見出し画像

マイクロ法人はじめました

橘玲さんのことを知っているだろうか?「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計のすすめ」の著者である。この本ではマイクロ法人を活用したライフハック術が紹介されている私は独立にあたってこの本を「徹底的に真似る」ことにした。少しは参考になるかもしれないと思い、私の実体験を語っていこうと思う。


【自分ばなし1】
みなさんは人生を楽しみたいですか?
会社員人生を定年までやり遂げることは厳しい。まずモチベーションを維持できない。社内の出世争いだって熾烈だ。勝ち続けられると言い切れる人や心底会社員が合っている人はそのままでいい。そうでなければ、独立の準備を早くはじめた方がいい。それが人生を楽しむためのコツだ

【自分ばなし2】
橘玲さんのことは知っているだろうか?
「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計のすすめ」の著者である。心当たりがある人も多いのではないか?ただここで紹介されている手法を試してみた人は少ないのではないか?私の株式投資は、広瀬さんを「徹底的に真似る」ことで実を結んだ。独立にあたっては、この本を「徹底的に真似る」ことにした。しばらく綴っていきたいと思う。

【自分ばなし3】
「黄金の羽根の拾い方」は日本でライフハックするためのノウハウ本だ。独立して事業をバズらせることができるのであればそのノウハウは不要だ。でもバズらせることができる確率は高くなく、何より運が必要だ。個人が沈没しないためにはかしこく、たくましく生きていかなければならない。アラフィフの私にはこの「黄金の羽根の拾い方」があっているのではと感じた。きっかけはYouTuberのマナブさんの動画だった。

【自分ばなし4】
早速本を買ってきた。読んでみて、概念としては分かるが、ところどころ理解が追いつかない部分があり「簡単に真似できないのでは」と感じた。そのためしばらく忘れることになるのだが、今回も続きがあった。3ヶ月後にエッセンスを抽出した動画がYouTubeのアルゴリズムで自動的に現れたのだ。両学長である。この動画はまさにそのまま真似ができる構成になっており、その日に数回見返して「このやり方でいいじゃん」と自分に語りかけたことを今も覚えている。独立を検討している方は必見だ。

【自分ばなし5】
両学長の動画を観て「マイクロ法人」を作ることは決めた。もともとこんなスキームが成り立つなんて考えてもいなかったが、知ってしまった以上やらない理由はない。社会保険を最適化できること、経費を合理的な範囲で使えること、この2点だけでも試してみる価値があると思ったのだ。次に考えなければいけなかったのは「マイクロ法人」で行う事業を何にするかということだ。

【自分ばなし6】
話は逸れるようだが、家のそばに古い履き物屋さんがある。お客さんがいるところをほとんど見たことがない。営んでいるのは少し年配の女性だ。大きなアパートの大家さんでもある。店舗の裏手、鉄筋コンクリート造りの4階建て、20戸ぐらいあるのではないか。大家さんとして悠々自適に暮らせるレベルである。そんなことから履き物屋の商売は昔からやっていて道楽で続けているのかと以前は思っていた。だが「黄金の羽根の拾い方」を読むと違う見え方がしてくるのである

【自分ばなし7】
種明かしをすると、「マイクロ法人」で履き物屋をやり損益トントンもしくはマイナス、「個人事業」の不動産賃貸業で稼ぐ。社会保険料は最低レベルでコントロールされている。かなりのやり手だ。あくまでも私の想像ではあるが。私たち家族は「マイクロ法人」で何をやるか?いろいろ考えた。海外からの渡航客向けの旅行コーディネーター、SNSを活用した集客支援、システム開発の受託、英語学習塾など。どれもできないことはないと思った。ただ年をとってもやっていけるかは確信を持てなかった。このライフハックのスキームは、70歳でも80歳でも続けられるだけ続けた方がいいと思ったからだ。

【自分ばなし8】
しばらく時が経過したが、ある再会が事業を決めることになる。昔一緒に仕事をした会社の先輩がFIREすることになり、退職前に二人で食事に行くことになったのだ。私が米国株の話を切り出すと、先輩は不動産経営の話をしてくれた。多数の物件を保有し着実に収益をあげていた。ノウハウや人脈も築きあげていた。そしてその人脈から信頼できるパートナーを紹介いただくことになる。実は株式投資が軌道にのる前、不動産投資に希望があるのではと何冊か本を読んでいた。ただし物件と価格次第という印象があり、よほど信頼できるアドバイザーでもいない限り難しいと思っていたのだ。紹介いただいた後はとんとん拍子に話が進んでいく。

【自分ばなし9】
紹介されたパートナーに会うために不動産会社を訪問した。少し緊張した。相手はその会社の次長さんだった。事前に両学長の動画と本を数冊読み込んだ上で臨んだ。次長さんは私のニーズも組み入れながら丁寧に説明してくれた。休憩中に隣の部屋から商談の声が聞こえてきた。保有している賃貸物件の外壁の色をどうするかというような会話だった。サラリーマン一筋だった私は「少し大人の世界に来たのかな」と感じた。その日に大まかな要望をすり合わせた。先方の商圏である千葉・茨城エリアで良さそうな賃貸物件があれば連絡いただくことになった。その間にマイクロ法人の設立準備に取り掛かることにした。

