また娘が人のお菓子を食べた
「かあちゃんの」と書いて袋に入れておいたお菓子を、娘が勝手に食べた。
空の袋だけが、元の場所に置かれていた。
なんでこんなことをするんだろう?
うんざりする。
出て行きたい。
なんて言って行かないのは、あとあと何かあったときに「お前が捨てたせいだ」と私のせいにされるのを怖れているからだ。
世間体だ。
はたから見たら、普通の家庭だ。
でも私が出奔したら、普通じゃなくなってしまう気がして。
普通という幻を必死に守っている。
なんのために?
娘は発達障害の傾向があり、就学前から大学病院に通院して薬を常飲している。
旦那は最初から通院に反対で、薬を飲んで日々過ごしている日常をわかっていない。
「昔は落ち着きがないところもあったが、もうどう見ても普通の子供なんだから通院は必要ないだろう?」と最近もしれっと言いだして、ひっくり返りそうになった。
何を言ってるんだ。
毎日朝晩5種類もの薬を飲んで、ようやく今の「普通の生活」が出来ているのに。
何を見ているのだ。
そもそも旦那は娘の発達障害を認めていない。
私がいなくなったら通院も途絶えて、娘の生活は今より難しいものになるだろう。
私が逃げることで、あとあとその責めを負いたくない。
お前のせいでと言われたくない。
責任を取りたくない。
出来ることはやったと思いたい。思われたい。
誰に?
世間に。
自分に?
出ていきたい、逃げたいと思う自分と、責任を持って親の義務を果たしたいと思う自分がいる。
主に世間体を大事にしたい自分だ。
世間が私を褒めても守ってもくれないのに。
自分のやせ我慢と限界までのチキンレース。
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