僕の好きな人のバイト先。  劇台本。

公園で男2人が話している。
 
 
 けん「俺の彼女のバイト先PayPay使えないんだよね」
 
 りょう「結構あるんじゃん PayPay使えない店
 
 けん「いやでも、最近横浜にできたオシャレなカフェだよ?
 
 りょう「たしかに、それはちょっと変だわ」
 
 けん「カードとかも使えないし、現金のみ」
 
 りょう「そうなんだ、新しいカフェなのにね
 
 けん「俺ってさ基本PayPayしか使わないじゃん?
 
 りょう「うん、割り勘する時とりあえず俺払うから後でお金ちょうだいって言うと毎回、ごめん俺現金ないからPayPayで送るわって言ってくるもんな
 
 けん「そうそう」
 
 りょう「あれ結構うざいって友達の間でなってるよ
 
 けん「え?まじ?」
 
 りょう「PayPayで金もらっても、俺たち使わないし」
 
 けん「でも、コンビニでちょっと買い物する時とか使えるじゃん
 
 りょう「毎回コンビニでちょっと買い物した後に気づくんだよ、お前からPayPayもらったなって」
 
 けん「それは、意識しろよ」
 
 りょう「なんで、お前のPayPayのせいで、俺の日常に一つ意識を加えないといけないんだよ」
 
 けん「PayPayで払うと毎回ルーレットが出来て一等あたると、全額返ってくるんだよ?」
 
 りょう「これまで、PayPay使って一等何回あたった?
 
 けん「それは一回も当たってないけどね
 
 りょう「ほら、当たんないじゃん」
 
 けん「でも、3等はめっちゃあたってるからね」
 
 りょう「いくら返ってくるの?」
 
 けん「0.5パーセント」
 
 りょう「少な!」
 
 けん「いやいや、ちりつもだから」
 
 りょう「そんくらいなら、現金の方がいいから 
 
 けん「でも、ここぞという時たとえばー財布落とした時とかに使えんじゃん」
 
 りょう「そんなここぞと言う時を探して早三年、今のPayPay残高6万5000円ですー
 
 けん「えーー、使わなすぎだろ」
 
 りょう「PayPay嫌いだから
 
 けん「なんでよ
 
 りょう「PayPayが嫌いというより、PayPay派が嫌い」
 
 けん「それはまじでなんでだよ」
 
 りょう「俺コンビニバイトしてんじゃん?」
 
 けん「うん」
 
 りょう「その時PayPayで!って言われてスマホ出されるんだけど、なんか電波悪くて読み取れなくて気まずいし
 
 けん「電波はしゃーないじゃん」」
 
 りょう「電波はしょーがないけど、PayPayで!ってお会計する時に、残高チャージするやついるし
 
 けん「そんなん数秒じゃん」
 
 りょう「確かに、暇な時なら、まだ!まだいいけど、忙しいときにやられたら、もう手が出るね
 
 けん「そんな!?」
 
 りょう「どーせあれだよPayPay派は、すぐポイ捨てするし、映画館で大きな声で話すし、Twitterで人の悪口書いてるからね」
 
 けん「言い過ぎって」
 
 りょう「お前なんでそんなことすんだよ!
 
 けん「してないから、お前の妄想じゃん、そんな溜まってたんだ、ごめんななんか
 
 りょう「まぁいいよ、この後どーする?」
 
 けん「俺この後彼女のバイト先行くよ」
 
 りょう「横浜に最近新しくできたオシャレなカフェなのに現金しか使えないお前の彼女のバイト先?
 
 けん「そうだよわざわざ言わなくていいから、おまえも来る?」
 
 りょう「え、行きたい、でもお前お金おろしてから行けよ、
 
 けん「もうお金おろしてるから大丈夫
 
 りょう「金おろせるなら、俺らの時も現金で返せよ」
 
 けん「次からそうするわ」
 
 
  カフェにケン、りょうが入る
 
 あいり「いらっしゃいませ、ここの席すわってら今日も来たんだ」
 
 けん「うん、毎週水曜日来るって決めたから」
 
 あいり「そっか、その人は?」
 
 けん「同じ大学のりょう
 
 りょう「初めまして」
 
 あいり「初めまして、いつもけんがお世話になってます
 
 りょう「いえいえこちらこそ」
 
 あいり「けんは、いつものでいい?」
 
 けん「うん、ホッとコーヒーお前は?」
 
 りょう「じゃー俺も同じので」
 
 あいり「はーい」
 
 あいり、キッチンへ
 
 
 りょう「本当にオシャレなカフェだね、綺麗だし」
 
 けん「でしょ!俺の彼女のバイト先オシャレなのよ
 
 りょう「でもPayPayは使えないんだよなー
 
 けん「でもねそのおかげで最近楽しみが出来てさ
 
 りょう「なになに?
 
