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精油ものがたり~ ローレル(月桂樹)~

月桂樹(ローレル)は古代ギリシャとローマの人々にとって勝利と平和の象徴でした。ラテン語でローレルの学名laurusは「賞賛」を、そしてnobilisは「名高い」「有名な」を意味します。
古代の将軍らは戦闘での勝利をアピールするために、その葉の冠をかぶって凱旋し、また古代ギリシャのオリンピックでは勝利者の栄光を称えるためにローレルの冠が贈られたという歴史があります。

ギリシャ神話によるとローレルはローズマリーと同様に、ギリシャの神アポロンに献上された植物だそうです。
アポロンの神託を受けるデルフォイの地では、巫女たちが予言を授かるためにローレルを焚き、神託を授かるための予知夢をみるために枕の下に葉を敷きつめて眠りについたと伝えられています。
また中世では魔物から身を守るための守護のハーブとして、家の玄関そばに植えたり葉をリースにして玄関に飾ったりしていたようです。

ローレルの精油は葉と枝から抽出されます。
気を循環させ調整する働きがあり、特徴的なのは寒性の疾患に対しての効能があるということです。寒性の痰を除去する働きや寒証で萎縮性のリウマチにも役立ちます。
とくにレモンユーカリやヘリクリサムとブレンドすることにより、急性の硬直した筋肉の萎縮によるぎっくり腰などにも効果を発揮してくれます。
私は腰痛の時には、たびたびローレルのお世話になっており、わが家には欠かせない精油のひとつとなっています。
また、ユーカリやパインとブレンドすればカタル性の風邪や気管支炎にも効果を発揮してくれます。

ローレルの精神的な効能としては神経の強壮と心の高揚作用があげられます。とくに気力と自信に欠け、冷えと鬱滞状態にある人に適しています。
そのような傾向のある人は、自己評価が低く自己の能力や知性に疑いを持っています。自己に疑いを持つことは自らに限界を課してしまいます。

古代ギリシャやローマの将軍たちは、ローレルの精神を高揚させる効果を知っていて戦闘に赴いたのかも知れませんね。
人間の歴史は古代より、戦争とともにつくられてきました。
戦争によって、つくられた生活は本当に「平和」な生活なのでしょうか?
私たちは、もういい加減に戦争の歴史に終わりを告げてもいい頃なのではないでしょうか。

植物たちは知性を持っています。
黙って人間の愚かな行為をみつめてきました。

ローレルの精油は個人の直観力を活性させ、私たちが本来持っている「より高次の心」を刺激し、無限の可能性を再認識させることができる手助けとなります。
高次の心を活性するということは、人間の進化にもつながります。
今、求められている人間の進化とは何か?

ローレルの爽快でスパイシーな香りは、私たちの内なる「心の火」を点火し、その魂を光り輝かせることに役立つでしょう。

ローレル
学名:Laurus nobilis
科目:クスノキ科
抽出部位:葉、枝 [水蒸気蒸留法]
ノート:トップノート
効能:鎮痛作用、抗菌作用、抗カタル作用、神経強壮作用、抗リウマチ作用、抗神経痛作用、駆風作用、利尿作用、健胃作用など
使用注意事項:2歳以下の幼児、超敏感肌、疾患や損傷のある肌への使用は避ける


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