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マスターデュエル:【パラディオンシャドール】:「混ぜ物」デッキの作り方実例解説

この記事は表題の通り、「混ぜ物」デッキの作り方を解説していきます。自分でデッキを改造したいけど方法がわからない、テーマデッキを強化したいけど何を組み合わせればいいかわからない、といった方の助けになれば幸いです。
なお、表題のパラディオンシャドールは現状「プラチナ1で勝率40%程度」でこの後チューンを繰り返して50%に行くかどうかというラインです。そこまで強くもありませんが、オリジナルとしてはそこまで悪くもない仕上がりではないでしょうか。

パラディオんシャドール

(現行のリストで未だ調整の途上。ここに至るまでを解説していきます)

(画像はDeckmaker様のものを引用、デッキリスト・ヘッド画像はマスターデュエルの画像を引用しております)

さて、本記事の構成は以下の通りです。

・導入:混ぜ物デッキとは何か

・実例解説:【シャドール】の骨組みと弱点

・実例解説:【パラディオン】の強みと混ぜ方

・実例解説:テスト後:発見された弱点と対策

・実例解説:出張パーツの検討:【捕食植物】セット

・実例解説:出張パーツの検討:【隣の芝刈り】ギミック

・実例解説:改良後デッキと今後の展望

・おわりに

・付録:混ぜ物デッキの作り方おさらい

導入:混ぜ物デッキとは何か

混ぜ物デッキとは複数のテーマデッキを混ぜ合わせたデッキのことです。【十二鉄獣】や【SRWW】などがあげられるでしょう。筆者が普段ランクマで使っているのも【召喚ドラグマシャドール】でこちらは3種の混ぜ物デッキになります。
さて、こういった混ぜ物デッキですが当然ながら自作することもできます。とはいえ、全くかみ合わないテーマを噛み合わせるとうまく回りませんし、好きなテーマであっても負けが込むと楽しくないものです。
そこで、今回は実例を交えて「混ぜ物」のやり方、考え方を解説していきます。今回は自作の【パラディオンシャドール】、シャドールにパラディオンを混ぜた混ぜ物デッキを解説していきます。(筆者が調べた限り、他に同デッキ作っている人は見つかりませんでした......)
例自体はシャドールではあるものの、何を「混ぜ物」として選定するかから始まり、一連の流れはどのデッキをベースとする場合にも使えると思いますので、参考になれば幸いです。

アークロードパラディオン

・実例解説:【シャドール】の骨組みと弱点

今回は筆者好きなシャドールをベースに混ぜ物を考えていきます。そもそもランクマッチでもシャドールベースの混ぜ物【ドラグマ召喚シャドール】を用いておりますが、今回は改めて別の混ぜ物を検討していこうと思います。
さて、まずは何を混ぜるかを検討する前に【シャドール】デッキを骨格のみにしていきます。どういうことかというと汎用カードや手札誘発、他の出張セットなどを外し「シャドールの弱点」を浮き彫りにするために中核の部分のみを抜き出していきます。普段使っているデッキならば、そこまで困難な作業ではないと思います。さて、下記が骨格を抜き出したシャドールです。

シャドール(骨組)

これが抜き出したシャドールのベース部分です。「グラビティコントローラー」「ヴェルデアナコンダ」などはシャドールのカードではありませんが展開に必要なカードなので入れています。一方で、筆者のデッキでは「アクセスコードトーカー」も採用していますが、あくまでこういったカードはフィニッシュ力強化のための汎用なので抜き出していません。

さて、まずはここで「欠点の洗い出し」をしていきます。基本的にはその部分をフォローする混ぜ物を探すことになります。なお、混ぜ物を探す際はまずは欠点ベースで考えるといいでしょう。利点の部分は、そもそも元のテーマで足りている部分ということもできます。
骨格部のシャドールの場合、欠点は以下のような感じかとなります。

1:初動が融合カード+シャドールモンスター+融合素材の3枚で安定しない
2:光属性モンスターの供給が不足しており、「ネフィリム」の融合がしづらい
3:デッキに眠っていた方が都合のいいピン刺しのカードが多い
4:リンク素材としてシャドール融合モンスターを墓地に送ることが多いが、強力なリンクにつなげる展開がない
5:盤面制圧が「ミドラーシュ」だよりで展開後の制圧力が弱い
6:火力が不足しており、8000を削り切る手段に乏しい

