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世界一詳しい土浦一高解説(勉強編)


 この記事は土浦一高を志望している中学生やその保護者の方へのものになります。入学のための学力や大学への進学実績、行事などの情報はインターネット上や学校説明会などで知ることができますが、本来最も重要なはずの学校生活についての情報は不足しています。この記事では、そういった生徒自身しか知り得ないような情報や所々竹園高校との比較を自由に書いていきます。

テストの種類と特徴

 中学校の時と同じで、学校の先生が作るテストと進研ゼミや河合塾が作るテストの2種類があります。それぞれの違いをまとめると下のようになります。
 先生が作るテスト
 •平日に2〜4教科ずつ3日程度で実施
 •ほぼ毎月実施される
 •終了が12時前後、遅くとも普段よりは早い
 •各教科ごとに順次返却され(だいたい1週間以内には返される)、全部返された後個表が返却されて順位や偏差値が分かる。
 •定期考査と実力考査の2つがあるが、そこまで差はない。定期考査の方が範囲が短く、課題が出されることが多い。
 進研ゼミや河合塾が作るテスト
 •土曜日及び教科数が増える2年の秋以降は金曜日の放課後に理社のいずれかの2教科(物理と化学、日本史と地理など)を実施
 •終了が普段の授業より遅いことが多い
 •返却は1ヶ月後くらいだが、インターネットで早めに見ることができる。マナビジョンのパスワードが書かれた紙はなくさないようにし、河合塾の模試の時には電話番号を書き漏らさないこと。

 ちなみに先生が作る方のテストの平均点は、半分くらいが多いです。数学では3割になることもよくあります。100点満点のテストなのに、12点が平均のこともありました。私は28点をとって30位ほどでした。こんな状態なので、赤点(平均点の半分以下)を取る人もたくさんいます。点数が悪くて留年になった人は聞いたことがないので、そのような心配はしなくていいです。落ち込んでも不登校にならないことが大切です。


課題

 各教科のワークやサイドリーダーのレポートを書かされ、主に当該教科のテストの日が提出日です。国語や社会のテスト前の課題は前日で終わらせられるほどの量で大したことがありませんが、数学の4stepや英語のサイドリーダーの量は凄まじいです。土浦一高では1•2年時に国数英、3年次に理社を固める方針なので、3年になるとそれらの課題は落ち着き、理科や社会の課題が多くなります。前述したようにほぼ毎月考査があるため、内職や答え写しをせずに真面目に終わらそうと思うと、テストが終わった直後から進める必要があります。
 また、量は少ないですが、美術や情報の課題もあります。絵を描いたり、情報リテラシーについてまとめたレポートを書いたりする課題です。2年次からは座学がメインなので実技教科の課題はなくなります。
※国語の課題は後述

4stepとサイドリーダー

 英単語帳や問題集は学年ごとに違うことがよくありますが、4stepは毎年使います。おそらく、これから入学する人も使うことになるでしょう。量がかなり多いのと解答に答えしか載っていないのが難点です。国公立大学の2次試験や校内のテストでは数学の解答を解法を含めて書く必要があります。記述方法を知るためにも解き方を載せてくれていると便利なのですが、ありません。しかし、解答を記した本は存在し(他の学校で扱う数学の問題集も解答冊子が存在しても配られることはほとんどない)、それが学校の先生を通してしか入手できない仕組みになっているため、欲しいならインターネット上で転売屋が不当に高い価格をつけたものを買うことになり、定価の8倍くらいで買わされます。買わない人も半分くらいはいますが、問題を解くときに記述方法を習得した方が効率的なので、買うことをおすすめします。また、量が多く、様々なタイプの問題に対応でき慣れられるという意味ではいいですが、量が多すぎて数学が苦手な人は特に他のことをする時間がなくなるという欠点もあります。土浦一高では全て解くことになっていますが、竹園高校では印のついた問題だけ解くことになっているみたいです。少し論点はずれますが、竹園高校の方が課題の量や考査の数は少ないです。東大や京大志望の人でないなら、竹園高校に行くのも全然ありだと思います。
 サイドリーダーは英語の読み物です。普段の授業では扱われず、各自で考査までに読み終えておくものになります。土浦一高生が英語力が高い理由(土浦一高生は毎年英語が得意な傾向がある。進研模試や河合塾の模試で英語と数学が全国偏差値で同じでも校内順位が英語の方が下になる。)の一つでもあります。合格した後に入学説明会があり、そのときにサイドリーダーを渡されるのですが、英語が得意な人以外は理解するために2周以上する必要があるので、早めに読んでおきましょう。私の代では最初の読み物が宝島を簡単な英語に書き直したもので、その後の読み物はマーティン・ルーサー・キングの伝記や天国の5人などでした。サイドリーダーは3年の最後まで出るわけではなく、3年の夏休み前には終わります。

