あめんぼ/ameusa

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UT 理学生物科学/システム生物学,数理生物学/ 日記や小説、音楽。時々専門の話。ゆっくり、もちもち書いてます。KU sound cloud: https://soundcloud.com/ameusa0897

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【音楽付き小説】 『夏の夜の夢』

以下の文章は、私の目という特殊なフィルターを通して出てきた言葉である。あしからず。 少し歩いているだけで汗ばんでくるほどの夏の最中.導かれるように近所の神社に歩を進めた.カラスが2羽鳴きながら帰ってくるのが聞こえていた. 鳥居をくぐり,脇の方を抜けて,奥の森の方へ抜ける.雨の匂いがする.本降りになるかもしれない.その間も僕は歩みを止めなかった. すると,突然視界が開ける場所に来た.すでに雨は止んでいるようだった. まだ,ぬかるんでいる足元には小さな川が流れていた.向こう

    • 再生

      宇宙の季節 歌ってみた Lanndo feat. Eve suis ヨルシカ

      ぬゆりさんが作られた曲をEveさんとsuisさんが歌ってらっしゃるものです.カバーさせていただきました.ひっそりと.

      • 『うるうの朝顔』

        以下の文章は、私の目という特殊なフィルターを通して出てきた言葉である。あしからず。 久しぶりの読書感想文 水庭 れん 著 出版社 講談社 introduction 装丁が美しくて好きだったのでジャケ買い. 読んでみると,中身も好みすぎたので,久しぶりに読書感想文を書くに至った. about カフェのような様相の霊園管理事務所に勤めている日置凪という青年と,そこにやってくる4人の人々の物語. 4人の人物はそれぞれ,現実で停滞感を抱きながら生活している.それは,まるで何か

        • A planetary-scale understanding of the ocean ecosystem, particularly in light of climate change, is crucial.

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        【音楽付き小説】 『夏の夜の夢』

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        • 空想
          20本
        • 読書感想文
          8本

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          毎日飲むという薬は飲むのを忘れる。そして怒られる。

          毎日飲むという薬は飲むのを忘れる。そして怒られる。

          『どこにでもある鍵屋...UNLOCK』 .03.1

          開かなくなったもの、なんでも開けます。 by 鍵屋 一番初めはこちらから。 このお話は、こちらの続きです。 第三話『ドラマツルギーの表舞台』 店先の石畳の上で、確かに狭くなっていく空を晏理は見つめていた。不気味に笑う雲が、二羽のカラスを吸い込んでいくところが目に映った。 (晴れるといいけどな......。) openの看板をかけ、店の扉を開けて中に入ると、入れ替わるようにサキが中から出てくるところだった。 「いらっしゃいませ。鍵屋です。こちらへどうぞ。」 晏理はいつ

          『どこにでもある鍵屋...UNLOCK』 .03.1

          好奇心を追いかけていいのは、人を傷つけないと確信できるときだけだ。エネルギーの大きいものには用心しなければならない。

          好奇心を追いかけていいのは、人を傷つけないと確信できるときだけだ。エネルギーの大きいものには用心しなければならない。

          【one sentence】 Phytochrome is a red/far-red light sensing photoreceptor that regulates various aspects of plant development.

          【one sentence】 Phytochrome is a red/far-red light sensing photoreceptor that regulates various aspects of plant development.

          【one sentence】 Phytochrome is one of the most famous photoreceptors in Arabidopsis thaliana.フィトクロムは、シロイヌナズナにおいて最も有名な光受容体の一つである。

          【one sentence】 Phytochrome is one of the most famous photoreceptors in Arabidopsis thaliana.フィトクロムは、シロイヌナズナにおいて最も有名な光受容体の一つである。

          『どこにでもある鍵屋...UNLOCK』 02'

          開かなくなったもの、なんでも開けます。 by 鍵屋 一番初めはこちらから。 このお話は、こちらの続きです。 第二話『白雪姫の遺言』After Story 老紳士は家路に着いた。 「おかえり父さん。箱は開いた?」 老紳士は、帽子を取り、ジャケットをハンガーにかけ、椅子に座った。 「開いたよ。有能な鍵屋さんでねえ。なんでも、中身は有名な学者の論文の下書きらしい。アラン・チューリングって知ってるか?」 息子は、キッチンにたったまま返事をした。右手には、小さな小瓶を隠し持って