 けん「コーヒー500円なのよ」
 
 りょう「うん」
 
 けん「それで俺毎回ATMで1000円おろして払うから毎回500円のお釣りが来るわけよ」
 
 りょう「うん」
 
 けん「そのお釣りの500円玉で五百円貯金初めてさ、あの満杯まで入れれば100万たまるやつ」
 
 りょう「めっちゃいいじゃん」
 
 けん「それで、100万貯まったら、彼女がずっと行きたがってたハワイに一緒にいってそこで彼女にプロポーズできたらなって
 
 りょう「へーそれで毎週来て五百円貯金してると」
 
 けん「うん」
 
 りょう「お前それ三十八年かかるぞ」
 
 けん「えぇーーー!」
 
 りょう「当たり前だろ一週間に一回しか五百円貯金しないんだから」
 
 けん「えーどーしよ」
 
 あいり「コーヒーお待たせ」
 
 りょう「ありがとうございます
 
 けん「ありがと」
 
 あいり「どーかした?おっきな声出してたけど」
 
 けん「いや、なんでもない
 
 あいり「そっか、この後空いてる?」
 
 けん「うん」
 
 あいり「後一時間でおわるからまっててよ
 
 けん「おっけい」
 
 あいり「やったごゆっくり」
 
 あいりキッチンへ」
 
 けん「まじ、どーやって貯めよう」
 
 りょう「その、毎週の貯金額を増やすしかないだろ」
 
 けん「なるほどね、じゃあ5,000円出せばいいのか、そしたら毎週4500円貯められるし」
 
 りょう「4000円は札でくるでしょ、結局500円しか貯金できないじゃん」
 
 けん「くそ!じゃーもう全部500円でお釣りくださいっていえばいいか」
 
 りょう「彼女のバイト先でそんな変なことすんなよ」
 
 けん「えーじゃーどーしよ」
 
 りょう「普段から現金使って、お釣りが500円返ってくるように払えばいいのに」
 
 けん「それは無理、キャッシュレス派だから」
 
 りょう「そのこだわりなんなんだよ
 
 けん「そこは譲れないなー」 
 
 りょう「目標が、高すぎるんじゃない?
 
 けん「どーゆーこと?」
 
 りょう「500円玉貯金で、何万かためてその貯まったお金でできることすれば良いじゃん」
 
 けん「プローポーズで妥協したくないんだよ!俺は絶対に500円玉で100万貯金して!彼女にハワイでプロポーズするんだよ!」
 
 あいり「え?」
 
 けん「これは、あれだよ、もし出来たらいいなーみたいな?」
 
 あいり「へー、
 
 あいりキッチン戻る
 
 けん「どーしよ聞かれちゃったよ」
 
 りょう「あんなでかい声だすから」
 
 けん「とりあえずお会計するか」
 
 りょう「そうだね」
 
 けん「PayPayで五千円おくるからさ、現金で五千円くれない?」
 
 りょう「さっき現金おろしたって言ってたじゃん」
 
 けん「5000円出したいから」
 
 りょう「やめた方がいいよ?500円で全部もらうの」
 
 けん「とりあえず言うだけ言ってみるわ、断られたらそれでいいし、PayPayと現金こうかんしてや」
 
 りょう「だから、PayPayやだって」
 
 けん「まじで、これで最後」
 
 りょう「まじで、最後だからな?」
 
 けん「ありがとう」
 
 りょう五千円渡す
 
 けん「あいり、お会計で」
 
 あいり「はーい、500円です。」
 
 けん「5000円からであなさ、お釣り、、、」
 
 あいり「4500円のお返しです」(全部五百円)
 