教科ごと(授業・予習・テスト)

英語

 1年次の最初から3年次の最後の授業まで、テスト返しや共通テストの演習を除いては予習が必須です。私の場合、予習時間は1時間くらいでした。教科書の予習用のプリントが配られてそれを問いたり、教科書の中の問題を解いたりします。授業と授業の間に急いで予習を終わらせたり、やらなかったりする人もいます。やらないで怒られることはそんなにないでしょうが(あるにはある)、身につけるためにも指名されたときに間違えて恥ずかしい思いをしないためにも前日に終わらせた方がいいと思います。
 表現英語とコミュニケーション英語の2種類があり、異なる先生が担当します。表現英語では1年次は文法、2年次からは教科書を使って表現を学び、3年次には受験用問題集を解くといった流れです。コミュニケーション英語では3年間を通じて基本的に教科書の内容を扱います。読解が中心となるのが表現英語との違いです。また、コミュニケーション英語では英語が母語の先生と交流する授業もあります。
 文法は1年生のうちに全て終わり、あとは文構造が複雑になるだけです。単語帳は1年生のうちに1冊終わらせますが、大学受験をする上では足りず、もう1冊レベルの高い単語を載せた単語帳を仕上げる必要があります。1年次で単語帳を1冊終わらせておくと受験用単語帳を始める時期が早くなって有利です。学年によっては、学校の方で2冊目の単語帳が配られることもあります。
 リスニングは土曜講座や3年の課外でおこないますが、基本的には各自で進めるという感じです。教科書や問題集、サイドリーダーには音声がついています。スピーキングは主にコミュニケーション英語の片方で鍛えることになります。プレゼンやディベートをする授業があります。ディベートの授業では反対と賛成に分かれて、宇宙人はいるのかとか代替医療を受けるべきかなどでした。こちらも大学入試で使う人は少ないと思いますが、基本的に自分でするものです。
 小テストがあり、1年次は単語、2年次は構文、3年次(夏休み前まで)は文法と語法をやりました。単語テストは文章で出題され、該当の単語だけではなく、例文を覚える必要があります(その単語だけを覚えていれば解けるような問題は出題されない)。
 テストでは教科書やサイドリーダー、小テストで扱った内容が出ますが、教科書や小テストの問題がそのまま出題されることはほとんどありません。本物の英語力をつけておく必要があります。また、量が多く、大半の人は時間内に全ての問題を終えることはできません。学年が上がるにつれて初見の英文が問題に占める割合が高くなります。

