マイナーコード

誰かを想うときにはいつも
さよならを見つめてしまうから
終わりから始めるような恋は
いつもどうしてもうまくいかない

転んだときにケガしないように
常に前に手を出す準備をしている
そんな臆病な自分になったのは
前に大ケガしたことがあるからさ

想いが強くなるほどに
壊れた反動は大きくなるもの
それを知ってしまった今では
どこかに冷たいエゴを残して

いつまで経っても変われずに
あの日の分岐点がぼくを縛る
望まれたのはこういうことでは
ないとはわかっているつもりだけど

別れの台詞を押し込めるように
短三和音の曲を奏でる
終わりを見つめるぼくの言葉は
どこかで半音下げざるを得ない

誰かを想うときにはいつも
さよならが響いてしまうから
終わりから逆算する恋は
またも誰かを素通りしていく

(2023.12.22.12:49)