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医薬品等の副作用報告制度

最近の話題

某製薬会社の機能性表示食品の問題を契機に、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「薬機法」と言う。)」下での医薬品などの副作用報告制度に関心が高まっているかと思いますので、ご参考まで

薬機法の構造

薬機法の構造はちょっと難しいので、少し解説いたします。製造販売後(以下「市販後」と言う。)の製薬企業等の副作用等報告の期限は、薬機法施行規則第228条の20に書かれています(表1、表2、表3参照)。施行規則第228条の20は薬機法第68条の10第1項に元づいているので、報告期限に間に合わなければ、法違反となる構造になっています。(「使用上の注意」とは添付文書に書かれている注意事項になります。)

表1:副作用報告(製造販売後) 注:-報告対象外
表2:感染症報告 注:-報告対象外
表3:外国での措置報告

死亡症例は⁈

死亡症例は製薬企業等が情報を入手したら15日以内に当局(独立行政法人医薬品医療機器総合機構:PMDA)に報告しないと法違反になりますし、使用上の注意から予測できないものは、受け取った時点で速やかにPMDAにFAX等で報告する必要があります。なお、欧米でも、若干の取り扱い上の違いはあるものの、ほぼ同様です。

口から接種するものの法的な解釈

人が口から接種するものの法規制を見ていきましょう。
食品衛生法第4条に「この法律で食品とは、全ての飲食物をいう。ただし、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に規定する医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品は、これを含まない。」とあり、口から接種するものを「企業が」提供する場合は、食品衛生法又は薬機法の何れかの網にかかる仕組みになっています。
また、食品衛生法第1条に「この法律は、食品の安全性の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講ずることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もつて国民の健康の保護を図ることを目的とする。」と食品衛生法の目的は食の安全を求めるものなっていますね。

安全管理責任者

話は薬機法に戻りますが、医薬品などの安全管理は薬機法第12条の2に製造販売業の許可要件に製造販売後安全管理の基準が書かれており、また、薬機法第17条に薬剤師等の有資格者の規定があり、これに基づいて、「医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準に関する省令(GVP省令)」の第4条に3年以上の実務経験を持つ人に安全管理統括部門の責任者として「安全管理責任者」が位置付けられています。要は、製薬企業などの「安全管理責任者」はGVP省令の法令を熟知していなければいけない訳ですね。

最後に

食品衛生法には薬機法のような厳しい制度はありませんが、「…製薬」には「安全管理統括部門」があり「安全管理責任者」がいる訳なので、死亡例なので、今後の動向が知りたいですね。

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