数学

 数学にはⅠ、Ⅱなどの科目とA、Bなどの科目があり、別々の先生が担当し、並行して進めます。学年によりますが、竹園高校では独立して進めることが多いようです。
 数学も予習をすることになっていますが、そこまで予習をする人は多くなかったです。授業中にいきなり指名されることは稀で、その代わりに次の授業までに担当する問題を割り振られて授業前に黒板に書きます。前の授業で扱った問題をさせる先生もいれば、次の授業で扱う問題を予習してやらせる先生もいました。
 進度は早く、3年生の夏休みまでに全ての範囲が終わり、夏休み期間に受験対策をしっかりできます。竹園高校は夏休み後に終わるのでそこが違いです。文系に進む予定の人も途中までは教養として数学Ⅲをやることになります。ⅠAⅡBが終わった後は演習に入り、Ⅲも終わり次第演習に入ります。形式としては、先ほどのようにあらかじめ指名された人が授業前に黒板に書いてそれを先生が解説するという感じです。
 テストは3枚の紙で構成されており、最後の方にいくにつれて難しくなります。テスト後に解き直しの課題が出ることがあり、ある点を下回る人だけに課されたり、全員に課されたりします。大学の2次試験とは違って問題を読んで解法が思いつかないような問題は出題されず、4stepに載っているような基本的な問題を解くような感じです。2次試験用の問題の対策を始めるのは基本的な問題の解き方が定着した後です。
 他の教科は12月(他の学校と比べて遅い)から共通テストの演習を始めますが、数学は記述で行われる国公立大学の2次試験に向けて記述力を落とさないようにするために、最後まで記述の演習をします。かといって共通テストの演習をしないわけにはいかず、毎週決められた曜日に共通テストの演習の時間を設けます。

国語

 国語は古文・漢文・現代文で異なる先生が担当し、テスト返しも別々に行われます。理科や社会とは異なり、古文・漢文・現代文のいずれかだけを教える先生がいるわけではないので、1年生のときはA先生の古文とB先生の漢文を受けたが、2年生ではA先生の現代文とB先生の古文をうけたなんてことは全然ありうることです。
 学年によって異なるようですが、私たちの学年では古文や漢文の予習は義務で現代文で課されるときもあり、それが前提で授業が進んでいます。古文や漢文の予習は予習用のノートを用意して教科書の文を写して、現代語訳を書きます。現代文は予習の度にプリントが配られるという形式が取られることが多いです。夏休みや冬休みの長期休業中に明けた後に使う教材の読書課題が出ることもあります。2年の冬休みに夏目漱石の「こころ」を全部読んでワークシートの問に答える課題が出ました。読むのに時間がかかり、ワークシートの問も難しく、大変な課題でした。予習とは違いますが、読書感想文や短歌を創作する課題も出ることがあります。
 授業形式は先生が講義する形式と生徒が席の近い人グループを組んで発表する形式の2通りがあります。私の学年では現代文と初期の古文漢文が前者の形式で途中から後者の形式でした。発表の場合、Jamboardを作るか黒板の前に書くかです。発表が終わると、他の人が質問をしたり、質問が出ない場合には先生が質問をしたりし、その後先生が解説します。予習はまあまあ大変です。自分が発表するときはスライドを作り、質問に答えられるように深く予習する必要があったので前日の放課後はほぼそれに時間を使っていました。
 テストは定期考査は古典(古文と漢文)と現代文に分かれ、実力考査では古文、漢文、現代文が同じ時間に実施されます。テストはそれぞれの科目の時間に返されます。テストには教科書範囲の他、古文の単語や百人一首、漢文の句形や重要漢字(漢文には現代とは用法の異なる漢字や未知の漢字も存在する)、現代文の漢字や重要な単語が出、加えて初見の文章が出ます。

理科と社会に入る前に

 理科や社会に入る前に断っておきたいのは私が在学していたときと今では土浦一高のカリキュラムが大きく異なるということです。私が1年生のときは、理科は生物基礎だけ、社会は政治経済と倫理でした。理系の人が国公立大学の2次試験で使うのは主に物理と化学、文系の人は主に日本史か世界史か地理であり、受験で必要な科目を1年のうちに学べないことになります。それが理由でしょうか、現在では1年のうちに物理や歴史の授業を受けられるようになっています。本記事では私の在学中の情報を基に書きましたが、これから入学される皆さんの授業の進度等についてはよく分かりません。

