谷じゃこさんの「ヒット・エンド・パレード」を読んだよ

好きだった歌を数首引きます。

習っててよかったねみんな幸せな時はちゃんと幸せと書ける

じゃこさんが作る前向きでハッピーな短歌にほんと弱い。ハードロックバンドが歌うバラードみたいな狡さ。ハーゲンダッツの歌も良いけど、こっちも良い。

気持ちだけいただこうかと思ったら気持ちの方が空っぽやんか

この気付き、この気付きができるのがじゃこさん。「空っぽやんか」の120点な関西弁の結句に、いつも嫉妬する。

一人旅。という葉書を送るためやってきましたえげつない寺

「えげつない寺」の面白さに目が行きがちだけど、この、葉書のためだけにえげつない寺にやってきた「めためたにかわいい女の子」に注目すべき。こんな女の子はかわいいに決まってる。じゃこさんが思う「かわいい」は、女の子が好きな「かわいい」で、その「かわいい」女の子が大好き。

重力に逆らってゆくものはみなロケットである。ロケット妹。

これは身長なのかな。じゃこさんも違う意味で重力に逆らってそうだけど。鯖も野球も、いろいろ重力に逆らっていて、重力に逆らうことは面白いんだな。

黄昏ていたらスケッチおじさんにスケッチされて動けなくなる

スケッチおじさんって、街の変な有名おじさん的な人だとしたらほんと可哀想。動いたらめっちゃ怒られそうだし。

おっちゃんが差し伸べた手は大丈夫ちゃんと小指があるから掴む

笑った。これ大阪に本当にある標語なんですよね?

断面のかっこいいのを見せるには痛い思いをするしかないか

コンプレックスの塊の自分にとって、すごく勇気づけられた一首。この先何度も思い出すことになると思う。

オレは生粋のじゃこファンなので、じゃこさんのヒット・エンド・パレードを仏壇に供えました。そのとき供えられてた、ラフランスと、ヒット・エンド・パレードと、メンズポッキーの配色は、この世の奇跡かと思うほどキッチュで、POPでした。文フリでサインもらお。
あと、今更気付いたけど、谷じゃこの「谷」の意味が分かって、ニヤニヤしてしまった。