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コス衣装製作思考メモ②

東京リベンジャーズ公式RETRO PATTERN SUIT衣装
佐野万次郎、花垣武道

過程ではなく思考です。

①既製品である、ジャケット以外のパーツ

全てAmazonで購入。
見つかりにくいものは、画像検索で探した。
サイズは厳密には考えない。
女性S M Lで定めて、基本的にはワンサイズ上で考える。
ゆとりが出てしまった分には、詰めれば良いが、足りない分を補うことはできないので(布を切って付け足しなど不可能ではないが、縫い合せが増えて見た目もシルエットも崩れるので、敢えてやろうとは思わない)、無理にジャストサイズを狙わず、衣装に体が入ることを第一にする。
日本女性の多くは洋梨体系なので、下半身のゆとりには特に注意した。
併せ相手の方から凡そのサイズ感を伺い、そこから推測して用意したが、結果としてかなりいい感じのジャスト感だったのでよかった。
武道の靴が普通の革靴より少し赤みが強いため、特殊デザインを扱う海外からの購入となり少し時間がかかった。
理想のデザインやディティールは海外発送の日数のかかるものが多いため、1ヵ月前程度から用意を始めると良い。

既製品の中で、1番苦労したのは、佐野万次郎のループタイ。
紐の先にある金のパーツが、本来であれば紐の先端のほつれを止める筒の片側がふさがっているものだが、イラストはなぜか紐の途中にあり、手芸店で店員さんにイラストの画像を見てもらったが、このようなパーツはないとのことだった。
日暮里のトマトのノーション館で偶然筒状に抜けている金色のパーツを見つけた。
ループタイを色々調べたが、紐の途中に金具があるようなデザインは見つからなかったので、デザイナーが適当に描いてしまったと想像。そういう現実に微妙に存在しないものが一番悩まされる。

②ジャケット、生地の制作、柄について

今回使用の生地印刷所はオリキジ様。
柄は併せ相手の方にイラレで作成してもらった。
オリキジ様の特定のデータ指定はなく、クリスタでも作れるので、クリスタで地道に作るつもりだった。
なので、併せ相手の方がイラレ使いと知って、たった数時間でイラストそのまんまのデータ仕上げられて驚いた。
今回は総柄でオリキジ様から1リピート分のデータで良いとのことだったが、柄の向きなどの印刷ミスを防ぐためにも、必要な生地幅ぴったりのサイズデータを用意すると間違いない。

ジャケット型紙はでぃあこす様。
佐野万次郎はテーラードカラージャケット2
花垣武道はショールカラージャケット
どちらも女性M
でぃあこす様は本当にありがたいことに、縦幅に対する必要生地量まで出してくださっている。そこからゆとりを見て、オリキジ様の縦幅100㎝から250㎝で注文。
結果的に問題無く足りたので難を逃れたが、柄ものなどで、生地の切り出し方に制限がある場合は、パーツとパーツの間を詰めて切り出すことができないので、その分のゆとりも考慮する。

厳密な柄あわせをし始めると混乱しそうなのでそこは考慮しなかった。
柄の向きだけ注意した。
イラストはかなり細身なシルエットなので、ダーツを入れるか悩んだが、柄がズレるのでダーツはあえて省略した。入れても良かったのかなと後から思う。
同じ女性Mなのにどうしてこうも差が出たのかはわからないが、武道は問題なく着れるサイズだったにもかかわらず、万次郎は肩周りが異様にキツかったので、メンズS辺りで作り直すか考えている。

両方のキャラに共通した失敗は、袖ぐりのいせ込み。
以前にも、別のキャラの衣装でやったことはあって、その時は大きな違和感は感じなかったが、今回は異様に飛び出して浮いていた。
今回も、失敗しないように解説を見ながら、ギャザーを寄せて慎重に縫ったはずなのに、上手くいかなかった。
独学では厳しい部分なのかもしれない。
洋裁教室などで有識者から学びたい。
ジャケットのポケットは、ここに手を入れるポージングをすることは無さそうだったため、フラップを取り付けるのみにした。
ボタンは2人共通にし、個人的な好みで、合皮メタリックゴールドのくるみボタンを使用。ジャケットのボタンサイズの一般的な定義に合わせて、前を閉じるボタンを20㎜、武道の袖のボタンを14㎜にした。

