フレンド企画『爆誕 ドラちゃんズ』 

第一章 秘められし力

 目を覚ましたドラセナが次に見た光景は空が暗く辺り木々で囲まれている広場だった。不思議なのは昼か夜かわからないが夜ってくらい暗いのに辺りははっきりと見えている。どこなのかわからないドラセナはその通りに不安を覚え、しきりにお姉さんのオトナリを呼び始めたが何も起こらない。不安は次第に強くなり終いには泣き出してしまった。中学2年のお年頃なので当然といえば当然である。しかし、ただ虚しく響き渡る大声にあるものが近寄ってきていた。緑の体をした棍棒を手に鳥の嘴のような顔の形。ドラセナはふ、と後ろに目をやるとその緑色の生き物に気づいた。威嚇をしてきた生き物に怯えるドラセナは腰を抜かし偶然あった棒切れを手に緑の生き物に振るうが全くと言っていいほど意味がない。人数が増え、ドラセナは一匹の緑の生物に服の袖を破かれ、取り囲まれる。景色見えなくなり、怯え切ったドラセナは気を失いそうになったその時、激しい衝撃がドラセナの辺り一面を吹き飛ばす。何が起きたかわからないドラセナだったが、その一瞬で緑の生き物は囲んできていたもの全てをバラバラにし薙ぎ払った。竜巻のようなものがドラセナに近づいてきて頭の上をハンマーのようなものが横回転しながら飛んでくる。
 「うわっ、え?」
驚くドラセナを前にある青年は回転していたハンマーをいとも容易く受け止める。鍛え抜かれた肉体になぜか出てもいない日光が辺りながらニカっと白い歯を見せウインクをする青年は笑いながらドラセナに近づく。悪い人間ではなさそうだがどこか暑苦しく見える彼は自ら名乗り始める。
 「おいらはタクミ タクミ・スウェッソン。あんたは?」
すごく明るいその声は爽やかな感じを思わせる。助けてもらえたことに呆気にとられているドラセナは遅れて挨拶をした。ドラセナの反応がよっぽどおもしろかったのか腹を抱えてくすくすと笑い続けていた。次第に苛立ちを隠せないドラセナは機嫌が斜めになりおかんむり表情になる。機嫌直すように遠回りにコミュニケーションをとる感じでタクミが説得してくる。歩きながらなんとか機嫌を直すとタクミは村を指差した。木々の間から建造らしきものが見えてくるのがわかる。どうやらこの辺りで一番大きな村だそう。ある時を境に空が暗くなり朝が来なくなってしまったという噂を聞きつつその村に辿りつくのである。村の名前はミズネ村。住人の半分が女性だらけという村だった。確かに女性だらけだったがなぜかどこか何かが違うという感じを覚えるドラセナはそのままタクミにそれを言ってみた。驚いた顔をしたタクミはドラセナに事実を打ち明けてみる。どうやら村は元々木の根っこに住まうことから元々はネズミ村というらしい。ところがでかいネズミのような生き物が東の丘の上に塔を作り部下を従えてから空が暗くなり、住み始めてらしい。ある種それが支配してる原因なんじゃと思うドラセナは一度村で装備を調達するように促した。小さな鉱山を抱えている村だけあってある程度の武器装備は調達できる。それこそタクミの腰にある巨大ハンマーはこの村特性である意味大きさからタクミ専用である。しかし、村は女性だらけで男もいるがなぜか戦うどころかお祈りタイムである。戦う気すら起こらない。ここで不思議とドラセナはタクミをじーっと見つめる。タクミは視線に気づくと照れつく。
 「そんなにかっこいいかい?」
 ドラセナは慌てて言い返す。
 「違う違う、女性はともかく男性は戦う気力がないのになんであなただけなんでそんなに活発なの?」
 それに問い返すタクミ。
 「最近までの別の村まで行ってきたからさ。なぜかここしばらくから変なかべができてここら辺だけ隔離されてるんだ。それも多分あのネズミのせいだと思うがね」
