グリーやDeNAの強力ライバル!?【3664】モブキャスト

【無料コラム】『株式市場の“盲点”を斬る!』
株マイスター バックナンバー(2012年6月28日更新)

【3664】モブキャスト

6/26に東証マザーズに新規上場しました、ソーシャルゲームサービスを手掛ける【3664】モブキャスト。上場初日は大量の買い注文を集めて売買が成立せず、翌27日につけた初値は公開価格の約2.9倍となりました。ソーシャルゲーム関連のIPOという話題性に加え、市場からの吸収金額も6.1億円と少ないことから需給妙味という点でも市場の関心が大いに高まりました。

この背景には、【3632】グリーや【2432】DeNAがコンプガチャ問題後に株価が持ち直してきていることがあり、大きな支援材料となっているようです。

同社は「モブキャスト」上でSNSゲームの第1弾の「Webサッカー」の提供を開始し、続いてプロ野球オンラインカードゲーム「モバプロ」、競馬オンラインゲームカード「モバダビ」などをリリースしています。このゲームの有料課金収入と同サイトでのインターンネット広告を展開する広告メディア収入が同社の収益構造の中心となっています。

SNSゲーム

モブキャストで注目すべきは、ソーシャルゲーム全般を扱うのではなく“スポーツに特化した”SNSゲームを提供しているという点。このような“ニッチ”企業の市場参入というのは、業界全体の未来を占ううえで非常に大きな意味をもっています。

この現象は、市場のパイオニアが一定の成長を遂げた後に起こるものです。特定のジャンルに特化した「ニッチ企業」が市場に参入することで、業界全体の成長に拍車がかかります。

たとえば、保険業界が成熟期に達した後に、「ネットに特化した保険」を売りにした企業が市場に参入しました。販売チャネルをネットに限定することで大幅なコスト削減を可能にし、既存の保険サービスと同等もしくはそれ以上のクオリティを“業界最低水準”の価格で顧客に提供できます。既存の保険サービスに疑問を感じていた消費者は新規参入企業へと流れていき、新しいニッチ市場が確立されることになります。

話はこれだけでは終わりません。新規参入企業に顧客を取られてしまった既存の保険会社は、なんとしても価格競争に打ち勝たなければなりません。危機に晒された古参企業がここで初めて「企業努力」を実行に移すことになり、結果として業界全体のクオリティアップにつながるのです。

ブルークラッシュ

面白いところでは、ブルークラッシュという“ギャル系”に特化したゴルフブランドというものも存在します。ネイルをしているのでグローブは先端をカット、といった細かい配慮で人気を集めているようです。しかし一番の成功要因は「競合がいない」という点にあるでしょう。このような企業の参入によって、「ファッション性に欠けている」既存のゴルフブランドは改善策を打たざるを得ません。こうしてゴルフブランド全体のファッション性向上という流れが起こり、新商品投下のペースが早まるなどの要因から売上アップ、ひいては業界全体の活性化につながるというわけです。

こういった現象は、市場が開拓されてから非常に長い期間が経過してから起こるのが普通でした。保険の例でいえば、生命保険・火災保険・海上保険といった近代保険制度が日本に紹介されたのが1867年。保険業界がニッチ参入の“第2ステージ”を迎えるまで、実に150年近くの年月を要しています。

SNSの成長サイクル

しかし、SNSに関しては事情が全く違うようです。ネット上の初期のソーシャル・ネットワーキング・サービスは、Theglobe.com (1994)、Geocities (1994) そしてTripod.com (1995)のようなオンラインコミュニケーションの形態で始まりました。これをSNSの起源と考えると、SNSの歴史はわずか20年足らず。保険業界と比較すると、業界の成長サイクルの速さに驚かされます。

コンプガチャ問題で危機に晒され、さらに強力な新参者の煽りを受けることになった、グリーやDeNAを筆頭としたSNSのパイオニア企業達。しかし、これらの向かい風を乗り越えることで、さらに飛躍していくことは間違いのないところでしょう。

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