【キャッチコピー】 Theme―――〈僕らは、出会う。闇空の下、湖に沈んだ想いと君に〉 【紹介文（3行）】 僕こと枝散達郎が中学時代歴史学者の道を目指すつもりだった。しかし、由真がその道を選ぶと言い切った。よって僕は諦め、数学者の道を目指すつもりだった。しかし、そこには僕の目指す安寧は見つからなくって、僕は、彷徨う思考の下、幼馴染の鵲由真と一緒に付き合う内に、作家の道を星が囁いた。僕が、運命の女性と出会うまでの、僕の道程と、未希が不死の身体を見出した悪夢についての考察を始
僕は何事も予定予定としたい仕事は早くしろと急かす癖に、朝の出勤の用意自体直ぐに動けない性質がある。5:00になって起きて着替えは勿論作文帳も済んでいないと言う時間が六時まで続いている。どうしてこうも時間管理が出来ないんだろうと悩んでいたけれど、ポスティングで走った翌日はうつ状態で3:44に目が覚めて、作文帳を書いている。今までのジンクスとはまるで異なっている。 これには、明治大学の堀田秀吾教授は「人間にはギリギリまで動き出せない脳のクセがある。これは能力の高低とは関係ない」
〈高校時代の回想[達郎の脚本]〉 「しかし、文化拡大事業といってもな、矢沢。あくまでも人生でQuality of life向上の一端に出来るかどうかの期待値にしか過ぎない。ただのそれだけの話であって、そこに心底力を注いでいるわけでもない。僕の作品が移動祝祭日のようなイナクロシャブルな作品を数々量産していたと評価されていたとしても、行動するだけの期待値があっただけの話だ。行動することが無意味かどうかは他者が無意味に決めることであって、本来の価値だけで述べれば、世間一般の小説自
〈高校時代の回想[達郎の脚本]〉 授業後の休憩時間。由真、矢沢、達郎、石井の四名が席に着席していた。 そして、彼が言っていたことをリフレインしフェードアウトした時があった―――。 「……本当に数に興味はあるかい？」僕はその声にハッと目覚めた。 「何だ矢沢か、何やってんだ」 「聞いただけだ」そう言って矢沢は腹を殴る。僕は前かがみに蠢くと。「お前、何になるんだよ。数学者とか言っていなかったっけか？」 「まだ期待できるほど才能はあるようだね」 「だったらなれ」 「分
〈中学時代の回想[達郎の脚本]〉 私は達郎という作家である。 中学時代、無趣味で一見侍のような風変りな社会科の教師に出会った。名前は覚えていない。光の様にせわしなく過ぎる思春期に他人の名前を一々覚えていられる余裕はなかった。 彼は理想に包まれし歴史上の人物の逸話を語っていた。そして、僕は没頭する。そして毎日のよる仕事として塾に通うことになった。英語のTop Classの男性講師は非常に頭脳明晰で素晴らしかった。僕は英語の才能があるのではないか、と勘違いするようになり、将
