詩 私を休みたいとき

私を休みたいとき
服を脱ぐように肉体を脱ぎ捨てて
旅に出る
黙って人の胸の隅を間借りして
今日はうらやましい人の
今日は憎らしい人の
今日は寂しそうな人の
その人が遠目に眺める
私は抜け殻
本物はここにいるよと
鼓膜を内側からノックして
はっとその人の視線がそれたら
それが旅を終えるとき

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