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【骨子・答案例】技術士二次試験(建設部門)過去問①R5必須『巨大地震対策』

技術士二次試験に向けた骨子ストック事例として、主要テーマの過去問について骨子案・答案を紹介していきます。

過去問の第1回のテーマは『巨大地震対策』(令和5年度必須課題)です。

地震大国である我が国にとって、『大規模地震対策』は社会基盤整備においえても最重要課題の一つであり、技術士二次試験の設問候補として、恒久的に残り続けると断言できます。

過去の傾向を見ても、特に、大地震が発生した翌年度、翌々年度は設問となる確率が極めて高く、令和6年度、令和7年度の受験予定者は最初に手を付けても良いくらいのテーマのように思います。

私が受験した2011年は東日本大震災の直後でしたが、選択課題(専門)において大規模地震対策の課題が出題されました。

本記事では、必須科目における『大規模地震対策』について、直近の令和5年度(※)での過去問に対して骨子・答案を作成しました。

今回の骨子については、『都市における防災対策』というテーマでしたので、国交省の公表資料である『国土交通省 首都直下地震対策計画【第2版】重要テーマ』のPPTを参照して作成しています。

作成した答案では、原稿用紙3枚に丁度収まることを確認しています。(記事の末尾に、答案用紙に記載したファイルを掲示しておきます。)

勉強の進め方に関する基本事項は以下の記事を参照ください。
技術士二次試験を初めて受験する人(=勉強方法を熟知していない人)に向けた記事です。

これらに該当する人で未読の方は、以下の記事等で基本を押さえたうえで、過去問や想定問の演習に進むことをお奨めします。
(我流で勉強すると、無駄が多くなるので)



(1)問題文

今年は1923(大正12)年の関東大震災から100年が経ち、我が国では、その間にも兵庫県南部地震、東北地方太平洋沖地震、熊本地震など巨大地震を多く経験している。これらの災害時には地震による揺れや津波等により、人的被害のみでなく、建築物や社会資本にも大きな被害が生じ復興に多くの時間と費用を要している。そのため、将来発生が想定されている南海トラフ巨大地震、首都直下地震及び日本海溝・千島溝周辺海溝型地震の被害を最小化するために、国、地方公共団体等ではそれらへの対策計画を立てている。一方で、我が国では少子高齢化が進展する中で限りある建設技術者や対策に要することができる資金の制約がある現状である。
 このような状況にお言うて、これらの巨大地震に対して、地震災害に屈しない強靭な社会構築を実現するための方策について、以下の問いに答えよ。

(1) 将来発生しうる巨大地震を想定して、建築物、社会資本整備及び都市の防災対策を進めるに当たり、技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれ観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。
(2) 前問(1)で抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) 前問(2)で示した全ての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
(4) 前問(1)~(3)を業務として遂行するに当たり、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要点・留意点を述べよ。

出典:令和5年度技術士二次試験[(建設部門)必須課題Ⅰー1

※ 想定問題は必須課題での設問を想定。
※ 設問の形式は、直近5年間の設問ルールに基づき作成。

(2)骨子案


(1)の3つの課題の選定は、色々な切り分けが出来ます。自分が熟知して対策案を多数記載できるような切り分けをすることが重要です。
手前味噌ですが、イイ感じに切り分け出来たので、ヒントになるのではないかと思います。(今回の課題設定は超過外力対策等の課題でも流用できるかと思います。)
(4)の技術者倫理とSDGsに関する留意点については、定型設問ですが、どの様なテーマでも選定する留意点は殆ど変わりません。本記事でも、他のテーマへ流用可能な留意点で作成しています。
これらの、問題が変わっても流用できる「共通の課題と対策のセット」や「考え方」を蓄積していくことが、過去の記事で記述していた「骨子・答案ストックを貯めることで、学習後半が楽になる」ことに繋がります。

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