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君と秋口



拝啓

毎日が 長い長いと感じていたのは私だけでしょうか

お元気ですか
身体は壊していませんか
日々を穏やかに過ごしていますか

去年を思い出します
思い出して想うだけでは もうどうせ何にもならないことも知っています
言葉だけは流暢に
そして虚しく響く理由は きっと心がここに無いから

あの勝負に
勝ったのか 負けたのか
今の私でいるということは
私は負けてしまったのでしょう

心に 言葉に 想いに 時間に
私は負けてしまったのでしょう

相反するはずは無かったのに 未だ解らないことだらけ
そういう言葉も想いも
私のそれは 何も届いていなかったということ
届ける術を間違えてしまったということ

尾を引き過ごしたこの日々で
確実に何かを諦めつつあります
私の中にいる者は もう剥すことが出来ないほどになっていて
けれどもうそのままでいいとも思っていて

感動をも生まなくなってしまった心を解すのもまた
限りなく君の力が必要であって
片時も 隅に置けぬ今に
差程の事も大事も 今はまだ何とも変えること出来ぬまま
生活をこの先を営まねばならないのでしょう

気が付けばもう十月
巡る季節は年々早く感じます
秋になり 冬が来て また寂しさがやってくる頃に暖かい春が訪れるのです
次の春は 一体どんなものになるのでしょうか
まだ来ぬ冬すら吹き飛ばしては暖かいであろう日々のことを想います

明日のために 
ここでまた したためる用意を
自身のために

#20211002  #sunday #maoのエッセイ✍︎ #思いの向こう側