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プレイボールはアメリカ留学から、ダクタイル鋳鉄管の営業担当が語るウォーターエイドの取り組み【Interview.01】

日本鋳鉄管で働く社員を紹介するインタビュー企画の第一弾。初回にご紹介するのは、ダクタイル鋳鉄管の営業部に所属しているNさんです。2020年11月に入社したNさんは現在、東京を中心に神奈川県、群馬県、栃木県の自治体と販売店への営業をしています。
 
そんなNさんがダクタイル鋳鉄管の仕事と並行し携わっているのが、水と衛生の課題に取り組む国際的なNGO、ウォーターエイドのパートナー事業です。日本鋳鉄管に入社しウォーターエイドを担当することになった背景には、父親の稼業とアメリカ留学の影響がありました。アフリカの水環境を解決するために日本の老舗水道管メーカーとして今、何ができるのか、お話を聞きました。


異業種への転職、入社して驚いたこと

– 日本鋳鉄管に入社した経緯を教えてください –

前職では有名なラグジュアリー・ブランドの店舗をコーディネートする仕事をしていましたので、転職は全く違う業界への挑戦でした。生活に欠かせないインフラ、とりわけ水道事業を選んだのは、私の父の影響です。父は鹿児島県で水道関係の会社を営んでおります。将来的に父の仕事の役に立つ知識を身につけたいと考えながら就職先を探していたところ、日本鋳鉄管とご縁があったという感じです。

 – 企業文化の違いは感じましたか –

以前の職場は最先端を求める攻めの社風だったので、堅実な社風があり守りの強さを感じる日本鋳鉄管の雰囲気とは差を感じています。安心して使える水を維持していくために堅実であることは大切ですが、変えるべきところは変えていかなければならないとも考えています。具体的な例として、FAXがあります。転職してびっくりしたのは、業界の慣習としていまでも頻繁にFAXで注文を受けていることです。取引先の要望があるため自社だけで変えるのは難しいですが、紙を消費し管理・保管の手間もあるFAXは、SDGsや業務効率化の観点からも少しずつ変えていきたいと思っています。
 
社員の人柄にもギャップを感じました。前職では周りが皆ギラギラしていて、仕事の成果と個々人の成長を貪欲に求めるところがありました。今の職場は和やかな雰囲気があるので安心して仕事に専念できます。しかしその反面、時間がゆっくり進んでいるような感覚があるので、内心「このままではまずいな」と思うこともあります。ここは自分が前職で培ったアグレッシブさをもっと出していきたいですね。

ウォーターエイドの活動をもっと多くの方に知ってもらいたい

– どうしてウォーターエイドの担当になったのでしょうか –
 
大学生の時、留学先のアメリカでウォーターエイドの活動を知ったことがきっかけです。私は幼い頃から野球をやっていて、19歳のときにアメリカでメジャーリーグの下部組織であるルーキーリーグのキャンプテストを受けました。
 
日本では高校生の頃からイップスという運動障害に悩まされていたのですが、アメリカに行ったら不思議と治ったんですよ。イップスを克服できたこと、そして世界の最高峰であるアメリカで野球に挑戦できたことは私の人生の転機です。アメリカ留学で得たものは本当に沢山ありますね。今取り組んでいるウォーターエイドの活動も、アメリカ時代に存在を知りました。

ウォーターエイドは日本ではあまり知られていませんが、アメリカでは広く認知されています。アメリカはボランティアが盛んだからでしょう。留学を終えた足で一年ほど掛けて世界を回ったのですが、旅を通して途上国の水環境の深刻さを実感することになりました。アフリカには、水汲みに多くの時間を費やさなければならず、学校にも通えない子どもが大勢いることを知りました。
 
アフリカの途上国の子ども達が水汲みから解放されて学校に通えるようになれば、世界が今よりも良い方向に進むのではないか。そんな思いがあったので、弊社がウォーターエイドの日本法人とパートナーシップを組むことになったときに真っ先に手を挙げたのです。
 
– パートナーとして、どのような取り組みをされていますか –

 主に二つの取り組みを行っています。一つはウォーターエイドへの寄付です。ダクタイル鋳鉄管の売上の一部を寄付しており、自治体や販売店にも、当社の鉄管を購入することが寄付に関与して下さっているということをご理解いただく必要があります。より多くの方にウォーターエイドの活動を知っていただくことが、水の課題の早期解決に繋がるからです。しかし、ウォーターエイドについて説明しても、ピンとこない方が多い。日本にいると当たり前のように水が使えるため、使えない国の問題を理解するのは難しいのでしょう。
 
もう一つは授業の実施です。ウォーターエイドは、中学生や高校生に、水の問題の理解を深める授業を実施しています。パートナー企業も、認定を受ければ中学校や高校で授業を実施することができるようになるので、講習会を受講し認定を受けました。授業はボランティアで行うことになるのですが、授業をより良いものにするためには聞き手に考えさせることも大切です。回を重ねて授業の質が上がってくれば、逆に仕事のプレゼン能力も向上すると確信しています。
 
今後は、授業で扱う教材を活用した取引先向けの説明会も計画しています。自治体と販売店の新人担当者に対し、弊社のダクタイル鋳鉄管を説明する機会を設けていますので、ウォーターエイドの説明も合わせて実施できたらよいのでは、と考えています。弊社オリジナルの写真パネルや横断幕を作成しながら、準備を進めているところです。

 目標は高く!世界への眼差しと二つの野望

– 今後の目標を教えてください –
 
弊社は現在、業界三位の水道管事業カンパニーですが、順位をひっくり返したいです。この会社で働いている以上、三位に甘んじているのは気持ち悪い。少しでも順位を上げていきたいですね。目指さないことには実現しませんから。
 
我々の業界で、ウォーターエイドとパートナーシップがあるのは、日本鋳鉄管だけです。しかし、水環境の改善に向けた取り組みを加速させるために、競合他社も参画してくれることを願っています。より多くの企業がパートナーに加わることで、早くアフリカの子供たちが学校に通えるようになればいいと考えています。業界順位を上げることができれば、より影響力が強くなりますので、他の会社も追随してくることも考えられます。SDGsも会社にとって大事な施策ですから。
 
目標の実現のためには、私自身もっと成長しなければなりません。尚かつ、社員一人ひとりがチャレンジ精神を持って仕事に臨むことが重要ではないでしょうか。
 
先輩方と比べると、「まだまだだな。さらに知識を付けなければ。」と思うことも多々ありますが、誠実さだけは忘れずに、お客様との信頼関係を築いていきたいと思います。
 
今後は、ダクタイル鋳鉄管だけでなく、別の分野でも強みとなる事業を創っていく必要があります。新規事業を創出することで会社の規模を大きくできるよう、皆でアイデアを出しながら変化を楽しみたいですね。
 
もう一つの目標は提携先との関係強化です。フラクタ社との提携によって実現した「マンホール聖戦」は、様々なメディアで取り上げていただきました。ゲームを通して一般の方も社会インフラ事業に貢献できる回路を開いたことは、素晴らしい成果です。フラクタ社との関係を強化することで「マンホール聖戦」をもっと広域でできれば、面白いだろうなと想像します。「ポケモンGo」のようになったら夢がありますよね。「マンホール聖戦 in The World」といった感じで展開できたら、面白いと思いませんか?

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