以上のような感じかと思います。2の光属性モンスターのような欠点は大抵のシャドールデッキで他のカードの採用バランスで解消できていますが、こういった混ぜ物選定の際はそのような弱点も見落とさないようにしましょう。好きなテーマに対して心苦しいかもしれませんが、弱点探しはしっかりしていった方がいい結果につながるでしょう。

さて、これらの欠点を補える相方を探すことになります。この際に、もう二つ、重要な点をピックアップする必要があります。以下の二点がデッキの特徴としてどうなっているか書き出しておきましょう。

A:通常召喚権は必要ない
B:EXデッキは7枚使用

このA:通常召喚権の必要性とB:EXデッキの枚数はどの混ぜ物を選ぶかの際に必須です。忘れず書き出しておきましょう。

これを踏まえて混ぜ物を選びます。ここからはどうしても知識の問題になりますが、基本的には2の光属性のような属性・種族の絞り、4のリンクデッキを用いたいなどの事情、A・Bの召喚権、EXデッキの兼ね合いから探していくことになります。
すべての欠点を補えるテーマは概ね存在しないと思うのである程度欠点が補えるテーマならそれで充分ですが、A・Bについては満たしていないと非常に混合が難しいです(特に通常召喚権の喧嘩は深刻です)
筆者はこれらを踏まえて【パラディオン】を選びました。詳細については次項で解説します。


・実例解説:【パラディオン】の強みと混ぜ方


では前項であげた欠点、ABとの対応を見ていきましょう

1:△(初動):パラディオンモンスター+特殊召喚できるカード(パラディオンモンスターも可)の2枚で始動
2:〇(光属性):マギアス・パラディオンの存在から全モンスターを光属性に変換できる。メインデッキに入る光属性のパラディオンも存在する
3:×(ピン刺し):ピン刺しでデッキに入っていてほしいカードがこのデッキにもある
4:〇(リンク活用):パラディオンはリンクテーマなのでリンク素材として活用できる。リンク数が多ければ、リンク3のアークロードパラディオン経由でパラディオンを引けていなくてもパラディオンカードにアクセスできる
5:△(先手妨害):アークロードパラディオン+クルセイドパラディオン(魔境)での2妨害が増やせる可能性あり
6:〇(火力):アークロードパラディオンを活用することで高打点をだせ後攻ワンキルも狙える。シャドールークで殴れない融合モンスターの攻撃力も間接的に活用できる

A:通常召喚権は必要
B:EXデッキは最低3枚(マギアス、レグレクス、アークロード)

全部の課題が解決しているわけではありませんが、それなりに相性のいいテーマであることがわかります。
ここまで整理できたら、いちどこの2テーマでデッキを組みます。なお、たたき台というか「弱点を探す」ための仮デッキなのでこの時点では「とりあえず両テーマで必要な部分を突っ込んだ」程度で十分かと思います。
なお、この時点では芝刈りなどは採用せず40-45枚程度のデッキに抑えるとよいでしょう。まずは動きとかみ合い方を実地で試してみるのが先決です。
下記が当初使っていたデッキです。あまりにも粗が多いですが、最初はこの程度で十分だと思います。

たたき台パラディオンシャドール

ここまで出来たらいざランクマッチへ(無論ルームマッチでも構いません)。多少負けが込むと思いますが、ここで大事なのは弱点や不足点を探すことです。臆せず回してみましょう。

・実例解説:テスト後:発見された弱点と対策

さて、私がこのデッキを回した結果重く感じた難点は以下の部分です

1:パラディオンモンスター+シャドールモンスターで何も起こらないというケースが多く、カバーできなかった初動の不安定さが課題として重い
3:デッキに残ってほしいピン刺しのカードを引くケースが頻発する

