女優のエッセイ
もう何年前なのかも定かではないですが、
テレビで若手芸人がネタをやって、その後先輩芸人がコメントするという番組がありました。その時にとある方がネタ中に出てきた「女優のエッセイ」ってワードおもろいなっておっしゃってて、その後も「女優のエッセイ」って何やねん〜、「女優のエッセイ」っておもろいなってずっと噛み締めておられました。
記憶が結構曖昧ですが、女優のエッセイのネタっちゃネタだった気もするんですが、そんなに「女優のエッセイ」がネタの中心メンバーではないなという印象でした。
その時私はすでに芸人だったとは思うんですが、「女優のエッセイ」という言葉の面白さがわからなくて、あんなに噛み締めている理由もわからなくて、はて?と思った記憶があります。
「女優」と「エッセイ」は反対語ではないですし、類義語でもないです。女優がエッセイを書くことは何ら不思議でも、世間に対して責めているわけでもないです。もしも「桜鯛のエッセイ」だったとしたら、『こいつはただの鯛じゃない、桜鯛や!』という、親友の鰤に書いてもらった薄ピンクのダサめの帯が想像できて「なんやねんこれ」と笑ってしまうかもしれませんし、「女優のサーカス」だったら今をときめく女優さんが危険を伴いながら火の輪っかを通ったり、空中ブランコしすぎて上腕二頭筋がムキムキになったりしているのを見て「何してんねん」と面白く感じることもあるかもしれません。その時は女優のエッセイの面白さがわかりませんでした。
時は過ぎて最近急に当時の「女優のエッセイについての考察」のことをふと思い出しました。
今ならなんとなく、「女優のエッセイ」のワードの面白さがわかる気がします。それは多分私がツッコめるようになったからだと思います。ツッコミといっても日本酒がイケるくらい華麗な例えツッコミでも、そのまま100mくらい走っちゃうようなパッション迸るツッコミでもございません。「何やねん、おもろいな〜」くらいのものです。
そう思うと今までたくさんの面白いことをとりこぼしてきた気がします。落ち込んだ時ややってられない時はこんな気分にはなれないだろうと思いますが、何も面白いことがないなくらいの時は女優のエッセイを思い出して「何やねん、おもろいな〜」って言います。
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