独身実家マン

独身実家暮らしなのであった。
大学の頃一人暮らしさせてもらっていたのだが、あまり一人が平気ではなかったので、卒業を機に実家に戻ってからは出る機会がないままだ。
あまり実家を出たいと思ったことがない気がする。
ただ「いい歳して実家にいる」ってことがどう見られるかということは、結構気にしている。

最近「子供部屋おばさん/子供部屋おじさん」という意地悪なネットスラングが流行っているけど、なんて殺傷能力の高い熟語なんだ…と思う。
Wikipediaによれば言葉自体は2014年からあるそうだ。
実家を出て一人暮らししたり家族を成したりした大人には、いつまでも実家を出ない大人は不気味に見えるものらしい。
大人になってからは、実家暮らしであることを言おうものなら、すかさず家に金を入れているか・家事をしているか・介護などの理由があるかといったジャッジが入る。
正直、別によくない?人それぞれだし、親にはいくらでも甘えていいと思っている。
一方で、親に甘えている大人が気持ち悪く感じるってこともまあわかるんだよな、なんか…。
でも自分として不都合を感じていないのに、体裁を気にして実家を出るってのもなんか変なのと思う。

私って大体そうだ。
私が一人でボーッとしている間に、周りの同年代は実家を出て就職して恋愛して結婚して子育てして、急に「何かしたほうがいいのかなあ…」という気持ちにさせられる。
20代はふらふらニートしたりフリーターしたりしていて、今の仕事に就いたのは30になってからなんだけど、手に職つけて就職しようと思った一番の理由は経済的理由より何より「人に見せる用の自分がないな」と思ったからだった。
仕事をして収入や立場を得られたことは幸せだと感じるけれど、心の底では働くってことにも納得していない気がする。

働いていると、自立してると、結婚してると、子どもがいると、それがなぜ偉いのであろうか。
変なのと思うけど、そうするのがいいんじゃないかという感覚も自分の中にある。
それができるなら、そうしたほうが楽な気がする。
それらを成し遂げるメリットって、そういう視線に悩まされずに済むようになることなんじゃないかな…。
みんなそんなこといちいち考えなくても、大人になったら自然とそれができるのだろうか?それか、なりたい大人像というものがあって、それに近づこうと努力しているのだろうか?人にどう見られるかを重視してそうするのだろうか?人のことはわからないが……。

これからも、人に「実家暮らしです」と自己紹介するときだけ、ア~実家暮らしってあんまりよく思われないよなあ…とか居心地悪くなりながら、特段困ってないし親好きだしな…とか思って、本当にどうにもならなくなるまでこのまま実家で暮らすだろうなと思うのであった……。

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