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予備試験 口述合格体験記~1室1番を経験~

結果

私は、令和5年度予備試験に合格しました。
口述試験の結果は、121点で70位でした。

論文合格発表から前日まで

論文合格の発表の日、自分は合格の見込みが0ではないものの、厳しいのではないか、と考えていました。論文合格がわかってからとりあえず2日遊びました。確か、12/21に合格発表、その深夜と22を1日遊んでその深夜まで、23日の朝。1日ゆっくりして、24日から勉強しようと考えていました。自分は、口述試験の対策を全くしていませんでしたし、論文試験時でも実務科目は雑にしていましたので、約1ヶ月間で全て詰め込み、対策をしなければなりません。そんなこともあって、一応焦りは、ややありましたが、自分の生きてきた流れ上、初めて勉強で結果が出たのでとりあえず噛み締め用途思っていました。
24日は午前中少し対策をして、午後はM1グランプリに備えました。自分はめちゃくちゃ漫才が好きなので、とても楽しみにしてました。その最中、なんか少し体調が悪いなぁ〜と感じていましたが、以前も遊び過ぎた翌日に高熱を出すことがあったので、今回もそんな感じかな、と考えていました。
25日、朝起きると完全に体調を崩していました。弟と2人暮らしだったので、弟に薬とゼリー等の購入を頼んで、ゆっくりしていました。ただ、熱は37.4度(解熱剤込み)で、動けるので普通に家の掃除などをしていました。26日、27日も変わらない体調です(ただし、解熱剤は飲んでいる)。
だんだん焦り始めます。ここまでほぼほぼ勉強ができていませんし。
28日、親が荷物を取りに来る関係で実家から迎えにきたのですが、その日に弟も体調を崩しました。ここで初めて、おやおや、これは疲れではなく、病気系だな、と気づきました。
29日、実家に着いて37.0度くらいになって落ち着いてきたのですが、弟はインフルエンザと発覚しました。おそらく、結果的にインフルエンザを自力で治した、ということになりました。これがとても良くなかったです。とてもとても拗らせました。
ただし、30日にだいぶ動けるようになり、31日には普通に動け始めたので、病み上がりの感じはあるものの、深夜に初詣に行くことにしました(油断です)。石の階段を登る途中、なんとなく体が辛い気がして、やっぱり11:56分に家に引き返しました。そうして、1/1に熱を図ると、38.5度、2日も変わらず、38度を超えます。1/3日に病院にいけたので、診断してもらいましたが、コロナでもインフルでもありませんでした。今年は本厄、と聞いていましたが、2024年スタートから本厄の名に恥じない辛さでした。
1/5になんとなく、動けるので下宿先に戻りました。そうして、体力回復に努め、大体7日くらいから勉強を始めました。具体的な勉強方法は別途まとめますが、ここからの2週間は人生の中でも有数に集中していたと思います。
いよいよ、東京に出発です。
ちなみに、私は関東付近在住ではないので、前日から会場付近に泊まることを計画していました。ホテルを予約したのは、論文試験の数日後です。これは一緒に受けた人に、論文合格後からは周辺のホテルの値段がかなり上がる、と聞いていたからです。キャンセル料はかかるかもしれないですが、前泊を考えている方は早め予約をお勧めします。

前日

自分は東京に行ったのは12歳(小6)の時に父親と2人に旅行に行った以来です。その当時、自分より小さい小1くらいの男の子がケータイを突きながら電車を乗り降りする姿を見て、「都会の子どもと田舎の子どもでは大きな差があるな」と子供ながらに感じたのを覚えています。ただ、大学から都会に進出した自分は小6の自分とは一味違い、大好きなオードリーのラジオを聴きながらでも、余裕で何の不安もないまま会場の最寄駅につきました。このとき、大学で電車の乗り換え等を学んだことは実は田舎生まれにとってはとても大きな財産なのではないか、などと考えていました。
東京駅からの乗り換えは信じられないくらい歩かされるので、びっくりします。ディズニーランドの隣の駅らしいので、耳が頭についている人についていけば乗り換えができる気がします。
ホテルにチェックインすると、部屋番号は、429。予備試験の口述試験まで行った人はみんな思うと思いますが、「準抗告‼️」と大した偶然でもないのにとても喜んでいました。自分は数字を覚えるのが苦手なのですでに覚えている数字なのはラッキーでした。
ついてすぐ、1時間は去年すでに合格していた同期とズームで、口述対策をしてもらっていました。その後、友達と電話をしながら、近くにイオンモールみたいなのがあったので、3日間の食料等を買い込むため旅に出かけました。
途中、体温が37.0になり、少しトラウマになっているのですが、解熱剤を飲むん落ち着きました。
部屋に戻ってからも寝るまで電話を続け、ご飯を食べて、お風呂に入り、寝ました。

