フェイスブックの過去

株マイスター バックナンバー(2012年5月31日更新)

【無料コラム】『株式市場の“盲点”を斬る!』

フェイスブックが上場来安値を更新!いま最も注目される企業の『実態』とは?

今月18日にナスダック上場を果たした米ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手のフェイスブックですが、株価のほうは下落の一途を辿っています。29日の米株式市場では一時上場来安値の28.65ドルをつけ、終値でも28.84ドルと戻りは限定的。フェイスブックでも上場を祝うコメントより「マーク(CEO)、お金を返して」といった投資家の恨み節が目立つ始末です。

上場初日にはナスダックのシステム障害で取引が混乱し、株価も期待を裏切る展開。鳴り物入りで上場を果たしたフェイスブックですが、ふたを開けてみれば波乱含みのスタートとなっています。

なぜ、こんなことになったのか?核心に迫る前段階として、フェイスブックの業績推移を見てみましょう。07年12月期~08年12月期は赤字決算となったものの、翌09年12月期から飛躍的に業績が伸長し、純利益は2.29億ドル→6.06億ドル→10億ドルと急成長。これだけを見ますと、フェイスブックは投資対象として何の問題もないように思われます。

しかしこのフェイスブック株、以前から株価が“過熱”状態にあることが指摘されていました。現在のPERは何と102.1倍(5/30調べ)。株主=会社のオーナー、という視点から考えますと、投資分を回収するのに102年もかかる計算です。同社を巡っては「将来の収益性に不透明感がある」との声も聞かれますが、たとえ“透明感”があったとしても現在の株価は合理的でないといえるでしょう。直近5年間では最大で122.4倍をつけたこともあり、いくら将来性のある人気株とはいっても、フェイスブックの株価が異常なほどの割高水準を続けていたことは間違いありません。

これらを踏まえますと、新規株式公開(IPO)時の株価38ドルというのが、いかに法外な価格であったかがお解り頂けるかと思います。下がって当然の水準からスタートしたのですから、その後の推移はむしろ“理論通り”の展開をみせたということになります。

いくら価値の高い銘柄でも、法外な値段で買ってしまった場合、その投資効率は非常に低いものになります。株価が上がるためには、実態価値と比較して低い水準からスタートしなければなりません。

優良銘柄にもかかわらず投資家の買いが集まっていない、いわゆる「出遅れ株」を見つけ出し、他の投資家に先駆けて仕込んでおく。そして、買いが集まり株価が上昇したところで売却する。これが投資の基本です。フェイスブックのように上場前の時点ですでに大きな注目を集めている銘柄は、この条件を満たすことができないため、業績がいくら好調でも投資の対象としてはリスクが大きいものになってしまいます。

また、株を始めたばかりの初心者が「とりあえず買ってみよう」という対象になるのが、フェイスブックのような人気銘柄。メジャーな株ほど、企業の実態を反映しない「いびつ」な株価をつけることが多いですが、フェイスブックに関しても例外ではないようです。

過度な人気ぶり、そして過度な成長期待から、現在のフェイスブックは「ハードルが上がり過ぎ」の状態となりました。利益成長率が100%を切ったら「成長鈍化」の烙印を押されてしまうようでは、適切な投資判断は難しくなります。また、このような銘柄は業績下方修正などのちょっとした悪材料に市場が神経質な反応を示します。そういった意味で、初心者にはかえって扱いが難しくなる可能性も高いでしょう。

今回のフェイスブックの例は、「優良銘柄=買い」という方程式は必ずしも成り立たない、ということを教えてくれたわけですが、これは米国株に限らず日本株にも当てはまることです。期間契約プラン会員様、そして単発スポットキャンペーンのご参加者様には、企業の実態だけでなく株価形成、そして買いのタイミングも見極めたうえでの銘柄推奨を行なっております。安定した利益を確保したいとお考えの会員様は、ぜひ各種プランおよびキャンペーンへのご参加を強くお勧め致します。

追伸
以前は花のある印象のフェイスブックでしたが、最近では会社名も変わり格落ちとも揶揄されています。
株価でみますと、2021年までは右肩上がりの上昇です。

時代を感じますね。

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