演劇台本 四人 私の先生は、花束をもらえない。

よかったらみて、ダメ出しをたくさんしていただけると助かります。よろしくお願いします。


卒業式後、教室にいつまでも残ってる男女三人と先生

 先生「おい、お前ら早く帰れ」

 林「もーちょっとだけいさせてよ」

 前田「今ね、黒板に私たちの痕跡をのこしてるんです」

 先生「もーせっかく綺麗にしたんだから黒板に落書きすんなよ」

 佐藤「だってもう、高校の教室入るの今日でラストなんだよ?せめて痕跡だけでも」

 先生「わかったあと、15分だけな」

 佐藤「やったー」

 林「ねぇ先生、教卓の中に、茶色いチョークないですかね?」

 先生「ないよ、教卓の中全部綺麗にしたし、茶色いチョークなんてみたことないだろ」

 林「じゃあ赤でうんこ描こ」

 佐藤「おい林うんことかかくなよしょうもないな、私たちの世代が下品だと思われるでしょ」

 前田「うん、つぎこの教室使う人たちが先輩たちすごい!ってなる物描こうよ」

 林「例えば?」

 前田「なんか、流行ったキャラクターとかどう?」

 佐藤「確かに!いいかも、先生教卓の中にキャラクターいっぱい載ってる下敷きないですかね?鬼滅の」

 先生「だからないよ、鬼滅の下敷きなんてこの年で使わないでしょ」

 前田「えーじゃあ何書く?」

 佐藤「じゃあなんか、ぱっと見は右の方が大きく見えるけど、ちゃんと測ってみたら同じ大きさの絵は?」

 林「え?トリックアート?」

 佐藤「それだ!」

 先生「それだ!じゃないよ、あと15分でそんなのかけんのかよ」

 佐藤「まかせてください」

 先生「任せても何も、お前らが帰ったら黒板消すからな!」

 林「なんでですか!」

 先生「いや、なんでもだよ」

 林「そしたら俺らの痕跡無くなっちゃうじゃないですか!」

 先生「痕跡ってなによさっきから」

 林「俺たちがここにいたって事を残したいんですよ」

 先生「君たちがここにいたってことは俺の頭にずっとのこってるから」

 林「そういうんじゃないのよ」

 先生「なんなんだよ」

 林「えー痕跡ゼロかよー」

 佐藤「私たちは、他にも痕跡残してるからまぁいいけど」

 林「え?なに?」

 佐藤「自分の机に、今年の年と名前書いた」

 林「え、ずるーい」

 先生「おい、あれお前らだったのかよ!絶対後で消すからな!なんなら自分でけせ!」

 佐藤「先生ひどーい、よし今から消せないように彫刻刀で掘ろうよ」

 林「いいね!彫刻刀探しにいこ」

 先生「やめろよ絶対、もうお前ら卒業してるんだから、何かしらの罪にはなるぞ!多分」

 前田「二人で探してくれば?私トリックアート描いてるし」

 先生「探すな探すな」

 佐藤「あ、わかったすぐ戻る」

 先生「ちょっとおい!」

 佐藤、林はける


 前田「先生」

 先生「どーした?」

 前田「今から、林が佐藤に告白するんですよ」

 先生「え?」

 前田「なんか、さっき林に、佐藤に告白するから、二人きりになるように仕向けて欲しいって」

 先生「なるほどね、そんなこと俺に言っちゃって大丈夫なの?」

 前田「私が言ったこと、二人に言わないでくださいね」

 先生「言わないけどさ」

 前田「あと、先生」

 先生「どーした?」

 前田「先生、花束貰えないです。」

 先生「え?」

 前田「あの、一年間お世話になりました。の花束貰えないです。」

 先生「あ、そうなんだ」

 前田「先生は、誰に対しても優しくて、授業面白くて、受験の時は、いろいろ親切に教えてくれたりして、みんなに好かれてました。」

 先生「へー、うれしいでも花束は?」

 前田「貰えません。」

 先生「別にいいけどね、ほんとに、」

 前田「そうですか、ならよかったです。」

 先生「うん、」

 前田「二人が、出て行ったのも、先生に渡す花束を持ってきてるんじゃないか?みたいな期待をされないように、すぐ要件を言ったんです。」

 先生「あーだから、教えてくれたんだ」

 前田「はい」


 林、佐藤もどる

 林「彫刻刀なかったわー、ショックー俺痕跡残せないじゃーん、トリックアートは?かけた?何にもかけてないじゃーん、あ、待てよ?何にも書いてないように見えるトリックアート?」

