじさんがいた 63歳ぐらいだったか 

その人は北海道職員で4月ぐらいの時は仕事ないからという理由で毎年来てるらしい 変わった感じだったがめっちゃいい人だった あんまりほかの人と話すタイプの人じゃなかったが、宇宙戦艦ヤマト、野球が好きな人で私も好きだったので打ち解けてすぐ仲良くなった 私もみんなも徳さんと呼んでた(名前に徳が入ってるので)

休憩中に一緒にご飯食べててテレビ観てた時、アメリカ大統領選挙のニュースをやってて私が ヒラリー、サンダース、トランプ誰当選するんですかね~と言ったら トランプになったらな、アメリカ、世界が滅ぶぞあんなんダメだ!と怒ってはいないが熱くなっていた 私は(おっ この人めっちゃヤバくて面白い人だ!)と嬉しくなった 何故か

それから政治の話もするようになった 毎度言うのは与党も野党もだらしない あんな奴らに国は任せられない だった ほんと毎度 あと共産主義と社会主義の違いについていろいろ教えてもらった 独特の価値観も入ってわかりずらかった めっちゃ楽しかったけど 

そこで私は すっごく詳しいですけど、昔からそういう勉強してたんですか?と聞いてみた そしたら徳さんはこそっと 昔な同志社大学入って学生運動してたんだ と言った 納得だそりゃ詳しいわ 

なんでも徳さんは高校にいた時に政治をより学びたくて、卒業後は本州へ行き、バイトしながら同志社大学に入ったそう それからは国の在り方、国家のシステムに疑問を持ち、学生運動に参加したそう 大学内の共産党大会でギターを弾いたりもしてたらしい(当時俺はフォークゲリラだったと言っていた)逮捕はされなかったそうだが  警官も普通に石投げ返してくるんだ 怖いし危ないと言っていた それからは連合赤軍の内ゲバなどの事件にショックを受け、参加しなくなったそう ものすごく貴重な話だと思った なかなか聞ける話ではない

雇用期間を終えるのも同じぐらいだった 最後の仕事を終えて帰り際に徳さんが、ちゃんと就職しろよな ここなんて安いんだからもっといいところで働くべきだ じゃ達者でな と言ってくれた 私は 徳さん居なかったら続けられませんでした!ありがとうございました!と言って握手してもらった 私は少し泣きそうだったのを覚えてる 

今も時々徳さんどうしてるかな 元気なんだろうか…と思い出す 


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