細かすぎて伝わらないモノマネ

　「失礼します。」と素人丸出しの緊張っぷりで部屋に入る。出す予定の音量よりも耳に入ってくる音量が遥かに小さい。オーディション。ポケットから出したくちゃくちゃのメモがパタパタはためいているのが目視で確認できる。これがオーディション。複数の大人が見ている。めっちゃオーディション。めっちゃオーディション。

　そもそもテレビ局のオーディションは事務所に来るもので、我々のような野良には来ない。今までもどうにかスタッフさんと繋がって受けさせてくださいとか、優しいお知り合いに流してもらったりしていたが、まあそれでも事務所所属の芸人さんの1/30もないのではなかろうか。そんな「賞レースぶっつけ一発勝負芸人」にもお優しい細かすぎて伝わらないモノマネのオーディションに行かしていただき、なんと合格した。それはそれはわかりやすく浮き足立っている。

　オーディションは4次に渡った。毎回7〜8個のモノマネを持っていった。詳細はオンエアまでは言えないけれど、とっても楽しかった。明日もやりたいし、どこでもやりたい。いつでも落としてください。