 前田「いや」

 林「ずこー、何も書いてないのかよ!」

 先生「林振られたな」

 林「別に振られたとかないし、いやまじでてかなんでしってんだよ!

 先生「あ、だって花束持ってるし」

 佐藤「私が、告白される前に断った」

 前田「え、告白されるって気づいてたんだ」

 佐藤「だって、急にトイレ行くって言って、戻ってきたら花束持ってたんだもん」

 林「いや、だから花束はーあれだよ、あの先生にあげようとして」

 佐藤「だって、先生には、花束を渡さないって正式に決めたじゃん」

 林「あ、そうだった」

 先生「その話し合いなんなんだよ」 

 前田「いい加減認めたら?」

 林「確かに、告白しようとしたよ?!でもまだ告白する前だったから、振られたにカウントしないでしょ!?」

 佐藤「告白しようとはしたのね」

 林「うん、じゃあもうみんなで忘れよ」

 先生「忘れてやろう、あんまりにも可哀想だ」

 佐藤「はいはい忘れます」 

 前田「忘れるよ」

 林「絶対、後々いろんな人に言うじゃん」

 先生「じゃあ俺が、忘れる催眠術かけるから」

 林「そんなのできないでしょ」

 先生「1.2.3.はい!あなた達は全て忘れました」

 前田「ほんとだ!忘れた」

 佐藤「まじで告白されたこと忘れちゃったー」

 林「いや覚えてるじゃん、もー最悪だよ」

 先生「まぁ当たって砕けたんだから悔いはないだろ?」

 林「当たる前に振られたのよ」

 先生「そっか」

 林「そっか、じゃないですよ、もーこの花束使い道無くなったんであげます」

 先生「いらないよ、縁起悪い」

 林「そんなこと言わないでくださいよ」

 先生「だってあれだろ?正式に決まったんでしょ?花束を渡さないってだからいらないもん」

 佐藤「めっちゃ根に持ってるじゃん」

 先生「それは、根に持つでしょ!結構君たちに尽くしてきましたよ!?君たちに楽しんで授業受けてもらうために、家に帰ってからも授業準備したり、受験が近づいたら、自分の仕事の時間を削って、面接練習に付き合ったり、全員の誕生日とか覚えて、全員におめでとうっていったり!花束の一つくらいもらえたっていいだろ!」

 佐藤「ごめんて」

 先生「なんで正式に渡さないって決めたんだよ!」

 前田「だって先生、学校から花束もらってたじゃん、20年勤務で」

 先生「確かにもらったけど」

 林「家にそんないくつも花束いらないでしょ?」

 先生「そうだけど」

 林「だから、花束じゃなくて教卓に色紙入れといたんじゃないですか」

 先生「色紙?」

 前田「言わずにサプライズにしたかったんですけど、とおまわしに何度も教卓見せようとしたのに」

 先生「だからか!」

 佐藤「教卓見てみてください」

 先生「ほんとだ、色紙ある」

 佐藤「先生ほんとにありがとうございました。」

 前田、佐藤「ありがとうございました。」

 先生「いやいや、めっちゃ嬉しいよ?けど」

 林「けど?」

 先生「なんか、さっきのやつのせいで俺めっちゃダサいじゃん」

 佐藤「確かに」

 前田「そうですね」

 先生「みんな忘れよう、1.2.3.ハイ!」

 林「先生、無理があります」

 先生「お前だけはそんなこと言うなよ!」

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