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推し活アンチエイジング その2 HUG!

さてさて、今回はいよいよ「HUG」イベントのお話。

 一徹さんがシルクラボ(女性向けAVメーカー)専属だった当時、(2012~2016)「ハグイベ」というファンが一番待ち望んでいたイベントがあった。

2016年にファンになったばかりの私は、ビギナーズラックで専属最後のハグイベに当選したのだ。後々このイベントは2回目がなかなか当選しない、レアイベントだと聞いた。そのころSNSもやっていなければファン友達もいなかった私は、何の予備知識もなく会場に入った。

「抱いてエロメン hold me tight~」というタイトルだったけど、挨拶のハグを順番にやっていくんだろう…とか想像していて。
ただ、チケット料金がいつもの2倍…なのはなんでだろう?って思ってた。

 実はこの1週間ほど前に、一徹さんが専属を卒業するという知らせがシルクラボから届いて、この世の終わりくらいに落ち込んでいた。長年待ち望んだ王子をやっとやっと巡り会えたというのに、これから私はどうしていけばいいんだ…泣

なんとも言えない気持ちでイベントに参加すると舞台の上の一徹さんはいたって普通な感じで、「卒業と聞いて悲しかった人~」と挙手させる。「当たり前だよ、何言ってんだ」と毒づきながら、手を挙げた。10分も話さないうちに、牧野さんが(現シルクラボ社長。イベントではMCも務めていらした)「では、楽しくやっていきましょうか」などと、もうイベントが始まってしまった…。

「番号を呼ばれた人は前に並んでください」
どうやらいつものイベントとは違い、前方のスクリーンのある舞台で行われるようだった。

食べるのが大好きな私はこのライブハウスの「薬膳カレー🍛」が大好きで、この日もこの薬膳カレーとデザートのセットを注文して、美味しくいただいていた。

「よく食べられますねぇ」
近くにいた人が感心したような、呆れたような口調で話しかけてきた。どうも皆さん、あまり食べていらっしゃらない様子だ。
私はかすかに不安を感じながらも、周りの愛さんとおしゃべりしながら1時間ほどが過ぎた。

前方のスクリーンが気になる。スクリーンの裏手に一徹さんとファンのかたがいるようで、二人の足元だけが客席からも見える。

「42番のかた、どうぞ」
私の番号が呼ばれた。前方のスクリーン手前に並ぶ。10人ほどの列に並び、おかしな緊張感が背中から襲ってくるのがわかった。
体が強ばる。口が渇いて仕方ない。

いよいよ次が私の番…
暗いスクリーンの横から一徹さんとファンのかたが抱き合う姿がみえた。

ガシャン…

何かのスイッチが入った。
やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい
やばいやばいやばいやばいやばいやばいやつだ…

「42番のかた、どうぞ」
牧野さんが呼んだ。

「氷おに」という遊びをご存知だろうか?
鬼にタッチされると氷になり、そのまんまの形で静止する。アナと雪の女王にもそんなシーンがあったが、全身固まって足が前に出ない。

なんとかステージの端までたどりつく。
真っ暗なステージ裏に、一徹さんの姿があった。どうぞと言われているのに、どんどん後ろに後退し、壁にぶちあたる。

涙がこみあげてくる。
普段相当強気な私の、最大の弱点…

極度の男性恐怖症なんだよぉーーーーー😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭💧💧💧💧💧💧

その3につづく。





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