社会人なりたての私が、初めての証券営業でなんとか第一号のお客様に新規のお取引を頂いた先に起こったこと

私の証券営業の第一号のお客様は、喫茶店を共同経営される女性お二人
からの株式買付のご注文で、ご注文の約定の後は証券の保護預かり料の掛からない証券出券の内容でした。
副支店長からも新人指導員からも否定され軽蔑される様な、大手証券会社としては相手にしないレベルの小さな取引内容だった様です。
そのお二人のお客様は一度きりのお取引のみでした。
社会人になって初めての証券営業で成果を挙げられたことは、未だ何者でもない私が仕事に取り組む日々の心情に思う以上に好影響を与えてくれた様です。
証券営業を経験してから初めてのお取引の実現まで1〜2ヶ月間程度も掛かってしまったのではなかったかと記憶していますが、少し前には学生だった自分でも、自分の親の様なご年齢の方に命の次に大切なお金を預けて頂けたことは想像以上に感動でした。
毎日通う喫茶店で無為に雑誌や漫画と過ごして嘘の営業日報を書き続ける同期に新規開拓の先を越され、毎朝ルーティーンの宇宙人の様な難解な言動の後に支店長室に閉じ籠る支店長、褒める認めることが出来ず怒鳴るばかりの副支店長、課のノルマの未達を叱責される殆どの営業課長は言い易い部下を叱責するという日々繰り広げられる地獄絵図。
営業職は自分の毎月毎週毎日のノルマをやっつけることに専念することに追われるスパイラル。
でもね、その尊敬出来ない上司も同様の環境で育ったのでしょうね。
そして、その上司を1ミリも尊敬してないでしょう。
不思議とほとんどの人は同じ道を辿る様です。
簡単な様で難しいですが、何か一つを前向きに変えましょう。
昨日出来て今日出来ず。
今日出来ず明日出来る。
斯様な環境下で、日々、この支店で最も前向きな仕事をしている、未知の新規見込みのお客様と最も多くお会いしているのは自分、と確信する様になっていったのです。
ほとんどの人はネガティブにやっつけ仕事に終始する中、この前向きな思考や姿勢が持てたことは両親に感謝しかありません。
そして、そのお蔭で、それまで自分にはこの仕事で生きていくことは難しいかもと感じ始めていた私の新規開拓活動はいろいろな成果に繋げられる様になっていったのです。
営業は、成果に繋げられなければ自分以外の誰からも認められない、孤独な仕事ですし、それがなくてはならないものではない株屋の仕事なら孤独感は尚更のことなのです。


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