 けん「え?」
 
 あいり「私38年も待てないから、一緒に貯めよ、500円」
 
 けん「うん!」
 
 あいり「やるからには、全力でためにいくからね」
 
 けん「がんばろ!」
 
 りょう「なんか、盛り上がってる所ごめん俺もお会計お願いします。
 
 あいり「あ、はい500円です」
 
 りょう「1000円で」
 
 あいり「500円のお返しです」
 
 けん「その500円とさ俺のPayPay交換してくんね?」
 
 りょう「お前さっき最後っていったろ!」
 
 けん「はいはい、じゃあね俺彼女まつから」
 
 りょう「うん、また」
 
 あいり「ありがとうございましたー」
 
 あいりバイト終わりけんとの待ち合わせ場所に行く
 
 あいり「おまたせー」
 
 けん「お疲れ様」
 
 あいり「今日なにする?」
 
 けん「うち来る?鍋でも食べようよ」
 
 あいり「いいね、材料は?」
 
 けん「この前の残りがあるから」
 
 あいり「そっか」
 
 けん「じゃあ行こ」
 
 あいり「うん、ついでにあそこのペットショップいきたいな」
 
 けん「目の前の?」
 
 あいり「そうそう、あの茶色いワンちゃんみたい」
 
 けん「あの子ね」
 
 あいり「あの子人懐っこくなくて、全然可愛くないんだよね」
 
 けん「じゃあなんで見にいくのよ」
 
 あいり「なんか、そう言う所が愛くるしいのよ逆に、いつか私が飼いたいな」
 
 けん「可愛い犬飼おうよ」
 
 あいり「いいのあの子で、売れ残ってて安いし」
 
 けん「そっか
 
 あいり「うん」
 
 けん「そういえば、あのペットショップ、最近新しい子生まれたらしいよ」
 
 あいり「えー見たい」
 
 けん「ね!」
 
 あいり「犬?」
 
 けん「わかんない、ワンチャン猫」
 
 あいり「ワンチャン猫ってややこしいね」
 
 けん「ちょっとね」
 
 あいり「そういえば、そろそろ母の日だよ」
 
 けん「そうなんだ」
 
 あいり「なんも買ってないでしょ」
 
 けん「うん、多分母の日も実家帰らないし」
 
 あいり「帰りなよ、ずっと一人暮らししてるんだから、花の一本や2本もっていけばちいのに」
 
 けん「LINEでかりゆし58のアンマーでも送っとくよ」
 
 あいり「本当好きだよねアンマー、隙あらば会話にいれてくるじゃん」
 
 けん「花買うっていっても、何がいいの?」
 
 あいり「相場カーネーションでしょ」
 
 けん「ひねりがなさすぎるでしょ」
 
 あいり「もらえるだけで嬉しいって」
 
 けん「まず女性が花をもらうと嬉しいって考え方古いと思うのよ」
 は
 あいり「私はうれしいけどな」
 
 けん「なんの花がすきなの?」
 
 あいり「フウセンカズラ」
 
 けん「何それ」
 
 あいり「風船みたいなやつ」
 
 けん「へーなんで好きなの?」
 
 あいり「特に理由ないけど」
 
 けん「そうなんだ」
 
 あいり「でも、誕生日とか記念日とかに渡さないでね、フウセンカズラ」
 
 けん「なんでよ」
 
 あいり「いらないんだもん、フウセンカズラ」
 
 けん「好きなんじゃないの?」
 
 あいり「好きだけど、もらったところでだよ、フウセンカズラは」
 
 けん「いいたいだけだろ」
 
 あいり「花渡さないならなんかプレゼントすれば?物でも」
 
 けん「そういえば母親がいつも使ってるエプロンボロボロだったわ」
 
 あいり「じゃーそれでいいじゃん」
 
 けん「なんかさ、ずっと使ってるから穴空くんだけど、そこをアップリケで埋めてるからそのエプロンアップリケまみれなのよ」
 
 あいり「じゃーもうプレゼントきまったね」
 
 けん「じゃーかい行くか、アップリケ」
 
 あいり「エプロン買いなよ、なんでアップリケの量を増やそうとするのよ」
 
 けん「そっか、エプロンかい行くか
 
 あいり「そこでも、500円のお釣りもらおうね
 
 けん「そうだね」
 
 あいり「PayPay使っちゃだめだよお釣りでないんだからかさ」
 
 けん「うん」
 
 
 
 
 りょう「ほんとに奢ってくれんの?
 