1日目

1日目は、午後から刑法です。
朝が空いていたので、また、去年合格した同期にズームで口述対策をしてもらっていました。
試験会場に一度も行ったことはないので早めに出ることにしました。めちゃくちゃ寒くて、少し雨も降っていました。
会場前にはツイッターとかでよく聞く先生がいらっしゃって、自分も人並みに「大きいな」という感想を持ち、後にしました。
会場についてから、番号がわかるのですが、名前と番号を言ったら、「1-1」と言われました。完全なトップバッターです。ただ、あまり慌てませんでした。前日、友達との電話で俺はトップバッターのつもりで明日行く、俺は令和ロマンだ、」みたいな冗談を言っていたのが良かったのかもしれません。後になって思いますが、何番かな、とドキドキしていくなら、何番なら何をする、みたいなのを明確に持っておくのがいいと思います。
1-1と言われて1室の1番初めなので、入ってすぐかな、とドキドキしていたのですが、なかなか始まりません。まだ始まらないのか、と思って基本書を取り出したタスミングて召集がかけられました。待機していた体育館はめちゃくちゃ寒いのですが、いわゆる発射台は暖かかったです。
部屋の前につき、試験管の合図で、ノックをし、ベルの音で入室しました。ちなみに入る前にすごい笑った会話が外に聞こえてきてました。
入るとすぐにパネルが目に入り、刑法なのに、パネルがあるのか、ラッキーだなと感じました。
内容は、特殊詐欺です。これに私はとても喜びました。というのも、もともと大して対策していなかったのですが、ロースクールで刑訴の先生に対策をしてもらった時に特殊詐欺をテーマに問題を出してもらって、ボロボロだったので自分の中では丁寧にやっていたからです(財産犯にはっていたので、1日目の刑法の相場だから、財産犯だ、と分かった時点で安堵はしていました。
詐欺罪の構成要件や定義を言って着々と進みいい感じだな、と感じておりました。途中、自分は承継的共同正犯を否定説をとっているので、絶対成立する、という説で考えてください、というのにはちょっと迷いましたが、ポイントっぽい事情を拾って、乗り越えました。
この判例を知っていますか、と聞かれた時に、知っています。〇〇と説明したのに、うーん、もう一回見といてくださいね、と言われたのは悲しかったですが。
刑訴の方は、初め、緊急逮捕と緊急執行をごっちゃになってしまって、緊急逮捕です、と言ったのですが、その時副査のほうが笑っていました。笑うとかありなんだ、とか考えながら何とか落ち着いて、そのあとはトントンと進めて行きました。
体感はすごい短かったですが、終わってみると、結構話したな、という感じです。
外に出てすぐ、これは1日目できたぞ、と思って色々な友達にラインしました。
朝から降っていた雨が本格化してきたので、傘を買いました。ここで、自分はパジャマを持ってき忘れたのですが、ホテルの借りれるやつは薄くてとても寒かったのでファミリーマートでスウェットを買うことにしました。自分は背が低いのでMサイズもしくはSが良かったのですが、LLしかなかったので、とりあえずそれを買うことにしました。
部屋に戻ってからはまた、同期の人に対策をしてもらって、終わったあとは友達と電話をして早めに寝ました。次の日の朝の寝坊が怖いからです。

2日目

朝。起きれたのにめちゃくちゃ安心しました。
とりあえず支度を急ぎ、向かうことにしました。
この日も朝から雨で、よく、待っている時間は寒いと聞かされていましたが、雨が降るとより一層寒いです。
2日目は、8-6と後から2人目でだいぶ時間がかかるな、なんて考えていました。
1人目2人目と終わる時間を計算し、自分がどのくらい出回ってくるかな、なんて計算していました。
待っている時間、とても寒かった自分はスーツの上からウルトラライトダウンとコートを着ました。しかし、足の方が冷えます。そこで閃いたのが昨日買ったスウェットです。スーツの上から履いてやりました。ちょうどいい大きさです。
暖をとることに成功し、自分のまとめファイル等を見ていたのですが、自分は集中疲れが1番怖いな、と考えていました。そこで作戦として漫画を持っていっていました。普段の勉強を自分は2時間以上続けてできないのに、後述の待ち時間だけ2時間以上やるのは絶対良くない、と考えていたので、1.5時間くらい経ったあとはトイレに行ったり、軽く漫画を読んだりとして、とにかくリラックスしていました。
自分の番になって、いよいよ始まります。所有権系が出ると思っていたのですが、保証。これは嫌でした。しかも、請求の趣旨を聞いてくる。全然わからない。誘導だけを頼りに変なことをいうと、また笑っていました。露骨に、「ここは問題にならない❓」と聞いてきたので、全く分かっていませんでしたが、「(はっと気づいた顔をしながら)そうなると〇〇です‼️」と口述テクニックすぎる演技を見せて乗り切りました。結果的に合格しているので、そのくらいしっかり話を聞いて矛盾のないようについていく、という感覚でいいのかもしれません。というか、わからないならそうするしかないですし。
その後も請求の原因等は聞かれることなく判例法理のようなものを何となく聞かれて、この時も、この判例を知っていますか、と聞かれました。今度は全く知らなかったので、知りません。というと、知らないでこの結論を出したということですか、と聞かれたので、そこそこのほからしげの顔で、「あ、そうです」と告げました(それがどういう評価になるか知りませんが)。
あとは、法曹倫理をさらっと聞かれてことなきを得ました。
試験後は、ずっと対策を付き合ってくれた方にごまたまごを買ってくるようお願いされていたので、東京駅でごまたまごを探しました。そのくらいから、だんだん不安にはなってくるのですが、2週間くらい頑張った疲労もあり、とにかく早く寝たい、という気持ちでいっぱいでした。
新幹線に乗り、下宿先について自分の予備試験の全日程を終えました。

最後に

総じていい経験でした。
評判が良ければ(多分よくなくとも)、こんな感じで、論文と口述体験記も綴りたいと思います。お暇な方は私の司法試験勉強の合間の息抜きにお付き合いしていただけたら幸いです。
ありがとうございました。

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