詩 太陽が眠るところ

西日のまぶしい
浜辺に座って
缶ビールとつまみをあけた
不意の風に舞い上がる用なしのレジ袋
砂に足をとられながら
追うこともせず眺める
からめとられた波の舌先
色だけ似せた空っぽのおごり
太陽が眠るところと呼ばれる島に運ばれて
少年に拾われた
これは何をするものなの?
物を運ぶための袋だよ
何から作るの?
石油からね
それはどこにあるの?
地面の下から染み出すの
水みたいだね
赤黒い粘り気のあるね
それがどうしてこれに?」
どうしてだろうね
自分で作ったことないの?
ないね
「なあんだ じゃ さよなら」
くるりと背を向けた
小さな逆光の影
せり上がる巨大な海に没して
最後の陽のかけらが
目の奥でかっと燃え上がった

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