見出し画像

『本 (あたらしい教科書 2)』 永江朗

ヴィレッジヴァンガードの前身は1986年に名古屋で誕生。現在の代表取締役である、菊池敬一がはじめた書店が前身です。本だけでなく、ごく自然と自分の好きな商品を置き、有線一旦倒だった店内音楽を好きなジャズに変えたことから、現在の「行けば何か面白いものが見つかりそう」な予感たっぷりの「遊べる本屋」という販売形態へと変化していきました。

p115

ブックオフのような形態の古書店を、従来の古書店とは区別して、新古書店とか新古本屋、中古本屋などと呼びます。では、古書店と新古書店はどこが違うのでしょう。これまで古書店の世界では、仕入れ値と売り値という二つの値段を付けられるようになるまで、10年の修業が必要だと言われていました。本の相場を覚え、市場での動きなどに値付けの呼吸を体得するには、それだけの経験がいるというのです。ところがブックオフは古書業界の価値の体系を無視することで成り立っています。売り値は定価の半額。店頭に出して一定期間が過ぎると100円均一。買い取り価格もマニュアルで決まっており、希少性などは一切無視。入ったばかりのアルバイトでもすぐに買い取りをしています。この方法によって、ブックオフは古書業界では不可能と言われていたフランチャイズ方式の多店舗展開を実現したのです。コンビニのように明るい店内。規格化されたスチール本棚。「いらっしゃいませ!」のこだまコール。買い取った本はアルコールで拭き、小口にはグラインダーを当ててきれいに。

p116-117

※※サポートのお願い※※  noteでは「クリエイターサポート機能」といって、100円・500円・自由金額の中から一つを選択して、投稿者を支援できるサービスがあります。もし応援してくださる方がいれば、100円からでもご支援頂けると大変ありがたいです。