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エルセ2ndワンマンライブ2022を見ての感想

まずは、この記事を開いて頂きありがとうございます。
そして、初めましての方は初めまして。
以前別のものをお読み頂けた方は、再度ありがとうございます。

まず始めに、これは2022年7月18日にエルセとさめのぽきチャンネルで行われた、エルセ2ndソロライブに対するストーリー考察を含めた個人的な感想となります。
またライブのスクショ等を使用したり、実際に歌われた曲順で感想を書いているため、ライブのネタバレを多分に含む内容となっております。
未視聴の場合やネタバレが気になる方はご注意下さい。


なのでまずはこちらを見てから。

この感想を見るよりも1080pの全画面&(周りに迷惑をかけない程度の)大音量で一時間半ほど視聴して頂いた方が早いと思います。

なんと言っても全編無料で公開されておりますので。
まずは視聴して自分の中で漠然とした感想を掴んで頂けたらこの記事の内容は見なくても十分でございます。
その上でこの記事を読む余裕のある方がいましたら、私の感想を読みながら「あーそうだよねぇ」とか「そういう解釈もあるか」とか「いや違う、私はこう思ったな」みたいに首を縦に振ったり横に振ったりしながらお付き合いして頂けたら幸いです。↓

見ましたか?

それでは宜しくお願い致します。


2022年6月、Virtual Music Award(通称ブイアワ)2022への参加が決定している中、更にこれとは別の重大発表が近日中にあるという告知がありました。
これ以上に何があるのかと続報を待ち望み、そして遂にその告知内容が発表されました。


7/18(海の日)

エルセ2ndワンマンライブ
「STAND ALONE」
-ほんのひと時の、私の、心の旅-
開    催

と、まさかのソロライブ開催でした。
そして日程もブイアワが7/16~7/17、ソロライブが7/18と三日連続でのライブ出演及び開催という、『三連休だよ全員集合!』と言わんばかりに怒涛のライブ尽くしと盛りに盛り込まれた内容に驚かされました。
そして同時にソロライブへ向けて6/19から約1ヶ月もの間、『エルセちゃんの歌声』を存分に披露する事を中心とした活動を行っていくという旨の宣言もありました。
具体的な内容は

というもの。

そして期間中はこれだけを行うのではなく、月曜深夜の定期配信『零時の鐘が鳴る』やコラボ配信といった通常の配信も同時並行される形で行われていく事に。
そしてソロライブ開催が近づくにつれ友達から寄せられてくる応援メッセージの数々……そのやり取りや取り組みを見ている内にこのライブに対しての意気込み本気度が伝わってきて、次第に期待が高まっていき開催を待ち焦がれる様になっていました。
そして7/16、7/17と開催されたブイアワも持てる限りの最高のパフォーマンスを発揮するライブを披露し、そしてその熱気が冷め止まぬままついにその日がやってきました。

画面の前で配信開始を見守る中、ついに

              幕が上がりました。

1st Stage:深い海の底

浮かび上がる【PROJECT BLUE】の文字

(なお配信はきちんと端まで画面いっぱいに表示されております。
劇場版っぽく左右が切れているのは私の環境でスクショ撮影を行ったせいです)

静かに幕を開け、まず始まったのが独白。
今までの少女の生い立ちや気持ちが淡々と語られる中、映し出される場所は少女の住む暗く深い海の底にある世界。

輝く満月と船の構図。
なんかもうこの時点で既にすごい。


そうして出てくるは、かなり前に沈ん事を連想させる様なすっかり朽ち果ててしまった船とその残骸。

沈没船の前に佇む少女

だけど、なぜ沈没船?

沈没船といえば某豪華客船のをモチーフにした映画の様な『事故によって沈んでしまったもの』が真っ先に思い浮かぶ。
だがそれとは別にかつては機密保持の為や『役目を終えた船を弔う』という意味に加え、魚の住み処とするべくあえて沈める場合もある(もちろん海洋が汚染されてしまっては元も子もないのでしっかりと手入れや処理を行い、沈めた先の環境が破壊されないよう場所も配慮した上で)。
どちらにせよもう人を乗せる事がなくなった船は海の奥深くへと沈み人知れず静かな眠りに就き、今度はその船体に海草や貝といった生物が住み処として乗り込み、体が小さかったり群れを作らない魚達にとっては天敵から身を潜める為に絶妙に入り組んでいる船内が絶好の場所となる。
人工物であるテトラポットの下の様に生態系が船を中心に出来上がり、やがて大きな漁礁になるのだ。

