無音

ふいに手を離してしまったばかりに
失われてしまった尊いもの

弔うことすらままならず
断絶の痛みから出た絶句

誰にも伝わらないとしても
生きるために 生かすために

謝罪にも贖罪にもならないと
知っていてもなお

声にはできないから 音にもならないから
私は書いていく

私は 生きていく

(2023.9.1.17:51)