 戦力となれるかどうかを聞きながらそう雑談をしていくのだった。だがやはり戦えるのは現在の二人である。話をしてるうちにネズミのいる建物の下にきた二人に早速、すごい数の刺客がお迎えにきた。タクミは薙ぎ払うがあることに驚きを隠せないでいた。木の棒を持ちブルブル震えてる人、そうドラセナだった。戦力と考えていたタクミとして非常に驚きを隠せないのである。慌てて駆け寄ろうにも囲まれていて近づけない。4〜5匹がドラセナへ飛び掛かろうとした次の瞬間ドラセナの腕が光ったのだ。その光を浴びたモンスター達は逃げていった。タクミの周りのモンスターそれを見るなり逃げていった。そのうちの一匹が呟きながら駆けていきた。   
 『・・!!アートナーの紋章の光だ・・!!古の龍を呼べる者だと』
何が起きたかわからないドラセナとタクミ。たださっきの呟きは聞こえた。
「アートナー、古の龍?」
何を言ってるのか今の二人にはわからないのだった。お互いに声を掛け合い、建物を登っていくとさっきのやつより一回りでかいネズミ型の化け物が街に舌を伸ばしていた。舌には光る何かが集まって吸われているように見えた。ネズミの化け物は後ろの二人に気がつくと振り返る。ひきつった目。明らかに怒り散らしてる
 ”誰だ、村の男ども生気を吸う邪魔をするものは”
と尻尾をいきなりタクミのハンマー弾いてみせる。高い金属音と火花が飛び散る。咄嗟に反動でバク転をするタクミが着地の隙をつかれ再度尻尾に払われ、大木に吹き飛ばされてしまった。ニヤリと笑うネズミ型のモンスターは寝転がったタクミにトドメを刺そうと近寄っていき、ドラセナを見る。明らかに小馬鹿にしてる。震えるドラセナはさっきのような奇跡怒らないと唖然としたまま呆気にとられていた。しかしわかってもいるどうにかしないとどうにかしないとそこで思いながら動けずにいた。そして再度モンスターがタクミを舌で軽くはたきながら呟く
”ふふ、うまそうなやつ。まずお前からだ”
 と舌が伸びドラセナに飛びかかった。しかし無力なドラセナは一生懸命周りの壁にしがみつきふりほどかれまいと抗うのが精一杯だった。次の瞬間ドラセナはモンスターの腕で地にはたきつけられ、いよいよダメと思われたその時、先ほど光っていたはずの手の甲が再び光始め次第に輝きを増していくのだった。慌てたモンスターは後退りするがドラセナは意識朦朧なのにキビキビした動きで何かを描くように踊り出す。何事かと思ったタクミはドラセナを何回か呼ぶが反応しない。するとドラセナの光る手から光る筆のようなものができて、描いているものが顕になる。とその途端に描かれた絵のような紋章のようなものから石のでかい丸で人形のようなものが出てきてネズミの大型モンスターを圧倒し始める。パンチや蹴りチョップなどしかし確実に当ててる技はものすごいダメージを与えており、虫の息にするほどだった。
”頼む、命だけは”
と懇願するにもゴーレムには言葉が通じず、ゴーレムはトドメを初の大技トールハンマーにして最後の一発を飾って魅せた。事が終わるとゴーレムは光と消え、手の光が消えていくのと共にドラセナは気絶した。そしてモンスターの死骸からは溢れんばかりの吸い続けた正気の光が村に帰っていく。空は青く澄み渡り、少し休んでいるとドラセナは目覚めた。タクミがドラセナに近寄る。
 「大丈夫か」
 その涼しげな笑みにドラセナは安心感をもらった。
 「何が起きたかわからないんだけど解決したならいっか」
タクミが村を指差し村から炉の煙が立ってることを教えると村が救われたことがわかった二人は安堵した。その瞬間ドラセナの体が透けてきていた。タクミも慌てるがどうしようもできず、とりあえず今のうち
「ありがとう、ドラセナ」
そう言い終わったタイミングでドラセナは消え、気がつくとドラセナは自分の部屋にいた。外にはパトカーとサイレンの音がしている。何事かと外に出るとオトナリが泣きながら警察の人と話してた。
「お姉ちゃん?」
その声が聞こえたのかその声に反応し一瞬で振り向き、目を涙でいっぱいにして駆け寄ってきて抱きしめてきた。
「どこにいってたの!?心配させてもう、あなたが一日中戻らなくて何かあったのかと」
「お姉・・・ごめんなさい」
警察も二人を見るなり解決したのがわかると笑って帰っていくのだった。


続きはまた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?