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これからデザイナーになりたいと思う方へ読んでもらいたい私的なお話 Vol.1

・給料が安い
・理不尽なダメ出し
・残業が多い
・学びにゴールがない
・仕事は地味
・孤独な作業
・奇人変人だらけ
・応募が多く採用されずらい

デザイナーの仕事はこんな感じです。
私は過去、福祉の大学で学び、社会福祉士の国家資格を得られたので、20代は福祉関連の仕事をしていました。結果的に福祉の仕事は仕事に対しての賃金が低すぎて、応募数も低く、特別養護老人ホームが”終いの棲み処”と呼ばれるように、同じ従業員同士がいじめあったり、乱暴な言葉を使ったり、しごきがあったりと、サンドバックのようにボロボロに打たれまくったので、福祉は脛に傷のある方が多く集まる”終いの職業”だと思うことが多々ありまして、20代の後半に福祉とは一切の手を切りました。
もし強い矜持を持って福祉の仕事をしている方がいらっしゃいましたら大変申し訳ありません。

そもそもですが、仕事について大学まで勉強をしてスタンダード&ベターな基礎教養と人格を武器にして職業人になって1~2年で誰しもができるようになる仕事は、私個人の私的な感想から鑑みて、楽しさに限度があります。
行ってしまえば誰でもできるような仕事なのですから、ストレス要素も多く含まれていると私は考えています。だって普通の人間的な頭脳があれば誰でもできるようにデザインされた仕事なのだから。簡単に片足を突っ込める…楽しいことは同僚に恵まれるなどなど稀なケースでしょう。
自分の腕に未来を左右されるのではなく、会社の存亡と趨勢に未来を左右される私には魅力的には移りません。
…いや、ちょっと疲れかけている私には正直他力本願はちょっと魅力的です。

私はそういった系統の事務仕事で「遅いよ、どうしてこんな簡単なミスをするんだ、周りと同じようなこともできないんだよ、お前ちょっと変だよ」と言われるのが嫌で、十代の頃から趣味でさわっていたPhotoshopやIllustratorが使える仕事をしたいと思い、デザイナー職を小さなポストからアルバイトで始めていきました。
最初はバナーなどを量産したり、夜職のモデルさんの顔のしみを消したりするアシスタントデザイナーからはじめ、デザインスタジオの仕事の流れが把握できるようになってきてからは、自分の手柄を出していこう、ポートフォリオに掲載できるようなものを作ろうと、インテリアデザインや空間デザイン、自社のBtoB、BtoCのサイトデザインに着手していきました。
(豆知識ですが繁華街のビルで募集をかけるデザイン事務所は大体夜職のモデルさんのレタッチャー仕事の募集がほとんどです)
その間でたくさんの軋轢やコンフリクトが起きますが、それらは自分が生み出したものに対する進言・忠言・換言というものに帰結するので、一般企業のときに感じた苛々や落ち込みはあまり感じませんでした。…いや、感じることもありました。

…、で本題ですが、とりあえず「デザイナーになりた~い」という方は物凄く多いです。なになにデザイナーで何へどういった作成物へインタラクトしていきたいのかというより、やはりとりあえずデザイナーになりた~いという方がとても多いといった印象があります。
私のTwitterアカウントではではおすすめのTweetに「HTML/CSSを勉強して企業に2年くらい企業にいて、フリーランスになりたいです #デザイナーとつながりたい #フリーランスとつながりたいみたいなTweetが毎日見かけられますが、「……いやいやいや。ちょっとちょっと」と思ってしまいます。
WEBデザイナー、カメラマン、モデル、こうした文字ずらがきれいな仕事ほど、見えないところで泥臭い努力が求められ、SNSで映えない練習や研究が求められるし、その工程はいいねが付かない地味なプロセスが満載で、仕事もハードでシビアで、アメリカの企業形態のようにそっ首になることはありませんが、実力や流行のアンテナが伴わないと、日本式のそっ首システムで、フルタイムの中ですぐに仕事が振られなくなってデスクでソリティアをやる人になってしまいます。

私は今年の夏、デザイナーを続けるために会社を辞めました。
会社の運営方針がものつくりから離れ、デザイナーから投資コンテンツのデータ入力の能力が仕事の主になるとディレクターから言われました。
勢いのあるベンチャー企業ですが、将来を考えたら30代の今、顧客のデータ入力を続けると、40代になったとき、もし会社が倒産したときに転職をする際にスキル欄に何を書けばいいのでしょうか。何も手に職もないまま歳を取ることは極めて恐るべき安楽な破滅へのステップです。
だから今地盤を固めるために、ハイキャリア人材のリクルートグループ群に登録してもらえるようなエキスパートデザイナーのスキルを身に着けようと思い会社と決別を図り正社員から無職になるという決断をしました。

