多摩川梨から見る戦後川崎の一次産業における変遷
川崎名産であった多摩川梨現在は工場の町として知られる川崎だが、昭和の時代には一次産業が盛んで、中でも稲田地区を中心に、梨の一大産地だったという。ニュース映画から、主に育てられていた品種は「二十世紀」「菊水」「長十郎」などで、収穫の時期にはもぎとりの行楽なども行われていたことがわかる。
この多摩川梨の歴史は意外にも古い。1990(平成2)年に掲載された朝日新聞の記事によれば、江戸時代初期に川崎大師河原で栽培された記録があるという。寛政時代に盛んになり1893(明治26)年、同