【自分ばなし10】
マイクロ法人の設立準備に取り掛かる。時間がかかってもできるだけ出費を抑えたかった。やってみて思うことは「想像以上に簡単だ」ということ。今の世の中、優良な情報と便利なツールが溢れている。私はマネーフォーワードの「会社設立」というサービスを利用した。トータルコストは申請時に法務局に支払った6万円と楽天市場で購入した印鑑代3,500円ぐらいだ。「いい時代だ」と思うと同時に司法書士のみなさんの将来が心配になった。

【自分ばなし11】
約1週間後、再度法務局に行く。無事、法人設立が認可された。合同法人、事業目的は不動産に関する事業、資本金は300万円、そして会社の代表は家族になってもらった。会社の法人番号が書かれた証明書を見るのは感慨深かった。大袈裟だが小学生のときの「あゆみ」や高校の「卒業証書」をもらった時の気分を思い出した。「人は環境を変えることが大事なのかもな」と正直に思った。私たち家族の新たなあゆみが始まるのだ。次は銀行口座の開設だ。

【自分ばなし12】
法人としての銀行口座の開設に取りかかる。結果は3行から断られることに。メガバンクではない。地元の信用金庫、地方銀行、そして頼みの綱の楽天銀行だ。はじめの2行については、初回の決算が終わって事業実態が明らかに証明できるまでは難しいとの感触だった。納得感はない。なにしろ1年後なのだから。そこで楽天銀行に的を絞った。先方の求める書類をかき集めて申請したが、数日後不可の回答。海外で個人口座の開設に制約があることを経験してはいたが、「日本、お前もか」と突っ込みたくなった。その後、GMOあおぞらネット銀行で開設することになるのだが、不動産関連の契約完了後になる。締結済みの契約書コピーを同封することで何とか許してもらえたのだと思う。手間取ったが、今振り返ると振込手数料最安クラスのネット銀行で口座開設できたことは良かった。これから開設される方には住信SBIネット銀行かGMOあおぞらネット銀行をおすすめしたい。

【自分ばなし13】
パートナーの不動産会社からの連絡を待つ。1ヶ月ぐらい経過後、連絡があり再度オフィスを訪問。千葉の物件だった。写真を見せてもらったのだが、いいのかどうか判断がつかなかった。先輩からの紹介だったこともあり、自社管理物件で最近売りに出たものを優先して紹介してくれたようだ。木造2階建てアパート、3DK×3所帯、表面利回り10.47%。築年数だけひっかかったがメンテナンスはしっかりしてきたらしい。会長からもこの物件の新築時の経緯や周辺環境の話をしてもらった。さあどうする?私が見送れば、他のお客さんに紹介される物件なのである。

【自分ばなし14】
その場で購入意思があることを伝え、1週間以内に手付金を振り込むことになった。先輩への信頼があったからだ。すぐ家に戻り物件情報を先輩に連携しアドバイスをお願いする。2日後には家族と現地視察に向かう。立地は上々、売却にあたり屋根と壁も塗装してくれる。さらに6年以内であれば全額ではないものの8割程度の買い戻し特約をつけてくれた。もし失敗してもリスクは限定的だと思った。先輩からの連絡を待つ。

【自分ばなし15】
先輩から連絡を受け、千葉の物件を進めることを決める。物件自体は古いのだがメンテナンス状態・立地など含め投資対象になりうる。何よりその不動産会社への信頼だ。不動産会社は全国に山ほどある。評価はピンキリだ。むしろ不誠実だったり、ぼったくろうとする会社も少なくない。安い物件など基本的になく、投資に値する物件を適切な価格で販売する。そういうパートナーに出会うことが重要なのだ。覚悟を決めて、手付金の振込を完了させた。

【自分ばなし16】
次は借入だ。当初借入はしなくてもいいと思っていたが、不動産をやるならできるだけ多く借入しておいた方がいいというアドバイスをもらったため、政策金融公庫に出向いた。借入する行為も経験として楽しもうと思った。事業計画書を持参する。創業動機、経営者の経歴、取扱商品・サービス、事業計画、資金計画などを公庫担当者にプレゼンする。後日審査結果が届いた。全額ではないが、一部融資してくれることになった。創業支援の立て付けだ。借入完了後、不動産会社と売買契約締結。不動産賃貸業がはじまる。

【自分ばなし17】
それからあっという間に2年が経過した。物件には瑕疵もなく、概ね想定通りの運用が進んでいる。管理も同じ不動産会社にお願いした。定期的に物件を視察しに行っているがいたって順調。何かあった場合に備えて結んだ買い戻し特約ももはや不要だと思っている。マイクロ法人も2回目の決算を終えた。こちらも概ね想定通り。いたって順調だ。続けられるだけこのやり方を続けるのがいいと思っている。くどいようだが独立を考えている方にはおすすめである。

【自分ばなし18】
このはなしもクロージングである。株式投資が資産形成上最強だと思っている。そこにマイクロ法人を組み合わせると安定感が増す。合理的な範囲で経費が使えることと何より負担が増え続ける社会保険料を最適化しやすいからだ。マイクロ法人では不動産賃貸業を選択した。負荷が少なく長く続けられると考えたからだ。当初想定以上に順調だ。私は運が良かった。信頼できる不動産会社と巡り会えたからだ。きっかけをつくってくれた先輩には今も感謝している。

以上です。今回もお付き合いいただきありがとうございました!