たまにはnoteっぽい事も投稿しようの回

先日、初めて相席居酒屋へ行ってきた。あまり乗り気ではなかった。諸々の事情で頻繁には会えず、2人で遊ぶと言われたら少し躊躇う程度の関係の友人に誘われてしまい、「だるいから遠慮しとくわ〜」と気軽に言える相手ではなかったため、渋々ついていった。

私は人見知りである。特に初対面相手には露骨に症状が出る。『今話しかけたら迷惑かも』『いきなり話しかけられたら驚いてしまうかも』と相手を気遣いすぎて、会話をしようにもできない。さらにすこぶる自己肯定感が低いため『私なんかに話しかけられてもなぁ』『インキャが頑張ってるわって思われるだけだよな』と人見知りに拍車がかかる。

高校時代は、入学後1ヶ月は1人でお昼を食べていたし、オリエンテーションという名目で行われた遠足では、グループ作りの際余り物扱いを受けた。とはいえ、人見知りなだけでコミュ障では無かったため、慣れるとそれなりに友人が出来た。3年の頃には体育祭の応援団長を任されたほどであるし、文化祭では人前に立ち、便意を我慢している福山雅治さんのモノマネを披露して大スベリした。

大学でも人見知りは健在で、大学生活を楽しいと思えるようになったのは仲良しグループが出来た3回生以降だ。そんな私が初対面の女性と話す場である相席居酒屋で輝ける気がしなかった。

だが。終わってみれば中々に楽しい場だったという感想が1番に出てきた。特段会話が途切れることもなかったし、教育大学に通い中学数学教諭を目指しているという女性に「中学数学ってあれですよね、フレミングの左手の法則とか」と言い放ち、それは理科だよツッコミをもらい爆笑を掻っ攫った。決して文系すぎるあまり本気で間違えたわけではないが。いや本当に。いやマジで。

相席居酒屋は楽しくお話をする場、としか思っていなかったが、出会いの場でもあったらしく、それなりに女性の連絡先も確保した。なんだ、知らんうちに人見知り克服してたんやとウキウキしつつ、『今日はありがとう』的なメッセージを送ろうとしたところで、私の手が止まった。先ほどまであれだけ楽しく話せていたというのに、『こんなすぐメッセを飛ばしたら狙ってると思われてしまうかもしれない』『ありがとうって言ったところで、その次の話題に持っていける気がしない』と、人見知り特有の思考回路に陥ってしまったのである。その日のうちに、交換した連絡先を全て削除した。

振り返ってみれば、私は似たような経験を何度もしていた。ここでいう似たような経験とは、『人見知りの私が初対面相手にグイグイ行けたケース』をさす。

例えば、友達と友達の友達の3人でライブに行った際。友達の友達とは初対面であったが、友達相手にするノリと同じような調子で接することができた。友達が離れ、友達の友達と2人きりになった時も、特に気まずさはなかった。

apexをしていた際、野良がボイスチャットを入れてきたので同じようにボイチャを入れた。それなりに気があったのか、ゲラゲラ笑いながら4戦くらい回した。

喫煙所で遭遇したオジサンと仲良くなった。お互いバチ酔いしてたのもあるが、何でか知らんがツーショットで写真を撮った。あと何でか知らんが1000円もらった。

しかしながら、前述したように私は人見知りである。高校、大学、サークル、バイト先全てにおいてスタートダッシュに苦労した。特にバイトでは、人見知りすぎるあまり先輩バイトと意思疎通が取れず誤解を招き、イジメに近い対応をされ数ヶ月で辞めた。

こうした矛盾がなぜ生まれたのか。結論から言うと、私は人見知りであり人見知りでないのだ。正確に言えば、人見知りを発揮するケースとしないケースに明確な相違点が、ケース内に明らかな共通点があるのだ。

まず、人見知りを発揮するケース。これは、『これから周りと関係を深めていかなければならない』場合に起こる。他人から友人にステップアップするぞ!と意気込めば意気込むほど、『素の自分を出すと引かれるのではないか』『あまり踏み込みすぎると嫌われそうだ』『私でも私みたいな人間と仲良くなりたくないしな』といった思考回路に陥り、話せなくなってしまう。

高校入学時、大学入学時、バイトを始めた時、私は人見知りを発揮した。『この先数年間は仲良くしていく可能性がある相手』に対して、である。

逆に、人見知りを発揮しなかったケース。お察しの方もいるだろうが、『その日限りの関係である』場合に起こる。仲良くなる必要がないから気をつかう必要はない、最悪嫌われてももう会うことはないし、と吹っ切れた結果、『その場限りの相手』に対して、ぺらぺらと舌が回るのだ(何度も言うがコミュ症ではないため、ただ話すだけなら人並みに出来る)。

友達の友達とは初対面であるが、偶然ライブに行くという共通点があっただけ。まさか2人でどこかに行くとかはない。だから話せる。

apexで遭遇した野良も、apexだけの関係だ。ネット上でたまたま知り合っただけ。だから話せる。

喫煙所で遭遇したオジサンも、めちゃくちゃおもろかったけどあくまで他人だ。他人の域を出ない。だから話せる。

この仮説を用いれば、相席居酒屋の矛盾も簡単に説明が出来る。『楽しくお話をする場』と思っていた相席居酒屋では、相席をする女性もその場限りの関係だ。だから話せたし、嫌われてもいいやと踏み込んだ会話もした。

だが、連絡先を貰ってしまった。『これからも仲良くしましょう』の証だ。ここで連絡先を交換した女性が『その場限りの相手』から『この先数年間は仲良くしていく可能性のある相手』へとスイッチする。だから人見知りを発揮し、メッセージを送れず、逃げるように連絡先を削除した。

おそらくではあるが、それなりに共感する方もいるのではないだろうか。どこまで行っても他人である相手に対しては話せるが、他人から友人にステップアップする可能性を秘めた相手には躊躇ってしまう。共感していただけたら、こっそりと私に教えてあげてほしい。仲間を見つけたいので。私はあなたにとって、どこまで行っても他人の存在なので気兼ねなく。

これを踏まえると、相席居酒屋へと誘ってきた友人は、定義した2つのケースのどっちともいえない存在といえる。間違いなく『友人』ではあるものの、会う頻度は極端に少なく、他人…とは流石に言えないが、知人程度、と言っても過言ではない。そのため、LINEや電話なんかでは気兼ねなく話せるが、直接会う、それも丸一日一緒に行動するとなるとそれなりに億劫に感じる。誰も悪いわけではないのだが。









……まぁ、この理論を元にすると、私はよっぽど複数回会うことはない風俗嬢相手にもグイグイいけるタイプのはずなのだが、いざプレイが始まると「胸を触ってもいいですか?」しかお願いできなかったのは不思議な話である。


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