そして今、学校に行き学生として自分の範囲外の開発班(プログラミング)の勉強とチームマネジメントの勉強をしています。
第一の重要なことに、学校が用意する、今流行のプログラミングのオンラインスクールが用意する授業内容、教材は、皆が卒業できるように作られた難易度が低めで”食べていける”深奥に触れないコンテンツであることが多いです。
これらの学校の教材をインプットしていき、時を過ごしてアウトプットして作るポートフォリオは、書類選考の段階で落ちてしまうようなレベルのものが多いと感じました。
学校の若い方は、学校で勉強やインターンの充実感を感じて、ポートフォリオサイトに平気でいらすとやを使ったり、何世代も前のデザインのサイトを作り、就活を始める方が多々います。
あくまで、私がデザインの業界に長年在籍していて感じた肌感、上司がそう話していた経験則によるものですので学校のありかたに断言的な否定はできませんが。

残念なことに教材や会社へ持っていくことになる自分のマシンになるデスクトップ&ノートPC、Adobe Creative Cloudの購入、書籍や資格習得受験費用など、最初にお金をかけなければいけないシーンがとても多いです。
細かくいったら、私の会社ではiMacとsurface(15万円ぐらい)の2つのノートPCしか見られず、私みたいにHP(10万円以下)を使っている人すらいない環境でした。意識の高さといったものでしょうか。
今購入した数々の教材も、同僚の方やディレクターの方が「この教材ならかろうじて業界のデファクトスタンダードに近いかもしれない…」というものを購入したもので、諸先輩方が言うには、「教材と呼ばれるものは究極業界の水準には達しないもので、自分で研究し、自分で実際にソフトウェアに触れてみて、実際に何かを作成して運営する行動を寝る間も惜しんでやっていないとプロのレベルに比肩するには難しい」と厳しい意見を言われた程です。
それなので私は学校の卒業に必要な講義類を午前中に自宅や学校で済まし、多くの時間は、自分で購入した教材や、紹介してもらった方法の学習に時間を費やしています。(おすすめの教材はUdemyです。セール時期の際に爆買いしましょう! https://www.udemy.com/)
↓は今年下半期の学習物であり、学校の講義中と外で行っています。

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そして大切なことに、学校の授業やイベント、魅力的な講義で充足感を得てはいけません。
勉強の歩みを学校などの教育機関に任せず、年間の学習スケジュールを綿密に手帳やGoogleカレンダー、予定管理アプリを作成したりして、さらに作成しては情報が刷新されたら再び書き直す作業を行わないと、自分の学習キャリアが結果的に薄まってしまうということです。有名なタレントのスケジュール帳のように、学習予定をびっしり書き込んで、学習計画&進捗をデータ化しておくことが大事だと、私は感じています。
Googleカレンダーがカラフルにしておきたいものです。

もっと言えば、会社員時代、大企業でもない限りデザイン会社にはプランナー(企画者)がいませんので、デザイナーはプランナーも兼任しなければなりません。業界歴1年の人間であっても同じことで、そう考えると、制作物に対することの故事に精通していなければならず、デザインの仕事=ものづくりということではありません。
やることが多くマルチタスクで、とにかく体力を必要とされました。
時たま来るアーティスティックな制作物にしても、企業の意を汲むインダストリアルな制作物にしても、自分で現状より良いインスピレーションを出して、カスタマージャーニーマップを作成して、プレゼンテーションを出すまで、実力主義の孤独な時間が続きます。
私は仕事をプライベートに持ち込んだらQOLが崩壊すると考える主義の人間なので、仕事を持ち込まないためにも、これらを完成をもって消化するスピードを求められるので、頭の体力だけではなく、疲れにくい身体の体力も必要とされるなと感じました。デスクワークなのに汗をかく場面が実に多かったもので、自分の虚弱体質を呪いました。
それなので会社を離れた私は今ジムに通って有酸素運動を日課にしています。

私は中途半端にデザインの業界歴やこなした仕事の数や種類が多いので、学校でコミュニケーションを図った方から「私デザイナーになりたいんですけど…」と相談を受ける機会がとても増えています。
私に聞いた以上、上記のような”いやいや難しい気がしますよ”の種類の人にはなってほしくないので…

・自分のPCを買おう(推奨スペックCore i7 メモリ16GB)
・Adobe Creative Cloudを契約しよう
・学校の講義以外の年間学習スケジュールを作成しよう
・完成制作物を1クール10コンテンツ作ろう
・デファクトスタンダードを日々研究文面化しよう
・開発班(プログラミング言語)の勉強を同じぐらいしよう
・体力を付けよう

