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三兵と推進波

日本古来の罫線の中でも最も古典的である坂田五法の三兵、西洋由来のチャート分析方法であるエリオット波動理論における推進波。同じ相場変動に対して違った視点で捉えられているにも関わらず、同じような結論に達しており、ほんと良く出来てるなあと思った話。
※以下はチャートを眺めながら感じた個人の感想です

そもそも何のことを言ってるの?

それぞれの簡単な説明は以下のようになっている。

坂田五法における三兵とは

ローソク足において連続する3本の陽線、または陰線のことを三兵という。
その中でも陽線で構成されるものは赤三兵、陰線で構成されるものは黒三兵と呼び分けられている。いずれにしても強いトレンドを示す兆候と捉えることが多い。

赤三兵と黒三兵の基本形

波動論における推進波とは

チャートの波動において、進んで戻って進んで戻って進むでワンセットになっている5波動構成の波。進んでの部分は再帰的に推進波。
インパルスダイアゴナルの二種類存在する。一見分かりづらいけど、4波動目が1波動目の終点を割る変わらないかが大きな差である。
推進波が始まれば今後強いトレンドが意識される。

インパルスとダイアゴナル

三兵と推進波

時間足、日足、週足を問わず、三兵が決まった時には強いトレンドだから買いという話もあるが必ずしもそうではない。

米20年債、三兵の出現とその進軍模様

ここを野営地とする

最初の三兵の進軍先のポイントは重要な価格になりやすい傾向がある。
強い推進波の場合はそのポイントをほぼ割らずに進軍が行われている様子が見える。より重要なポイントでは陣地防衛戦ならぬもみ合いも繰り広げられている。

転換点、ザ・ラスト三兵

トレンドの最終局面でも推進波的な動きで締めくくられることが多い。チャートの最初の三兵は当面の底に陣取ったやつらであるが、反転攻勢にあって敗退を余儀なくされた。波動論的には5波動目の部分になる。

転換点、不屈の三兵

トレンド転換の最初は推進波で始まる。ただ、反転した直後に観察していたら、もみ合いしているだけにも見えて判断しづらいかもしれない。
より強い推進波の場合は三兵を増強しながら進行していく。
最初の進軍がすぐに躓くことがあるが、その後は強いトレンドが形成されることもある(リーディングダイアゴナル)。

転換点、強行軍の行く末に

兵站を無視した戦線拡大は戦争の失敗の原因によく上げられるものである。どこをとっても三兵ばかりでイケイケドンドンな状態から、突然戦線崩壊して大幅に後退を強いられることもある。そのきっかけが何なのかが永遠の謎になりうる。

木を見て森を見ず

推進波が出ているからと言って必ずしもトレンド確定をいうわけではない。波動論の中でも大きな修正波の中に小さな推進波部分が含まれていたりするし、そこを誤解して大失敗をしてしまうことも稀によくある(自戒)。

売り買いは三日待て

急落は三日待てとか派生はあるけれど、他にも三空踏み上げや叩き込み、相場格言の天井三日、底三年など、三にまつわる言葉は結構多い。これらは、待ったら売買してよいということではなく、待ったらひとまずその波動を見極めよということであり、迷わず売買しろということではないと思っている。理論上は、推進波の後に修正波は必ずやってくる。


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