胃カメラをうけるときには

胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)を検診で定期的に行っている。
自分は一応、内視鏡専門医を持っている。
いろいろな方がいるが、胃カメラを受けるのが上手な方と下手な方に分けられる。
上手なほうが、こちらもストレスなく検査できて、見逃しが少ない質の高い検査ができると思っている。
では「胃カメラを受けるのが上手」とはどのようなことか。

  1. 嘔吐反射が少ない

  2. 唾を飲み込まない

  3. ゲップを我慢できる

まず、「嘔吐反射が少ない」。
嘔吐反射とは、食べ物以外のものを喉の奥に入れたときに「オエッ」となる反応のことだ。
ある程度は人間の正常な反応なので仕方ないが、これが過剰な方がいる。
はじめに喉の奥にいれるときに反射がでるのはわかるが、食道や胃に入ったあともえずき続ける方がいて、かなり辛そうである。
検査する方としては、嘔吐反射が起こると粘膜が激しく動いてしまい、ちゃんと観察することが難しくなる。
ポイントは、身体の力を抜いてリラックスして、意識を喉に集中させないことだ。
それでも難しければ、鎮静(眠くなる注射)をして受けた方がよい。

次に、「唾を飲み込まない」。
検査前に喉の麻酔をしているため、誤って気管の方に入ってしまう危険性が高まる。
検査する方からすると、唾を飲み込まれると結構ストレスになる。
粘膜を観察する際には粘膜が汚れていたらよく見えないため、水で汚れを落としてから観察する。
唾を飲み込むと、せっかくきれいにした粘膜に唾がついてよく見えなくなるなるため、洗浄のやり直しになる。
余計な時間がかかってしまうので、唾は口の端からダラダラ垂れ流すようにしてほしい。

最後は、「ゲップを我慢できる」。
胃を観察するときには、内視鏡の先端から空気を出して胃を膨らませる必要がある。
胃はひだがたくさんあるので、ひだの間に隠れた病気を見逃さないようにするためである。
胃に空気を溜めると圧迫感がでてきてゲップしたくなるが、これを我慢することで、検査時間の短縮と見逃しの少ない検査が可能になる。
食道と胃のつなぎめがゆるい方もいて、その場合はゲップが我慢できないことが多い。

うまく受けることができると受ける側も検査側も楽になるので、ぜひ知っておいてもらいたいと思う。

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