…と淡々と説明するのですが、ほとんどの人は話の途中で諦め顔になっていき、授業を真面目に聞き、授業のスピードと基準を主軸に置いていきます。
それが物凄い努力家の方であれば、或いは授業の中で空白になっていることに必ず気付き、自分で勝手に学習を始めたり難易度が高い資格を取得していき、上記より密度の高い学習を勝手にやっていき、そうした人もとても多く見られます。上記のことは私が仕事を辞めるときにディレクターから言われたことをそのまま書き出したことで、ディレクターは「これができる人は私の知る範囲では15%程しかいないけれど…スチルショッツさんにはできないレベルの難しさだと思いますよ」と言われました。

例えば昨今必修になりつつあるSEOに対する学習も明確化するために資格を取得しようと思い、資格を探すと『認定SEOコンサルタント』が安定のものとして挙げられますが、たしか受験料だけで165,000円もします。SEOの大事さをわかっていても安々と挑戦できません。しかし、SEOの経験歴など作れませんから、私もこの資格取得を視野に入れています。(SEOマーケティングアドバイザーの方は10万円以下で挑戦できるので私はこちらに挑戦しようと思います)

そして鬼門になっていくのは、デザイナーは開発班(プログラマー)と協同・協栄していき、いかに密に連携を図れるかということが大事になります。開発班の方が言う細かな仕様への専門的な質問に2つ返事で対応して、進行をしていくことが求められます。
それなので、実際にデザイナーも初歩的な開発技術を求められます。
そもそもデザイナーの中でも最も求人が多い『Webデザイナー』はサイトのデザインを求められ、それは絵を描くだけではなく、実際にWebで可視化して開発班に運営ができるように依頼をして渡します。
つまり、モラルの高い良い会社でデザイナーのポストに就くにはHTML/CSS・JavaScriptやPHP、フレームワークのReactまでは実際的に必要な技術となっていく可能性が極めて高いのです(めちゃ難しい!)。
これは実質的にフロントエンドプログラミングの範囲であって、加えて業界で今ブームになっているフレームワークのReactなどは学校では殆どとりあげることはないです。マークアップができるだけではWebデザイナーと名乗れない時代になっています。

そしてITの現場は変人奇人だらけです。
同じ服しか着ない人、休憩時間寝袋で寝る人、睡眠を2時間しか取らない人、見えない神と会話する人、発狂する人、勝手にウォーターサーバーを持ち込む人、デスクの上がマイメログッズで埋め尽くされている方、仕事をこなしながらオンラインカジノをする人、ゴミ箱からエナジードリンク空き缶がこぼれている人。私の会社ではこんな顔ぶれの同僚たちと切磋琢磨していました。
仲良くなれば皆、勿論いい人たちで、普通の人より義侠心が厚い方なのですが、デザイナー=おしゃれ人間は間違いなイメージだと思います。新人として現場に上がり込むと「うぉぉ…」と感じるかと思います。
それなのでスキルアップをした後には、前線から退き、現場のファシリテートができるような職業的なコミュニケーション能力が求められてきます。
私は消去法的に運よくこの立場になることができていたのですが、陽キャとか陰キャとかそういった次元ではない、話しかけやすい、頼りやすい、愚痴りやすい、行動が早い、職業的なコミュニケーション能力の高さです(私はガッチガチの陰キャです)。
上記が白魔導士なら黒魔導士はフルリモート化して3社ぐらいに席を置くようになっていきました。「ようブラザー」と呼び合う仲なのにLINEの既読が付くのに1か月かかります。きっと自己管理能力が求められるでしょう。

結果的に何が言いたいのかというと、生き残る人はパブリックでもプライベートでもずっと手を動かしています。仕事に関する研究、関係ない動画の作成や編集、イラストを描いたり、図面を書いてDIYに没頭したり、結局何かにとりつかれたように手を動かし続けている方々がいわゆる、”向いている”方の条件なのだなあと今までの関りの中で思いました。そして何故か皆お風呂に入りません。どんな小さなものでもいい、チラシの裏に四コマ漫画でも描くのでもいい、手を動かす習慣づけは一番大事なことかと思います。
私はお医者様から注意欠陥・多動性障害(ADHD)と言われています。常に何かやっていないと落ち着かない人間ですが、前職の同僚らはメンタルヘルスに関わっていないだけで、ADHDの要素が際立っている方が多かったです。逆を言えば、こうした障害が大いに武器になる仕事でもあります。
社会から爪弾きにされがちな癖スゴ人間が脚光を浴びやすい職業でもあるので、私はきっとこの業界から足が洗えないのでしょう。

港区でマンション暮らしを成功のロールモデルとしているならば、別の職業の方がいい感じがします。楽しいといえば楽しいのですが…つらいことも多い。私はこのままでよいのだろうか……はあ……

※あくまでこれらは私の私的な見解です!!
これを読んで真に受けないでください。
学校の言うことを聞いて用法用量通りの勉強をなさってください。

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