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誕生日

友達の誕生日プレゼントを買いに行った。同世代のもちろんお笑いをやっていない友達だ。友達は全員お笑いをやっていない。当たり前だ。お笑いをやっていることを当たり前という軸で動きすぎない方がいい。この世はお笑いをやっていない人の方が人数が多い。同級生の友達に何をプレゼントしようか迷った結果、梅田にたどり着く。梅田はルクアからグランフロントから茶屋町から割と一箇所に集まっている。全て揃っているので進研ゼミ。難波はパークスと堀江とか心斎橋とかはお店が街に転々としているから潮干狩りである。こっちも捨てがたい。でも早急に買い物を済ませたいときは移動が少ない進研ゼミで行くしかない。歩けば何かある場所で色々見るが、一体全体同世代の女の子が何がほしいのかがさっぱりわからない。入浴剤?無難でいいか?でも私レベルの女が選ぶ入浴剤、同級生の女の子なんて高校で通ってるんじゃない?なんかそれとも水筒とか?あったかい紅茶淹れて持ってきてるイメージあるぞ?もうでも淹れてるイメージあったら水筒は持ってるやん。やばい何がほしいかわからない。実は2019年まで普通に働いていた。そのときはお笑いをする傍ら、休憩室でどのブランドがどうだああだ、あそこのイタリアンがどうだああだの会話を聞いていたので世の同世代が何が欲しくて、何に注目していて、何が流行っているのかは大体わかった。おばたのお兄さんだった。同期だ。さらにみんながどういうときに怒ったり、笑ったりするかも大体わかっていた。みんなは誰かが道でつまづいたりしたら20秒くらい笑っているし、上司のファンデーションが襟についているのを思い出して30秒笑っていた。正直私は乗っかれなかったし、もう黙っておこうと思うことも多々あった。休憩室でみんなでテレビを見ていたとき動物園の夏の風物詩で果物入りのデカ氷をどうぶつの檻にぶち込んでいるニュース見て「いや〜〜〜今年もこの季節がきましたね。」と大きめの声で言うたら、みんなに無視された。この季節きてるやろ、デカ氷で涼とってんねんで。夏の哀愁やんけと憤慨した。でも今は無視するやつは周りにいない。にぼしや後輩に同様のことを言うたら「きたね」「きましたね」「たまりませんね」と言うてくれるはずである。そんなやつしか周りにいない。そんなやつらのほしいものは手に取るようにわかる。お茶しようやと誘ったらめっちゃ喜んでくれるし、チューハイのロング缶をリュックにぶち込んでおくだけでおべべっべ〜と言うはず。でも、多分同級生はおべべっべ〜は言わない。でも我々はおべべっべ〜を言わない人を笑かさないといけないのである。おべべっべ〜を言わない人が欲しいものをわかる必要がある。全てが全てわかるならば芸人をやっていないが、そういう方の中でどんなものが流行っているのかとかは察知しておかないといけない。

別日、母親の誕生日に誕生日プレゼントを買いに行った。本当は温泉旅行とかだろうなと思うんだが、私の財力ではフルーツ大福が限界であった。情けない。でも多分「これ一粒高いんちゃうん!こんな小さいのに!」と喜んでくれるはずであった。おめでとう、と渡したら「いやこれ一個一個箱に入ってんねや〜可愛らしい箱!」と喜んでくれた。

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