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木曜日の女①土曜日

今は朝の10時すぎ。
会社のトイレの冷えた便座の上でこれを書いている。
雨上がりで微妙に湿った革靴に、冷えた足先を突っ込んでいる不快感とは裏腹に今日の私は頗る機嫌が良かった。
今日は土曜日で、隣の席の女がいないのだ。

土曜日だからいないのではなく、彼女がリモートワークだからいないだけなのだが。
限られた人生の中で、私がこの職場にどれだけ滞在するかは未だ未知数ではあるが、この職場のことをここで今記すのはこの仕事への一定の諦念が確立したからである。



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