          『どこにでもある鍵屋...UNLOCK』 02'

          『どこにでもある鍵屋...UNLOCK』 02.3

          開かなくなったもの、なんでも開けます。 by 鍵屋 一番初めはこちらから。 このお話はこちらの続きです。 第二話『白雪姫の遺言』 「え...。本当に?......見せて。」 いつの間にかベッドの上でサキと遊んでいた虎史がその言葉を聞いて、驚いたように飛び起きて、その書物を見にきた。 「何か知ってるの?」 「fish...zebra...すごい。こんなことがこの時代に?」 「これはすごいものなの?」 「うん!」 目を輝かせながら虎史は嬉々として語り始めた。 「まず、多

          『どこにでもある鍵屋...UNLOCK』 02.3

          『どこにでもある鍵屋...UNLOCK』 02.2

          開かなくなったもの、なんでも開けます。 by 鍵屋 一番初めはこちらから。 このお話は、こちらの続きです。 第二話『白雪姫の遺言』 奥で作業していた虎史が、ノートパソコンと紙とペンを持って表れた。 「晏理、大丈夫?開きそう?......あ。こんにちは。虎史と申します。」 老紳士に向き直った虎史は丁寧に挨拶した後、木箱の鍵の方を向いた。 「虎史、ありがとう。とりあえず、今この文字列を平文に直そうと思ってたんだけど...。シーザー暗号がダメで、アナグラムを疑ってたとこだ

          『どこにでもある鍵屋...UNLOCK』 02.2

          『どこにでもある鍵屋...UNLOCK』 .02.1

          開かなくなったもの、なんでも開けます。 by 鍵屋 最初はこちらから 第二話『白雪姫の遺言』 朝に、窓に付いていた露はもうほとんどが消えて無くなっていた。 窓枠についた最後の一雫の露が外の世界を映していた。その露が映し出す世界はある場所ばかりが大きく強調されて見えて、窓から見えるそれとは性質を異にしているように思われた。 「僕らが見ている世界も、きっとこんな風に変な部分が強調された世界なんだろうな...。」 露の映し出す世界には、変な魅力があった。その世界に吸い込まれ

          『どこにでもある鍵屋...UNLOCK』 .02.1

          『どこにでもある鍵屋...UNLOCK』 .01'

          開かなくなったもの、なんでも開けます。 by 鍵屋 ***第一話の続きです*** 初めはこちら 第一話『オセロの行末』~After Story~ 〜花言葉:移り気〜 清楚な女性は、店の外に出た。 「よかった。彼は、浮気なんてしてなかった。あの女に微笑みかけているように見えても、私だけを好いてくれるんだわ。 早く帰って、彼の部屋にスマホを戻さないと。」 ヴヴヴ...ヴヴヴ... 「彼のスマホに、私の番号から電話? もしかして、彼が帰ってきて私の携帯から電話を?

          『どこにでもある鍵屋...UNLOCK』 .01'

          『どこにでもある鍵屋...UNLOCK』 .01

          開かなくなったもの、なんでも開けます。 by 鍵屋 ***prologueの続きです*** 第一話『浮気オセロの行末』 あれだけ降っていた雨は止み、ひばりが鳴くような穏やかな朝だった。 一通りの支度を終えた晏理は店の看板をclosedからopenに変えるため、外に出た。昨晩の雨で濡れた石畳風の道と重い空気、匂い。それに不釣り合いな透明感のある空の青さに気持ちが不安定になる。(きっとこの空に手が届くことはない...)伸ばした手は空を切り、やがて自分の元に戻ってきた。その

          『どこにでもある鍵屋...UNLOCK』 .01

          『どこにでもある鍵屋...UNLOCK』 .00

          開かなくなったもの、なんでも開けます。 by 鍵屋 〜prologue〜 稲光が聞こえる。その大きな音によって静寂が強調されるような真夜中のことだった。 決して明るくはない暖かい色の電気の下で、木材の香りが高い湿度によって鼻に運ばれてくる。 雷の音に反応し、一人の男が突っ伏していた机から徐に頭をもたげた。数回まばたきをした後、朧げな灯の中で、ベッドに眠るもう一人の男とその隣で丸まっている三毛猫をその男の目は捉えた。 また、稲光が瞬く。 今度は、その音に驚いたのであろう

          『どこにでもある鍵屋...UNLOCK』 .00