 けん「PayPayで迷惑かけてたしね」
 
 りょう「ありがとう」
 けん「すいませーん、お会計で750円だからー、1250円からでお願いします。」
 
 けん500円をしまう
 
 りょう「お前現金使うんだ
 
 けん「まぁね500円貯めてるから
 
 りょう「そっかそういえば、500円玉貯金どーなった?」
 
 けん「それが、もう溜まりそうです!」
 
 りょう「早!あれから一年くらいしかたってないのに」
 
  けん「あいりが、俺より張り切っちゃってさ、毎回お会計のたんびに、500円お釣りくるようにしてさ一枚一枚大事にいれて、ハワイに近いたね!とか、もうハワイがみえてきたよ!とか楽しそうに言っててさ」
  
 りょう「えー羨まし」
 
 けん「でも、貯まっていくたんびに、その笑顔が見えなくなっていくってなると、切なくて、すごいジレンマにかられてるのよ」
 
 りょう「そっかー」
 
 けん「でももう溜まるからさ今年の夏休みハワイ行ってくるんだよね」
 
 りょう「いいなー」
 
 けん「しかも俺の誕生日の日」
 
 りょう「そっかお前誕生日夏か」
 
 けん「そうそう、初夏の晴れた昼下がりね
 
 りょう「アンマーじゃないんだからさ」
 
 けん「母親の喜びようは大変だったと聴いています。」
 
 りょう「アンマーいいって、じゃあ誕生日祝いと、婚約祝いでなんか大きめのプレゼント買うか
 
 けん「まだ、プロポーズしてないからわかんないけどね」
 
 りょう「なんか、欲しいものない?」
 
 けん「んーーー、犬」
 
 りょう「こう言う時、あんま生き物言わないだろ
 
 けん「あんまー?」
 
 りょう「もういいって、言ってないから」
 
 けん「犬欲しいのよ、俺のアパートの家の前にさ、ペットショップがあって、付き合い始めた時に、二人で可愛いねって言ってた犬がいるんだけどさ」
 
 りょう「うん」
 
 けん「そいつ、一向に売れなくてさもう大っきくなっちゃったから買おうとする人も少なくて、だから犬なのに7万くらいなのよ」
 
 りょう「じゃあそいつプレゼントするよ」
 
 けん「え、でも全額キツくない?さすがそんな高いもん申し訳ないよ」
 
 りょう「俺には、7万のPayPayがあるから大丈夫」
 
 けん「あー、」
 
 りょう「ここぞと言う時あったな」
 
 けん「うん、ありがとう」
 
 りょう「名前は決めてんの?
 
 けん「んーあなたの1番好きな花の名前でもつけよつかな」
 
 りょう「だからもうアンマーやめろや」
 
 けん「俺の彼女の好きな花とかね」
 
 りょう「何が好きなの?
 
 けん「フウセンカズラ」
 
 りょう「名前がフウセンカズラ?」
 
 けん「そうなるね」
 
 りょう「やめとけ」
 
 けん「じゃー何にしよ
 
 りょう「アンマーとかは?」
 
 けん「もうそれいいって」
 
 りょう「お前だけはそれ言うなよ!」
 
 けん「そういえば、お礼にこれあげるよ」
 
 けんアップリケだらけのエプロンをだす
 
 りょう「なにこれ?」
 
 けん「エプロンでしょ」
 
 りょう「なんでこんなアップリケ付いてんの?」
 
 けん「母親の頑張りだよ」
 
 りょう「いらねーよ」
 
 りょうけんにエプロン返す」
 
 けん「母親の努力の結晶を雑に扱うなよ」
 
 りょう「そんなんなら自分で持っとけよ
 
 けん「はいはい、じゃあそろそろ彼女のバイト先行こうかな」
 
 りょう「PayPayが使えないね」
 
 けん「最近、PayPay導入されたよ?」
 
 りょう「そうなんだ、よかったね」
 
 けん「でも俺はもうPayPayは使わないけどね


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