手垢のついたフレーズ

ゆうべの過ちを取り返すように
今日を必死にもがいている
毎日こうやってやらかした自分を
抱きしめるように夜を越える

壊れたら買い直すように
メンタルだって大量消費時代
わかってる代わりがいることくらい
それでもありのままでいたい

自分に正直にいるのが難しい
そういう社会と知っていても
仕方ないことだと飲み込んで生きてる
飼い慣らされたペットみたいだ

居場所なんてものもなくて
仮住まいのままの気持ちで
ぼくに残るものはなんだろう

放った言葉すら錆びついていくのかな
手垢のついたフレーズを今日も口ずさむ

いつかの過ちを思い返しながら
今日も胸をかきむしる夜
毎日そうやってやらかした自分を
責め立てるような日々を過ごす

壊れたら取り替えるように
人間だって大量消費時代
でもきみの代わりがいることくらい
胸を張って否定したい

錆びた言葉でも輝かせるように
手垢のついたフレーズを今日も口ずさむ
手垢のついたフレーズだとしても今日も

(2024.2.11.6:31)