インターネットという海を漂いながら居場所を求め個々に彷徨い時には群れ出会い別れを繰り返しながら拠り所を探し見つけ暮らすなんて、まるでひっそりと暮らせる安寧の地を探してる魚の様じゃありませんか。

そんな我々の拠り所と一端になる可能性がある場所の前で「出ておいで」と言わんばかりに歌い始めるなんて、深海で独り暮らす少女としてこの上なくピッタリなステージ。

……なのかなと個人的には思いました。


-ghost-

まるで亡霊の様に漂う「自分」というものに対しての曖昧さや存在意義を考え「見つけたい」と願いが込められた寂しげで儚い雰囲気を纏う。
頑張って少しだけ踏み出そうとした結果もし世界から拒絶される事態に陥ってしまうかも知れないと考えると怖いけど、「ここにいる」という証を見つけ刻みたいと力強く望む様にも聞こえるこの曲はこれから紡がれる物語の始まりにはぴったり。

-バスルーム-

今まで部屋の窓からしか見てなかった世界よりもっと世界は広い事を知り、より広大な外の世界へ行きたいと望み誰かに連れ出して欲しいと願う。
ライブには映っていないが相方『さめのぽき』さんのコーラスが入る事によって、その誰かに出会い連れ出されたような雰囲気が増してエモさが更に加速する。


幕  間
\アピールしてくださーい/

はいかわいい。
右は配信コメントとtwitterのハッシュタグで投稿されたもの全て流れていて、一体感が増している。

背景を始めとした全体の雰囲気ばかにり気を取られてしまうけど、エルセちゃんの衣装もそれに負けない位に質感が凄くリボンや髪がふわふわと揺れ漂うのも可愛くて素敵。


-UnderWater-

かつて深く暗い海の底にいて、手を引いてくれる相手を見つけ連れられ広い世界に旅立とうとしている少女の「私を見つけ出して」という強い思いが願いにも感嘆にも聞こえる。
この曲の終わり方は衝撃が強く、この声を頼りに探して深く暗い深海の底に住む少女と鮫を見つけ出せたからこそ初めて聞こえる歌なのだと思う。
エルぽき楽曲の中で恐らく一番好きな歌。

             場面転換が入り、独白。

2nd Stage:新たな海の底


沈没船の前で友達や仲間を見つけ広大な世界や「自分は一人じゃない」という事を知り、夜明けの様に明るくなっていく自らの気持ちと共に向かう先は。

ちなみに今までもソロライブ深海フェスなど数々のライブが行われてきましたが、用意されていたステージは基本的に一つでありそれをシーン毎に明るさやライトの当て方、画角を変えながら映すといった演出がなされていたので(そもそも毎回こんな規模のものを一つ用意できるだけでも凄いし、二つ以上用意する方がおかしいのだが)、今回も同様の方法が使用されるとこの時は思ってました。

正直舐めてました。


そこに沈没船は見当たらず。
ビルが立ち込める、どこか。
奥には大型の魚影も。

今までいた世界とは打って変わり、より大きく広がり多くのものが存在する世界。
先程は(夜という事もあり)静かで鬱蒼としていたが今は光も差し込み辺りには数多くの魚が回遊しているのがハッキリと見え、色とりどりの海草が生えている自然が溢れ色彩豊かなステージがお目見えする。

-mirror-

2020年3月22日に行われた、とある方との対バンライブLast V STANDiNG2(通称LVS2)用に書き下ろされた楽曲。
そのライブが行われた時は二人で歌われ二人の歌唱Ver.もライブ会場では販売されたが、現在は残念ながらサブスク化もされておらず絶版となっている。
仮に存在を見失っても例え遠く離れてしまっても目の前にいるのが知らない相手でも、声を上げればきっと呼応し合え互いの存在を確かめ繋がりに行くことができる二人(と二匹)の為の歌
私にとっては、エルセちゃん達の世界を開拓し入っていくきっかけとなった大切な曲。

-nagi-
みんなの夏。

照り付ける太陽の明るさと吹き抜ける風の様な爽やかさを凝縮した様な、さっぱりとした晴れやかな雰囲気がお洒落で素敵な印象を受ける『夏』を現した一曲。
MVでは新たな試みが取り入れられたり、一人の夏から繋がりみんなの夏へと広がる事ができた曲でもある。
タイトルが全角かつ小文字なのが個人的に好きなポイント。

そしてここで同接が1000人を突破。
1stソロライブの最高同接数は900人超えをしていたものの、最終的には4桁に届くことなくモヤモヤしていた。
その悲願を無事に達成し感動に包まれる。

