漢字で書けない駅名

ソウル首都圏の地下鉄駅の数は300以上もありますが,そのうち漢字表記ができない,ハングルだけか,ハングル混じりの駅名を持つものが30近くもあります。そういった漢字で書けない固有語の駅がちかごろ増えているようです。

固有語表記の元祖は何と言っても서울駅(1号線・4号線)ですね。서울という地名は,みなさんご存じのように,もともとは「都」という普通名詞だったもので,それが韓国の首都を表す固有名詞になったと言われています。いうなれば東京を「みやこ」と言うようなものです。

・광나루駅:昔,漢江を渡る渡し場(나루)があったところ[5号線]
・구분다리駅:朝鮮時代に両岸を結んでいた橋が曲がっていたということに由来[5号線]
・노들駅:白鷺(백로)が遊んだ水辺という意味[9号線]
・당고개駅:弥勒堂(미륵당)のある峠[4号線]
・독바위駅:甕(독)のように見える岩のある町[6号線]
・돌곶이駅:石串洞(석관동)の固有語読み[6号線]
・뚝섬駅:朝鮮時代に둑기 (纛旗) という旗を立てて祭祀を行った中州のこと[2号線]
・마곡나루駅:漢江のほとりに位置しているわけでもなく,歴史的に近辺に渡し場が位置したこともないこの駅の名前が麻谷나루になった理由は,本来,隣接した中央公園にウォーターフロント事業が予定されていたため。渡し場(나루)があったところではない[9号線]。
・마들駅:昔,駅馬車の基地があり,馬が遊ぶ庭(말 들)があった[7号線]
・먹골駅:昔,墨(먹)を作る職人たちが住んでいたことに由来[7号線]
・버티고개駅:昔,この峠が番峙(번티)と呼ばれていたことに由来[6号線]
・보라매駅:空軍士官学校の跡地に作られた駅。보라매というのは生後1年未満の若い鷹のことで,空軍士官学校のシンボルに由来する[7号線]
・범계駅:虎の住む渓谷(호계)という意味[4号線]
・새절駅:江南にある新沙洞 (신사동) との混同を避けるために,新寺洞 (신사동) を固有語読みにして命名[6号線]
・셋강駅:分かれた川の支流がまた一つになるところという意味[9号線]
・애오개駅:애は子供を意味する。すなわち아이고개から転訛した。朝鮮時代には人が死ぬと死体を城の外に埋めたが,子どもの死体は陶器に入れて埋めた。その場所に由来する。[5号線]
・여의나루駅:昔,漢江を渡る渡し場(나루)があったところ[5号線]
・연신내駅:연신川という意味。以前は漢字で「延新內」と表記していたが, 2001年に漢字を削除した[3 号線・6 号線]
・잠실새내駅:元は新川(신천)と呼ばれていたが,新村(신촌)との混同を避けるために漢字を固有語読みに改称[2号線]
・장승배기駅:昔,村の入り口の守護神(장승)が立っていたところ[7号線]
・학여울駅:鶴の遊ぶ水辺という意味[3 号線]
・한티駅:大きな峠(大峙:대치)という意味[盆唐(분당)線]

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