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ネタコメありがとう

割引あり

 M-1の3回戦で敗退し、最初はうわ!ああ!やば!ショック!とか思いつつ、でもまあウケが微妙だったしなとか、花一匁のように思考を進退させていた。最終的には準々決勝に4年連続で進出してたからその連続記録がパキンとなくなったこととか、M-1の自分達のページの出場情報を押した時に今年は少し短くなったとかがナチュラルにショックで、「退」で一件落着していた。一件落着ではないけど。

 無名の私たちを世間の風に晒してくれたのも、なんかちょっといいやんって周りから見られるようにしてくれたのもM-1だし、私たちはM-1がないと漫才を続けてられなかっただろうから、M-1様には感謝している。ちゃんと出来が悪かった時は落とされるし、あんまりウケが芳しくなくてもめっちゃくちゃ頑張ってネタ作った年はちゃんと受からせてくれる。どこかで見られている。どこにおんねん。
 去年までは、単純に今まで私たちだけのことを考えていたけど、今年は周りに対して手を出しすぎたし、上京を決めたりしててんやわんやだったのがよくなかったのかもしれない。と反省している。でもそれは自分の責任の中で、そんなことがあろうとも絶対に勝ちきれるという強い意思は持ってやったことなので後悔はない。でも、だからこそ、絶対勝ちきりたかったので敗退という結果はガビーンモノではあるがこれは来年へのスペシャルランクアップのためのものと捉えて前向いていくつもりであるが、そんなうまくいかないのが私である。 

 できるだけ平然を装いながら結果発表を見ようとしていたが、居ても立っても居られないまま、ネタを書きにノートとパソコンを持って歩いた。歩くというか徘徊である。徘徊のボルテージが上がってきたときに、運命の18時が来て、その場に立ち止まって小さい字を確認した。「ないな」と思った瞬間、急に冷静になりこんなところで立ち止まってはいけない(メンタルの話じゃなく足の話)から歩いた。オーパスツーの大ちゃんがラインをくれていてそれでお涙ちょちょと湧き出て、本当に終わっちゃったと落胆した。ちょうど四文屋の前に着いたので急に入ってレバーをたくさん食べた。敗退後のタンパク質は回復を早めてくれそうだと意識の奥底に感じていたにしても敗退即四文屋レバー爆食いは怪怪。芸人は負けるとレバーを食う。

 レバーを爆食いしてお肌ピカピカ、敗退してお心がカピカピで迎えたネタコメであったが、ネタコメのおかげで、絶対もういっちょやるぞ、来年こそ!と強く思えるようになった。

 まず、ネタコメが爆誕した経緯だが、noteさんの会場でライブができるという話を聞き、担当の方と色々打ち合わせを進めてきた。確か夏ごろからだった気がする。最初のコンセプト決めも難航して、「noteさんでやっている意味を持たせる?」「そもそもガチのネタライブができる?」「トークベースの方がいい?」「なんでnoteで?ってなっちゃダメだな」とか、色々一緒に考えてくださった。

 結局「noteを書いている芸人」と「noteの会場の特性を活かしたトークベースでネタについて話す」とみたいな意見にまとまって、noteの社員さんとお仕事されている、しずる村上さんに来ていただいてコメントをもらおうというライブになった。
 もちろん私は村上さんとは初対面で、そもそも吉本の先輩とご一緒する機会なんてないからドキドキハラハラしていた。快くライブのオファーを受けていただいて、あんな素晴らしいライブにしてくださって感無量である。

 村上さんのコメントは、まず大前提に愛があってその上で私たちの知らない世界を見せてくださるので、もうため息しか出なかった。我々の課題である、Wの決勝激滑りいわし青筋問題も村上さんの手にかかれば理由がすんなりとわかった。ライブとテレビでネタをされている方の意見なんてそうそう聞くことがないし、私もあのアドバイスは初めてのアドバイスだった。興奮。あんな濃厚で的確で急所を突くお話を聞けるなんてすごかった。その急所は私たちにとっては確実に急所なのであるが、お客さんも急所をつかれたみたいな顔をしていた。お客さんが急所突かれているのは、面白かった。
 全部極上のコメントであったが、さすらいラビーのコントの一言のあるなしの話と谷口つばささんのコントの立体感の話が、ちゃんとひらがなの発音として「あがががが」と言ってしまいそうなくらい腑に落ちた。ぐんぴぃの「軽視しているとこです」の返しは凄すぎたし、ママタルトさんが痺れを切らしてのぞいてきたところも何してんねんで良かった。後、お客さんのレポとか見させていただいて一緒にピクニック行ったくらい楽しんでいただいていたのが嬉しかった。

 ネタコメですごい感じたことが2つあるので書く。

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