また、今まで上げていなかった以下の課題が生じてきました。

X(追加課題):中速デッキとのリソース勝負に結構負ける:パラディオンもシャドールデッキ・EXデッキのリソースを削りやすく意外と長期戦が苦手

これらを受けてデッキを整えていきます。対応方法としては、出張パーツや汎用パーツを採用し、弱点を埋めていくことになります。
宣伝もかねて下記に筆者の出張パーツ紹介(対手札誘発が主)を置いておきます。とはいえ、まだまだ出張パーツは世の中にあるので、各自ネットなどで調べながら必要なものを採用していきましょう。

https://note.com/nice_macaw631/n/n25f0b59ac93a

これからは実際に採用した補強パーツを紹介していきます。

・実例解説:出張パーツの検討:【捕食植物】セット

捕食植物

こちらは課題1:初動の不安定さ、を提言するための出張セットとなります。
ローンファイアブロッサムからオフリス・スコーピオ、手札を捨ててダーリングコブラとつなぐことでモンスター2体+融合(フュージョン)カードがそろいます。
クロシープ+簡易融合もあるので、ここからスポーアを交えてパラディオン展開につなげます。なお、筆者は後々欲張って「アーティファクト・ダグザ」を採用し光属性+シャドール融合カードも用意できるようにしました。

このギミックによって手札1枚から「パラディオン展開」「融合+光属性」の2種を用意できるようになり初動の安定度が向上しました。
なお、弱点3:デッキに残ってほしいカードを引くケースが頻発する、はスポーアが増えたため悪化しています(簡易融合は引いても使いやすいです)。

このようにパーツを採用すればそれぞれ利点と欠点が発生します。いろいろ試行錯誤しながら、デッキを補強していきましょう。

・実例解説:出張パーツの検討:【隣の芝刈り】ギミック

芝刈り

強欲で貪欲

「隣の芝刈り」と「強欲で貪欲な壺」を3枚づつ積んでデッキを60枚にする。以上です。
......というくらい簡単なギミックです。課題3:デッキに残ってほしいカードを引くケースが頻発するを解決する方法は基本的にはデッキ枚数を増やすしかなく、それをプラスに転化できるのがこのギミックとなります。
合わせて、「X(追加課題):中速デッキとのリソース勝負に結構負ける」もリソースが増えるため大分緩和されます。
どちらのカードもピン刺ししたカードを吹き飛ばしてしまうリスクはあるものの、通った際のリターンが大きいのでそこまで強くは気にならないでしょう。
「隣の芝刈り」は単体ではアドバンテージを稼げないため「シャドール」のように墓地利用のリターンがあるテーマが絡んでいないと難しいですが、デッキの強化としては検討に上りやすく便利なギミックです。

・実例解説:改良後デッキと今後の展望

パラディオんシャドール

さて、改めてパラディオンシャドールを張っておきます。これが、現状の筆者の作成したリストとなっています。
ここからは今までのサイクルの繰り返し、デッキを回して欠点を探し、それをつぶすカードを探していくことになるでしょう。
このデッキも大きな課題は潰し込めてきましたが、後手の勝率の低さや筆者がパラディオン関連の展開ルート・勝ちパターンを把握しきれていないことが足を引っ張っており勝率はプラチナ1帯で4割程度が現状です。これからも各課題への微調整・対応は続けていきます。
例えば、後手が弱い原因はの一つは手札誘発が9枚、40枚デッキでの6枚相当なのにかかわらず後手まくり札が少ないことでしょう。スペースを開けて誘発を積む、怪獣を入れる、超融合を増やすなどアプローチはいろいろ考えられます。

こうしてオリジナルデッキを作るのは楽しいものです。普段メインデッキとしている【召喚ドラグマシャドール】より勝率は出ておらず、おそらくチューンが進んでも勝率5割がやっとでしょう。とはいえ、回った際の盤面の強固さ、引き込んでいない他テーマ(パラディオン)にアクセスできるなど、独自の強みもあるため単なる劣化でもなくできたと思っています。

おわりに

今回はシャドールを例示としましたが、どのテーマでも基本的な考え方は同じかと思います。1からオリジナルデッキを組み上げるのは大変ですが、こうして何かのテーマに他のテーマを混ぜるのは「欠点を埋める」ことで指針が立ちやすく、やりやすくて楽しい取り組みではないでしょうか。
この記事が「自作デッキ」を作ることにあこがれているものの方法がわからない、そういった人の助けになれれば幸いです。
それではよいマスターデュエルライフを。

・付録:混ぜ物デッキの作り方おさらい

・「混ぜられる側」デッキの欠点を洗い出す

・通常召喚権とEXデッキの余裕を確認する

・上二つを満たすテーマを一つ探す

・ざっくり2テーマ混合デッキを作ってみて、トライ

・足りない部分は出張パーツや汎用パーツで補強。以後トライ&エラー

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