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卵焼きの想い出

nicoです。
かなり久しぶりになりましたが
卵焼きの想い出を語りたいと思います。
お時間少々で読み終わりますので
お付き合いください。

うちの父は船に乗っていた。
夏休みに合わせて長期の休みをとり
夏の終わりが誕生日の弟と
秋の始まりの私の誕生日を一緒に祝うために
大抵その時期に家にいた。

父が帰宅すると
うちの食事は全て父が作った。
数々の想い出の味はあるけれど
今日は卵焼きの想い出を綴ります。

うちは、あまり外食はしなかったけれど
多分どこかで食べたゆで卵をマヨネーズで
和えたサンドイッチが
美味しかったのだと思う。

家庭と給食ぐらいしか
食のバラエティがわからない子どもだった私は、朝忙しいのに、これじゃない‼️と癇癪を起こし父を困らせた。

正直、父はわりかし厳しいというか
怖いタイプだったけれど
食い意地がはっている私はどうしてもそれが食べたかった。

ゆで卵という単語が分からず
卵とパンという幅広いリクエストから
作ってくれたのが卵焼きサンドだ。

これではなかったから
泣き腫らした目で登校した。

今思えば、愛だっんだなと思う。
一人自分のために、ほぼほぼ料理を
数十年作り続けて思い出すのは
いつだって、父が作ってくれた料理だ。

吉本ばななさんの母は、病弱でばななさんの
お父様が惣菜を買ったり、料理をしたりというエッセイがある。

うちは、それとは違うけれど
懐かしく感じるのは
もう、それを食べて泣いたり笑ったりしていないということなんだ。

随分長い間
それが貴重な時間で愛なんだと
気づかなかった。

私は、今日も明日も自分のために料理を作る。
私は、19のときに父にカレーを作った以外は料理を作ってあげられることなく、それが最後になってしまった。

人との別れは予期せぬときに
突然やってくる。

だから、私は今日も料理を作る。
今日は父の命日だ。
私をこの世界に出会わせてくれて
ありがとう♡
またねー✋

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。あなたにとっても愛のある時間がもてますように。nico

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