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自分の”運”を次の世代に残す

月額500円、または年間4,900円のAmazonプライムに登録していると、対象のkindle本が無料で読める。

こんなサービスがあるもんで、せっかくお金を払っているなら使わにゃ損とどんな本があるかな~と、よくカタログを見るけれど、実際にちゃんと読み切った本は指折り程度。
タイトルに興味を持ってさらっと読んでみるも、そのまま読み進めることはない本が結構多い。
本を読みたいという気持ちがあっても、実際に読み進められるかといったらこれはまた別の話で。

そんな中、ふと「この本が良かった!人生観変わった。」的なツイートが目に留まる。なんか見かけたことある表紙だな・・・と思ったら、まさにAmazonプライムに加入していると無料で読める本だった。

そうそう、目的もない本探しをして、カタログでよく見かけていたけど、タイトルだけ見ても、全く興味をそそられないもの。
だって、タイトル『運転者』って・・・ねえ。

帯にある

「報われない努力はない!」

なんてこれ・・・。AKBのアレですか?ってくらい、綺麗な言葉で正直あまり好きではない。

でも、良かった。とても良かった。スーッと読み切った。
だからこうして文章に残しているのだ。

本のあらすじは、書いている人がたくさんいますし、調べれば分かることなのでここでは割愛するけれど。

本の中で、本文と重複して強調するように置かれているセリフたち。

運は<良い>か<悪い>で表現するものじゃないんですよ。
<使う><貯める>で表現するものなんです。
先に<貯める>があって、ある程度貯まったら<使う>ができる。
運は後払いです。何もしてないのにいいことが起こったりしないんです。
周囲から<運がいい>と思われている人は、貯まったから使っただけです。
『運転者』より
自分の人生にとって何がプラスで何がマイナスかなんて、それが起こっているときには誰もわかりませんよ。
どんなことが起こっても、起こったことを、自分の人生において必要だった大切な経験にしていくこと、それが<生きる>ってことです。
長い目で見たら、報われない努力なんてありません。
あまりにも短い期間の努力で結果が出ることを期待し過ぎているだけです。
『運転者』より
そこにあなたが生まれ、ほんの百年ばかり生きて死んでいく、そのときです。
あなたがその物語に登場したときよりも、少しでも多くの恩恵を残してこの物語を去る。
つまり、あなたが生きたことで、少しプラスになる。
それこそが真のプラス思考じゃないかと思うんです。
『運転者』より

この引用した3か所が、あえてピックアップされていた箇所だった。
つまり、ここが著者の伝えたいところなのだろう。
著者の思惑通り(?)、いくつか感想文を見ても、ここらに感銘を受けている人が多いように思った。

著者の伝えたいところ、ちゃんと皆様に伝わってますよ。
私も例に漏れず「なるほどなあ」と思いました。

あと感想の中では "上機嫌"というキーワードがやはり多かったかな。

でも、私が本の中で一番感銘を受けた箇所、そしてこう生きていけばいいんだよな、こう生きるか。と思えた箇所はこの部分。少し長いけれど。

誰かのために命を使う生き方を懸命にして、上機嫌に生きてきたけれども、自らの運を良くするような転機が訪れないままその命を終えた人はいます。
『運転者』より
いい時代に生まれたなぁ、と思えるとしたら、それはそういう時代に生まれて運が良かったと思うかもしれませんが、どっかからふっと湧いて出た、ラッキーで平和で裕福な時代に生まれ育ったわけではありませんよ。
たくさんの血と汗と涙、そして努力、極論、命が費やされて作られてきたものです。
<あった>ものではなく、命と引き換えに<作られた>ものなのです。
それぞれの時代に生きた人が、永遠と続く命の物語の一部を精一杯、自分の役割を果たすように生きてくれたから、次の世代は、前の世代よりも<いい時代>に生まれ育つことができるようになる。
そして今のあなたが、その命の物語というバトンを受け取って生きているんですよ
『運転者』より

もう、これに尽きるな、と。
自分の人生の中で、運を良くする転機が訪れるか分からないけど。
自分の命を使って次の世代に、何か目に見えるような立派な成果を残せるかは分からないけど。

だけど、次の世代のために自分の運を<貯める>ことができるのなら。
次の世代が<いい時代>に生まれ育つことができるのなら。

人から褒め称えられるような華やかな人生ではないけれど、世間に名を知られるような大きな存在ではないけれど、今の自分でも良いのかな、と。

自分に返ってくることはないかもしれないけど、誰かのために、人のために役に立てたらもうそれでいいかな、と。

自分の利益ばかり考えるから、動けないんだよ、てめえは。
自分のなけなしの金を使ってでも、人のために生きてみろ。
・・・と今の自分にもう一人の自分が喝を入れる。


貴重な考え方に縁することができました。
とても価値のある素敵な本に出会わせてくださり、本当にありがとうございました。

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