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『長い読書』 島田潤一郎

大学の授業が終わると、大学の図書館に立ち寄り、大判の画集を眺めた。実際のゴヤやドラクロアは果たして、どれくらい大きいのだろう、と思った。実家の近くの古本屋さんで、「週刊グレート・アーティスト」という分冊百科に出会い、そればかりを買い集めるようになった。毎号三六ページで構成されているこの薄い冊子は、毎号ひとりの画家の代表作と人生をコンパクトに紹介していた。第一巻はゴッホ。最終巻の一〇〇巻は総索引。収録している絵の枚数は少ないのだが、そのぶん、一枚一枚の図版が大きかった。

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