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ネズミニワトリネコイタチ

 むかしむかし、ネコとネズミがまだ仲良しだったころのお話です。
 ある日、ネコとネズミが楽しそうに遊んでいるところへ、ニワトリとイタチがやってきていいました。
「一緒に遊ぼうよ」
「もちろんいいよ。みんなで遊ぼう」
 ネコとネズミとニワトリとイタチは、みんなで仲よく遊ぶことにしました。

 しばらくすると、
「あ〜お腹がすいてきた。2階にかざってある、お供えもちを食べようか」
 と、ネズミがいいはじめました。
「そうしよう!そうしよう!」
 みんな大よろこびです。
 そして、2階から大きなおもちを運ぶために、階段にずらりと並びました。お供えもちをリレーして運ぶことになったのです。
「ネズミくんが1番上だな。しっぽを使ってものを運ぶのが上手だからね」
 ネズミは少し不安でしたが、チョンチョンと階段をかけあがっていきました。
 その下には、ニワトリ、ネコ、イタチが順に並びました。
 まずは1番上の、小さなもちから運びます。ネズミはしっぽにからませて、
「よっこら、よっこら」
 一生懸命引っ張って、おもちをニワトリにわたしました。
 次に、ニワトリはネコにわたしました。
 そして次に、ネコはイタチにわたしました。
 こうして、一つめのお供えもちは、無事に下まで運ぶことができました。

 しかし大きいものになるとたいへんです。
 ネズミは汗をかきながら、
「うんこら、どっこい。うんこらしょ!」
 としっぽがちぎれそうになるのを我慢して運びました。
 ところが、ニワトリにわたそうとした時、
 ドン!ドン! ゴロ! ゴロゴロゴロ!
 お供えまちは下までコロリン、イタチの頭にゴッツンコ。
「おお、いたち。おお、いたち」
 と、イタチは頭をさすりながら、泣きべそをかきました。
 すると、それを見ていたネコが、ニャーッといいながら
「にゃんともない、にゃんともない」
 となぐさめました。
 すると今度はニワトリがトサカをたてて、ネズミにむかって、
「おまえが、ととっさかしいからだそ」
 とはやしたてました。
 ネズミはチュウチュウはずかしそうに、
「う〜ん、らちょいと。ちゅーいがたりなかったかな。ごめんちゅ〜」
 と頭をかきながらあやまりました。
 みんなも、いつのまにやら大笑い。

 そしてその後、お供えもちをたくさんいただいてお腹いっぱい、みんなで仲よくお昼ねをしましたとさ。 

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