③万次郎のジャケット

万次郎は襟が失敗した。上側の襟が、接着芯を貼る際などに縮んだのか、かなり短くなってしまった。
シャツなどでもなぜか以前から襟が、型紙にある縫い合わせ位置に届かなくなることがよくある。
調べて正確な襟付けができるようにする。

縁取りのバイアスも失敗。
縁取り自体ほんの数回、しかも小物だけで確か服ではやったことがなく、汚くなってしまった。
ネットの解説を見ながらやったものの、角やカーブといった、直線以外の部分が上手く理解できない。
便利に思えて、両面テープが付いているバイアステープを購入してみたが、よく説明を見ると、貼り合わせた後に縫い合わせることが書かれていたので、仮止めの為の両面テープだったのかもしれない。
粘着がかなり弱く、自前の布用両面テープを上から貼ることとなった。
見なかったことにしたが、裏地の縫い合わせもおかしく、捻り曲がっていた。

④武道のジャケット

こちらは特に大きな支障はなかった。
寧ろ想定よりも問題なく作成できた。
裏地の指定の無い型紙で、柄生地が薄すぎることから、裏地を独自に作成しようかと思ったが、余計なことをして失敗することを恐れて断念した。

サイドラインは袖と身頃それぞれに分けて縫い付けた上で噛み合わせた。

併せ相手の方に着て頂くもので、実際に着たサイズ感を確認することができなかったので、袖は現地で強力な両面テープで折り込んで袖丈を調整してもらった。
個人的には、公式イラストの通り、袖口から下のドレスシャツの白を少し出すことによって、バイカラー的な切り返しのデザインと、袖周りをすっきり見せられるので、下のドレスシャツが少し見える程度の袖丈ということがポイントだった。

余談だが、レトロ武道はズボンも、敢えて少し下の靴下の黒が出るように描かれており、これもファッションデザインとして非常に重要だったため、ズボンも現地で折り込んで丈を調整してもらった。

ドレスシャツが、私自身着慣れないもので知識が浅く、あの小さな襟とネクタイをどう上手く噛み合わせるのかわからなかったが、両面テープで固定すれば十分に思う。

ジャケットで今回型紙を調整したのは武道の襟のみ。内側の身頃と縫い合わせる部分を変えてしまうと、縫い合わせがずれて大変なことになるが、特に他に影響しない外側のシルエットラインのみで済みそうだったので、形をイラスト通りに整えた。

⑤余談:小道具

今回は撮影メインではないイベント出しだったため、あまり複雑には作り込まず、レトロスーツデザインに馴染んで、かつ被写体の存在感を潰さない程度の存在感で、手軽に華やかさを出すことを重視した。

わかりやすく、それぞれのキャラクターカラー(万次郎:赤、武道:緑)で作成した。
花束、モール、パールチェーンを用意。
モール:ダイソーで買っただけ
パールチェーン:ダイソーの、パールのスマホストラップを複数個ただ連結させた

万次郎イメージブーケ
武道イメージブーケ

花束:今の百均の造花はバリエーションが凄まじく、3店舗ほどの巡回で、単純に一つのカラーで探しても、ほぼ同じ造花を足さなくても十分な量の種類がある。

花言葉まで追求すると制約が大きすぎるので止めた。
武道の四葉だけ、偶然ダイソーにあったため取り入れたくらい。

単調さを無くして華やかさを出すなら、サイズでランダム感を出す。
持ち手のレースも同じ考えで組んだが、大中小の三サイズをベースに、あとは細かい植物を加えると、情報の複雑化が綺麗にできて良い。

持ち手のレースは、大中小に加え、それぞれの素材も薄→濃のグラデーションになるように変えた。
大→透け感のあるチュールレース
中→複雑性のあるケミカルレース
小→普通のサテンリボンだが、偶然店舗で見かけた、ラメ入りにしてワンポイント華やかさをプラス

わかりやすい対のイメージとして、万次郎→黒(闇)、武道→白(光)とした。
縛り方は、私自身デザイン性のある縛り方の知識がなかったため、単純に3〜4分割して結びつけた。
レースリボン類はしっかりデザイン性を整えたかったので、百均ではなく手芸店で購入。

以上です。

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