理科

 理科はどの科目も予習は必要ありませんでした。1、2年次は英数国を重視する土浦一高のカリキュラムのおかげで課題も少なく、テスト前に少しやればいい程度でした。他の課題も実験レポートくらいでした。
 授業形式は先生によって異なりますが、黒板のノートをとったり、プリントの穴埋めをしたり、また土浦一高には物理ノートなるものが存在し、それを作った先生の授業では基本的に自分自身でそのノートの内容を理解しながら、分からないところがあるとグループの人や先生に質問し、最後に先生が重要な箇所をを10分程で説明するという流れになります。物理ノートを使った授業は自分のペースで進めることができ、わからないことはその都度質問できるので、物理の理解を深められました。
 物理と生物の選択がありますが、選択者の割合は理系が3:1、文系が1:2くらいでした。また、今とはカリキュラムが違うのであまりあてにはなりませんが、物理は3年の夏休み前、化学と生物は10月頃に範囲が全て終わりました。物理よりも生物の方が課外が多くて大変そうでした。物理基礎をやってセンスがないと感じた人以外は物理を選んだ方がいいと思います。

社会

 社会も予習が必要とされる授業はありませんでした。課題もほとんどなく、1年と2年の夏休みに少し課題が出たくらいです。ほぼレポート課題で、日本史で旧国名(日立、武蔵など)を書かせられる小学校の漢字練習みたいな課題が出たことがあります。
 私が教わった先生は全員プリントを配ってそれの穴埋めをする授業形式でした。私の学年では発表する授業は1年の時に1時間あったくらいですが、下級生に聞いてみると、授業の冒頭に決められた人が発表していくような授業もあるそうです。日本史、世界史、地理から日本史探求、世界史探求、地理探求に名前が変わっているので授業形式はより能動的なものに変わっていくのかもしれません。
 テストは中学校の頃の社会のテストとはそんなに変わらず、記号を選んだり語句を書いたり、並べ替えたりといった感じです。大学の2次試験に出るような記述の問題は自分で対策するのと他の教科もそうですが直前期に先生が添削してくれます。
 日本史と地理の選択者の割合ですが理系が1:7で文系が7:5くらいです。理系に行く人やまだ進路が決まっていない人は地理を選択した方が無難です。

課外

 土浦一高には長期休みの一部を使った課外や土曜日に行われる課外(いずれも課外)東大研(任意)などの課外があります。竹園高校にも長期休みを使った課外や土曜日の課外があります。長期課外を入れる時期は学年によって異なります。夏休みの場合最初の一週目に入ったり、最後の一週に入ったり、両方入ったりします。1、2年は最初の一週目に、3年は最初と最後の一週に入ることが多いです。土曜授業は月に一回程度あり、竹園高校も同頻度であります。これらの課外は通常授業と同じようなことをします。
 東大研は土浦一高独自の課外で、事前に申し込む必要があります。申し込んでも好きな教科だけ行けばいいような形式ですし、授業で難関大学の過去問を使うことは稀なので行くのがおすすめです。形式としては問題をその場で解いて、先生が解説したり、分からないところを話し合ったりする感じです。

塾には行くべきか


 土浦一高に入学するとすぐに学校の勉強だけで十分だから、塾に行く必要がないという話をされます。確かに教材のレベルや授業のレベルは高いし、これらを完璧に仕上げようとすると他の勉強をする時間がありません。私のよく話していた友人は学校の勉強だけして医学部に現役で進学しました。そういう人はそれなりにいて、塾や通信教育をわざわざ利用する必要もないでしょう。
 一方で、高校の勉強についていけず、教材やテストの答えを読んでも理解できず、完璧に仕上げられないという人もいると思います。そういった人は塾や通信教育を利用するのもいいと思います。
 私が開業した土浦一高専門のオンライン塾では学校の勉強を吸収しきることを目的にしていますので、学校と進度が違って負担が生じたり、宿題を出すことはありません。私を含めて講師は全員土浦一高の卒業生で皆さんの事情を熟知しています。高校受験の対策もしておりますので、興味がございましたら、当塾の公式ラインを友達追加してお声かけください。https://lin.ee/uwpIebh




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