スマートファルコンはにぶウマ娘なのか

スマートファルコン。ウマ娘として登場する彼女は自称ウマドルを名乗っており、ウイニングライブでキラキラとアイドルをする自分を夢見て日々努力している。

育成ストーリーについては実際にお迎えして是非ともファル子の沼に落ちていただきたいところだが(ダートでナンバーワンのウマドルになるくだりや、ウマドルとしてセンターに固執してしまうくだり等)そんなストーリーに少し気になる描写があった。

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福引イベントにて、温泉旅行券を引き当てたその帰り道。温泉旅行に対して他人事のトレーナーに

「トレーナーさんも一緒に行くんだよ?」

「ファル子のご褒美ならトレーナーさんも貰わなくちゃ!」

という発言の後、画像のようなやりとりが行われた。

にぶトレーナー。この発言を我々がどう解釈するかによってファル子の心境が大きく変わってきそうだ。額面通り、同じ夢を見る仲間として共に温泉旅行に行きたいのか。それともトレーナーに何か特別な感情を抱いているのか。普段からトレーナーとウマ娘のSSを書いている私にとって、どうしても後者であって欲しいと思ってしまう。というか、アニメ版ウマ娘は熱血スポ根という印象が強いが、アプリのウマ娘はトレーナーとの距離が異様に近い子が多いので、そう考えてしまうのも無理はないと自分に言い聞かせている。

では、スマートファルコンがトレーナーに恋愛感情を抱いていた場合、その恋は成就するだろうか?せっかくなので読者の皆様にも考えてもらおう。











答えは否である。少なくとも、スマートファルコンがウマドルである限り。

我々の世界でもアイドルは恋愛禁止、というのはもはや暗黙の了解となっている。声優でさえ、そうしたリークが出てしまうと炎上してしまうため、ウマドルにもそうした制限があってもおかしくない(スマートファルコンから『ウマドルは恋愛禁止☆』と明言されているわけでは無かったと思う。されていたら勉強不足でした)

つまるところ、スマートファルコンは恋愛をしてはならない。異性を好きになってしまっても、それを公言するわけにはならない。ウマドルのファンを裏切る形になってしまうから、胸の奥にしまっておくしかない。片想いで終わらせるしかない。ややもすると、この感情はきっと勘違い、何かの間違いだと、自身に言い聞かせているのかもしれない。あくまでもファル子は逃げて、トレーナーをはじめとするファンが追うしかない。

それが『ウマドル』である自分が選んだ道なのだから。他のウマ娘にも明らかにトレーナーに、トレーナーとしての感情以上のモノを抱いているように見える子も多数いるが、恥じらいからかその気持ちをおもむろに口に出すことはしない。しかしスマートファルコンはそうではない。彼女自身に課した誓約から、好意を口にするわけにはならないのだ。おバカキャラなスマートファルコンだが、ウマドルとしてどうあるべきかに関しては誰よりも理解しており、禁忌も分かっている。そういう意味では彼女は賢いウマ娘だ。

あぁ、無論恋愛をしてはならないのはウマドルに限らないが。トレセン学園のウマ娘はレースを走るアスリートである。学園側から恋愛禁止だと言われてるわけではないだろうが(ないですよね?)レースへの影響等を考えるとあまり望まれてはいないはずだ。スマートファルコンはそれに加えてウマドルという、言い方はアレだが見方によっては足枷のようなものがついてくる。男性関係は他のウマ娘よりも気をつけなければならない。ウマスタグラムでのツーショット投稿などをはじめとする匂わせやただ好きと言うことさえ許されないということだ。

とはいえ、ファル子ファンクラブ会員番号1番さんはなんだかんだ最後までスマートファルコンの世話をしそうだが。スマートファルコンがウマドルとして、彼女が満足できるくらい輝いて。ウマドルとしての自分を終わらせる日が来た時。ドバイへと旅立ったその先の展開はにちゃにちゃと気持ちの悪い妄想をするとしよう。

さて、この先書いていくことは真の意味で私の妄想であり、スマートファルコンというキャラクターをある種否定してしまうことになるので、何言ってんだこいつと流してもらって構わない。

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上画像はスマートファルコンとの温泉旅行イベントである。

「トレーナーさんはファル子と一緒で楽しかった?」

「苦労と楽しいの、どっちが大きいかな〜って」

トレーナーがもちろん楽しいが大きいよと答えたその先の会話である。

ようするに、自身の担当トレーナーを降り、新たなウマ娘のトレーナーになってもいいんだよ、と提案している、という内容なのだが。

もちろん、我々の知るトレーナーが担当を降りるはずがない。それはスマートファルコンも心の中では分かっているはずで、この発言はとりあえず言質を取っておきたいという考えの元だったのかもしれない。

だが。スマートファルコンが、トレーナーが担当を降りることを心のどこかで望んでいるという可能性はないだろうか。いやないんだろうけど。

時系列的に、この温泉旅行の後にグッドエンディングであるドバイへの遠征へと繋がる。この時のスマートファルコンはドバイの話など頭にあるはずもない。レースを走って3年。サイレンススズカのイベントにて、ウマ娘は全盛期を過ぎると能力は衰退していくことが分かっている。ダートでのG1全制覇は偉業であり、自身の夢も叶った。切りのいいところで引き際を考えてる可能性も少なからずある。

もしかすると、この発言って引退を示唆してるんじゃないかなぁとか思ったりするわけである。私が都合よくそう思ってる可能性がかなり高いが。

ファンクラブ会員からトレーナーが脱退する。トレーナーのいなくなったスマートファルコンもレースを引退する。レースを引退することはそのままウマドルの引退だ。

ウマドルでなくなったスマートファルコンに恋愛の縛りは無い。引退をしたウマドルと元ファンの元担当トレーナーの間に障害は無い。ただの男女である。

もし、このタイミングでスマートファルコンがトレーナー同意の元引退を決意したとするならば。彼女はなんと言葉を続けていたのだろう。

ようやく思いの丈を打ち明けることがーーー

なんて、流石に考えすぎだろうか。

トレーナーはスマートファルコンがまだ輝きたがってるからとその申し出を拒否する。もっと輝きを見せてくれとスマートファルコンに申し込むトレーナーに、感極まったように頷き、「私も。ずっとずっとあなたにーー」と意味深な呟きを残すことになる。

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「ずっとずっとあなたに、輝きを見せ続けたい」

と言いたかったのかな。ウマドルとファンとしてずっとずっと一緒にいたいという意図があるのかもしれない。だとするならば、スマートファルコンはウマドルに囚われたままだ。この2人の関係が変わることはない。その関係をスマートファルコンは望んでいるのだろうかーー?

まぁ、これだけ長々と語ってきたわけだが、結局本心はスマートファルコンにしか分からない。予防線の意味でのセリフかもしれないし、トレーナーとさらにその先の関係に発展したいがゆえのセリフかもしれない。

だが、どういった意図があったとしても、トレーナーは気づくはずもない。なぜならスマートファルコンのトレーナーはにぶトレーナーなのだから。


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