-ブルーアワー-

今までの何気ない日常に『出会い』というほんの少しのエッセンス加わった事によって世界は広がったけど、自分はどう変れたのか、どうありたいのかを自問し答えを探そうとしている。
『私のたった一人の相棒へ』という、ぽきさんに向けて自分なりの解答を提示しているとも取れる一言に加えて少し潤んだ声と共に歌い始まる事によって更に涙を誘われる。

            場面が転換し、独白。

3rd Stage:星の海の底

夜でも明るく広がる満点の星空と数多の流れ星

とうとう海から飛び出し地上へ。
広い世界と言えど、今まで海の中という居場所しか知らず誰かに引っ張られて歩んでいた少女が様々な出会いを経て考え悩み成長し、今度は自らの意思で未知なる場所、更に広い世界へ旅立とうと勇気を出して一歩踏み出した。

-星詠みの唄-
うぉーおーおー!

エルぽきと言えば、まず挙げられる一曲。
もはや説明不要。

かつてのエルセちゃんからは想像できない程に強く勇ましく、皆を引っ張っていこうとする掛け声が発せられている。
それに呼応する様に皆も『うぉーおーおー!』で染まるコメントの一体感が、まさに歌詞通りとなっており凄まじく好き。
-深海列車-

とりあえず今すぐどこでも良いから飛び出して行きたいとウズウズしており、行き先もアテもなく赴くまま揺られるがままの旅に出て行きたくなる。
不思議と未知なる場所や物事に対しての不安はなく、むしろ見たことのない場所へ辿り着けるかも知れない可能性と見てみたいという好奇心やエネルギッシュさに溢れている。

-STAR-

自分が何になりたいかどうしたいのかを見出だし、光輝く目標を見つけ臆する事なくそこに向かってひたすら真っ直ぐ進んでいきたいという強い意志の塊を感じる。
かつての暗く深い深海にいた少女とは思えない程にその姿は眩しく、自らも『我々が迷わないように目印になる星』だと言わんばかりにとてもキラキラしている。

少女の足元は磐石というにはまだとても小さく、頼りなさそうにも見える。
しかし今まで歩んだ道程の中で幾多にも踏み固められたそれは、見た目とは違い強くしっかりとしている。
『もっと様々な星を見に行きたい』と自ら望み、かつて誰かに手を引かれてていたとは思えない程に心強く、好奇心のまま行き着いたのは数多の可能性が煌めく広大な海だった。

そしてこのステージで繰り広げられた曲目には全てぽきさんのコーラスが入っている。
どんな時どんな場所だろうと、いつも傍らには頼れる相棒がいるから何も怖くない。

……という物語が脳内で出来上がっていく。


かつてパソコンをぱこそんと言い間違える程までに機械に疎く、配信するのもぽきさんのサポートが必要不可欠だったエルセちゃん。
だけど今は一人でしっかりと配信を行え、動画制作に関しても『難しいし大変だけど(作っていて)楽しい』と本人の口から語られる程にまで成長しておりました。

思えば今までの曲順も『願う』『思う』といった受動的なものから始まり、苦悩や思案を経て段々と心境が変化し能動的に活動していけるまでに成長したといった物語が描かれておりエモみがあります。


       臆する事なく少女が次に目指すのは……。

4th Stage:見慣れた海の底

全てが始まった、初まりの場所。

語られる独白は最初のものと変わらないが、生気を感じられず今にも消えてしまいそうだった最初とは雰囲気も意味も大きく異なって聞こえる。
色々な所へ旅をし様々なものを見聞きし世界を広げてきた少女に見えたのは、暗がりで寂しかった雰囲気の『それ』とは全く異なる、沢山の仲間がいて、キラキラに煌めく世界。

今までエルセちゃんを見てきた人にとっても、明るい雰囲気に様変わりしたこの舞台には驚きを隠せなかったと思う。思いたい。

-BLUE-
始まりの歌

『エルセとさめのぽき』として一番最初に投稿された動画であり初めての歌。
そして今回は今までの自分や旅路で得てきた全て、そしてこれからの思いを振り返り綴って詰め込んだ新たな『始まり』であり、私達に改めて自己紹介し『これからも宜しくね』と言っている様にも感じる。

