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小児科医が育児でやってよかったこと<絵本編>

はじめに

私は小児科医ですが、乳幼児教育については専門ではないので、ここに書かれていることは、いち母親の意見であることをご理解ください。絵本の読み聞かせが効果あることは事実だと思いますが、どのように読むかについては私自身何が正しいのかまだ答えを持ち合わせておりません。

絵本の読み聞かせいつから?

自分自身が育児をするまで、いつから絵本を始めればいいか特に答えは持ち合わせていませんでした。
第1子(娘)の出産祝いに友人から絵本(「もこもこもこ」「はらぺこあおむし」「"くるっ"&"ぱかっ"の2冊セット」)をいただきました。
娘がまだ新生児(生後1ヶ月未満)の時期に夫がそのいただいた絵本を娘に読んでいるのを見て、「いやさすがにまだ早いんちゃう?」と思いながら見ていました。
しかし生後2ヶ月あれ何か見ているような気がする?と思っていたら、生後3ヶ月には絵本を明らかにじっと見るようになりました。これには正直驚きました。それがどれくらいの刺激になっているのかは分かりませんが、反応しているのは確かでした。さらに生後4,5ヶ月には寝転がった状態で絵本を見せると笑顔になり足をバタバタさせるようになり喜んでいるのが分かりました。
もしかしてこういうことを書くとそういう時期から絵本を読まなきゃダメって思われる方がいるかもしれませんが、こういう早い時期から読んでも反応はあるよってだけで、いつ始めても全然よいと思います。
興味深いのがまだ全然言葉が分からない時期でも、「わらう」とか優しい表現の部分とかを読んでいる時いい反応するんです。

どんな風に読む?

字通りに読む?絵に沿って字に書かれていないことも付け加える?あまり感情をこめずに読む?インターラクティブな読み聞かせが効果的?
など、いろんなやり方が唱えられており、初めはどうしようか迷いました。
私はこどもの反応に合わせて変えていきました(正確には合わせていると勝手に変わっていきました)。
言葉をインプットする時期は言葉のテンポを楽しんでもらうために作家さんの言葉通りに読み進めました。
言葉が少しずつインプットされてきたら(1歳前後)、文字を読みながら、時折「赤いコップを使ってるね〜」など足していきました。
本人の言葉が出てきたら、上のように足すのに加え、「他にどんな動物さんいるー?」とか問いかけを増やしていきました。

絵本のいいところ

たくさんの体験ができる

絵本の中だといろんな場所に行けるし、いろんな人・動物に出会えます。宇宙や架空の世界に行くこともできれば、料理などこれから実際にできることにつながる体験もできます。
ある時、娘がきゅうすの出てくる絵本を見て、別のきゅうすの出てくる絵本を引っ張り出してきた時、あぁ絵本の体験がつながっていっているんだなと感じました。
絵本での体験と現実での体験もリンクするように、絵本を読んであまり時間が経たないまま実物を見せるようにしました。

新しい言葉に出会える

いろんな絵本を読んでいると言い回しも様々だし、新しい言葉に出会える機会も増えます。また、これはこどもにとってだけでなく、読み聞かせしている大人にとっても当てはまります。
そもそも私が絵本の読み聞かせを始めたのは、生後2ヶ月の娘と2人きりでいる時間に何をするかに困ったからです。なるべく声かけはしようと意識しても「おはようー」「かわいいねぇ」「○○ちゃーん」「今日は晴れでーす」などワンパターンな言葉しか思いつきませんでした。
絵本を読んでいると自分で考えなくてもそこに言葉が書いてあるし、何よりそこに書かれた言葉がそれぞれの作家さんが選んだ素敵な言葉である点が絵本のすばらしいところだと思います。
絵本って擬音語や擬態語も素敵ですよね。私は絵本の中の擬音語・擬態語をよくこどもと遊んでいる時に使っています。例えばこぐまちゃんの「どっしんぽん」とか、可愛くて大好きです。

絵本は買うべき?

そんな素敵な絵本ですが、1冊1冊買い集めるとお金がいくらあっても足りないですよね。。私は2週に1回図書館で夫婦2人のカードを両方使って15冊ほど借りるようにしています。たくさんの絵本に触れるとそれだけ分の体験ができて世界が広がると考えているので、お金を使わず絵本に触れる方法として図書館は最適です。

どんな絵本を選ぶ?

初めは白黒、赤、黄がはっきりしたもの、正面からの顔が書かれているものなどを中心に選びますが(SASSYシリーズなど)、その後はどんな物でもよいと思います。ただ、なんとなく読む側からするとストーリーがあるならそれを順番に読みたいという気持ちが無意識に働くので、長いストーリーを選んでこどもが途中で中断することを残念がるよりは、まずは文章の短いものを選んで絵本の時間を習慣化して、徐々に長くしていくのがいいかなと感じます。
上に図書館で借りるということを書きましたが、夫婦が選ぶものって全然違っていることが多くて、ぜひ皆さんも誰でもいいので(ネット上の情報でもいい)、他の人が選ぶ本を取り入れてみることをオススメします。
我が家は義実家から毎月絵本が1冊送られるコースがプレゼントされたのと、生後3ヶ月からbabyくもんを始めたので、自分が選ばない本が自動的に月に2冊届くようになっており、これはとてもありがたかったです。
例えば、babyくもんでいただいた「きいてごらん」という絵本は正直絵のタッチを見た感想としては、自分では赤ちゃんには選ばないかなという印象でした。ただまだ1歳になっていない娘に読んでみると意外と反応がよく、しばらくすると「ざわざわ」とその中の言葉を覚えていたりしました。
※ちなみにbabyくもんは月に1回くもんの教室に行って先生と30分程度お話し、絵本とやりとりカード、定期的に歌CDがもらえます。月額費は2000円少し(だったはず)。娘が1歳で私の育休が終わった後、月1回平日に時間を作るのが難しくなり途中でやめてしまいました。。

絵本の記録方法

絵本の記録はこれだけ読んだよっていう自分なりの記録が残したかったため始めました。簡単に記録するだけならリストを作るだけでよかったのですが、見えるところに残したいという思いがあり、わざわざ絵本の表紙のシールを自分で作って模造紙に貼ることにしました。部屋に貼っていると「これ読んだなー!」ってすぐ振り返れてよいです。
ただ・・・
手間がかかる手段を選んでしまったばっかりに、6ヶ月坊主になってしまいました。。。
現在このシール作りをもっと簡単にできないかを模索中です。

リビングに貼った娘の絵本記録

おすすめ絵本

育児中の方にぜひ読んで欲しい

赤ちゃん向け・こども向けの絵本はここでは挙げきれないですが、育児中の方向けにオススメしたいのは、「今日」「あなたのすてきなところはね」の2冊です。
まず「今日」ですが、これはニュージーランドを中心とする英語圏で伝えられている詩を日本語訳したもののようです。お子さんとの日々の中「今日何してたっけ?何もせず1日過ぎていく。」って感じている方にぜひ読んでいただきたいです。私自身は第1子が0歳の時に初めて訪れた支援センターでこの詩を読んで涙があふれてきました。一生懸命育児されている方に「それでいいんだよ。」を伝えてくれる1冊と感じます。
「あなたのすてきなところはね」は図書館で出会いました。1つ1つ挙げられていく"すてきなところ"もどれもうんうんとうなずけるものばかりなのですが、やっぱりラストが大好きです。オススメです。

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=160486



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