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白エビの3σ

まずは富山のおばあちゃんに心よりの感謝の意を表したい。白エビを一匹一匹丁寧に剥いてくれるおばあちゃんの仕事が無ければ絶品の白エビ刺身丼をいただくことは不可能だ。白エビ亭の白エビ刺身丼には約90匹の白エビが無数の富山県産コシヒカリの上で踊っている。ただし90匹という数字の正確性については議論の余地があるだろう。おそらく白エビ刺身丼ごとに白エビの数にはバラつきがあり、その中央値が90匹であることはおおよそ間違いない。次に気になるのは、「白エビ載せ」という工程において、白エビの数にどれくらいのバラつきが発生するのかという点であり、精密機械ではなく熟練の職人が白エビを載せていることを考慮すれば3σは5匹程度になると推察される。ただし、職人の体調によっては3σにもバラつきが存在する事実はここでは考慮しない。つまり、白エビ刺身丼に白エビが96匹載っていた人は1000人に3人程度の幸運に歓喜しよう。

白エビ刺身丼は一杯2400円。丼ものの中ではかなり高価な部類ではあるが、白エビを剥くおばあちゃんの頑張りや白エビを載せる職人の正確な仕事振りを踏まえれば妥当だ。寧ろこれだけ美味しい白エビをこのお値段いただけることに、この時代に生きられたことに感謝せずにはいられない。

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