自身を亡霊と例える程に軽薄で曖昧だった存在だったけど、今までとは見違える程に力強く、たくましく成長して帰ってきた少女。
こんな軌跡を描いた成長譚を見せられ、新たな門出に対し最高潮なまでに昂ってしまった気持ちを静める事なくこのまま終ってしまうのは少々物足りなく感じてしまい、何よりこのままでは過去を振り返り現在に到達した所で『俺達の戦いはこれからだ!』と今までの勢いを押し殺してしまい何時来るか分からない未来へ続かせる為の物語を待たせ続けるというのは少々勿体ない。
当然ながらコメントやハッシュタグで鳴り止む事がないアンコール。

そして初見さんアンコールに応じ
笑顔で帰ってくるエルセちゃん

そして帰ってきたと共に始まるプチ後夜祭。
語られるエルセちゃんのライブに対する意気込みや今までの感じ方、想い。

エルぽきやエルセちゃんとして活動の方向性や可能性を探る為に歌や音楽以外のゲームや雑談にコラボ配信といった時間を設け楽しい時間を共有しながら過ごし、より多くの方との繋がりや深い絆を感じられたのも事実。
そうした繋がりの結果ぷろぶる夏祭りを初め大成功を収めたイベントも見受けられた。
だがその変わり歌や音楽から距離が少々遠ざかってしまった時期が出てきたのも事実。

そんな中で『エルセとさめのぽき』は、果たして何なのか何がしたいのかどこへ行きたいのか

これに関しての答えはエルセちゃんやエルぽきの問題だけど、エルセちゃんだけじゃなく数多くの人もこの問題に日々悩みながら向き合い生きている。
だからこそ答えを見つけ出したり選択する事がすごく難しい事も、選んだ先にあるものが決して満足のいく答えが得られるとは限らないことも体感している。

導き出したした答えはもしかしたら茨の道かも知れないけど、最近は困難だろうと新たな挑戦をしようと躍進するエルセちゃんなら選びそうな道だったんじゃないかなと。
ありがとうぽきさん

そういった選択から決断に至るまでの胸の内を語り、そして最後の曲が始まった。

-Atlantics-
もっと遠くへ。

世界の広さや可能性を知った少女がこれから先へ続く物語をどう紡いでいくか、歩んでいく道に対しての秘めたる想いや望みが形となり、その強さがひしひしと伝わってくる歌。
今はまだ販売もMVもサブスク化もなく、ライブでしか聞けない貴重な曲。


5th Stage:終わりを迎えて

あとがき。

まんぞく。

今回のソロライブはただ歌を披露するのではなく『エルセちゃんの物語』を重視した内容と厳選された曲と順番になっていたため、一曲ごとに対して見聞きして感じていたものとはまた違った側面が見えてきたり感想や解釈を持ったりする事ができました。

また全てで一つの作品とも呼べるので今まで一曲ずつ抱いていた感想や概念を一旦ぶち破り、10+1曲で一つの繋がりになるよう落とし込み纏めるのが大変だということも痛感しました。

今回披露された曲の中にはMV化されてないものもあり、かつて販売されたCDやアルバムに収録されていたりライブアーカイブ等の限られた状況でしか聞くことができなかったりと、今回のライブを見るまで再生リストに入っている曲以外の存在を知らなかった方もいるのでは。
正直私も知らなかったとは口が裂けても言えない。

現在はエルぽき公式BOOTHで販売されているアルバム『SPLASH』に収録されていたり、更には各配信メディアでもサブスクやデジタルリリース化がされているので、かつては話に乗っかることができず寂しい思いをしていたけれども、今ならこれからエルぽきを応援していく方でも聞くことが出来るようになったのは嬉しい限りです。
かがくの ちからって すげー!

……そういえば今回のライブ、好きな曲の一つである『SUPERNOVA』はどこに組み込まれるのかな?と期待しつつ見ていたけれども最後まで流れる事はなく、三曲で一つの作品とも言える『夏の三部作』は今回の物語には合わず外されたとも感じ少々残念でした。

好きな曲の一つである『SUPERNOVA』が聞けず寂しくも『実はこんな曲もあるんだぞ』と触れてもらう良い機会になった事を嬉しく思う事にし、奇跡の軌跡を描いた物語も拍手喝采の大団円で無事に終わりを迎えました。

広がる世界はどこまでも青く

エンディングのBLUEを聞きながら余韻に浸り、あとは配信終了という幕が下ろされるのを待つのみ。


画面が切り替わり暗て……ん?


突如現れる文字
画面が進むために確信していく。
あぁなるほど。



夏の三部作』は今回の物語に合わなかったんじゃない。
これをやるためにわざと外したんだと。


         -8/31、また私達の夏がくる-

ありがとうございました。

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